御名神亭の業務日誌
≫2005年03月
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SS 『鬼哭麺』最終話 外伝 「祭りの後…」
人々は去り、初めての役目を終えた『キッチンスタジアム』に三人だけが残って居た。
「さぁて、如何でしたかな、オーナー殿?」
恭しく、ツェ・イーターが礼をする。
「ふ、余興としては十分楽しめた。…しかし、貴公も人が悪い…いや、“人”ではなかったか。」
「…マスター?」
エセルドレーダは、目の前に居る只の初老の男に自分の主人が何を言っているのか分からなかった。
「ほぉ…、エセルドレーダにも分からぬとは上手く化けたものだな、ナイア。」
「!?」
テリオンに言われたツェの身体から漆黒の闇が、ジワリと漂う。
「いやいや、実を言えば今回は操り人形なんだよ。」
闇は別の方向から染み出した闇と混ざり、女の姿になった。
「何せ、相手は“気”を視認するだろう?必要最小限の介入で最大の効果を上げる実験さね。お陰で、人形の生命まで取らずに操れたよ。」
「貴公にしては珍しい気遣いだな。」
「まぁ、“結果として”、だけどね。」
人間一人の命などどうでも良い事のようにケラケラと笑うナイア。
「ともかく、美味しい料理に辿り着いた訳だから道化としては満足さ。次は愛しの九郎君が“神々の調理器具『輝くトラペゾヘド炉ン』”に至れば言う事はない。」
「…まぁよい。余もそろそろ帰るとしよう。今日の事でアウグストゥスでも弄って暇つぶしでもしたいしな。では行こうか、エセルドレーダ。」
「イエス、マスター。」
「君だって人が悪い。…いや、君も“人”じゃないか。くっくっくっ…。」
笑いながら、闇に消えていくナイア。最後に残ったのはツェ・イーターただ一人。
「…ん?…あぁ、そうか、タオロー君の店の事だったな、いやいや、ボーっとするとは私も歳を取ったのかな?さぁて、美味いラーメンは食えるし、商売は成立したし、今回は良い事尽くめではないか、はっはっはっ。」
どうやらこちらも、勝手に記憶をつなげているようで、笑いながら会場を出て行く。
そう、この街で食にかかわっていて、立ち止まる暇のある者は居ないのだから…。
……そして『機神厨房レモンパイン』に続く…わけが無い(笑
「さぁて、如何でしたかな、オーナー殿?」
恭しく、ツェ・イーターが礼をする。
「ふ、余興としては十分楽しめた。…しかし、貴公も人が悪い…いや、“人”ではなかったか。」
「…マスター?」
エセルドレーダは、目の前に居る只の初老の男に自分の主人が何を言っているのか分からなかった。
「ほぉ…、エセルドレーダにも分からぬとは上手く化けたものだな、ナイア。」
「!?」
テリオンに言われたツェの身体から漆黒の闇が、ジワリと漂う。
「いやいや、実を言えば今回は操り人形なんだよ。」
闇は別の方向から染み出した闇と混ざり、女の姿になった。
「何せ、相手は“気”を視認するだろう?必要最小限の介入で最大の効果を上げる実験さね。お陰で、人形の生命まで取らずに操れたよ。」
「貴公にしては珍しい気遣いだな。」
「まぁ、“結果として”、だけどね。」
人間一人の命などどうでも良い事のようにケラケラと笑うナイア。
「ともかく、美味しい料理に辿り着いた訳だから道化としては満足さ。次は愛しの九郎君が“神々の調理器具『輝くトラペゾヘド炉ン』”に至れば言う事はない。」
「…まぁよい。余もそろそろ帰るとしよう。今日の事でアウグストゥスでも弄って暇つぶしでもしたいしな。では行こうか、エセルドレーダ。」
「イエス、マスター。」
「君だって人が悪い。…いや、君も“人”じゃないか。くっくっくっ…。」
笑いながら、闇に消えていくナイア。最後に残ったのはツェ・イーターただ一人。
「…ん?…あぁ、そうか、タオロー君の店の事だったな、いやいや、ボーっとするとは私も歳を取ったのかな?さぁて、美味いラーメンは食えるし、商売は成立したし、今回は良い事尽くめではないか、はっはっはっ。」
どうやらこちらも、勝手に記憶をつなげているようで、笑いながら会場を出て行く。
そう、この街で食にかかわっていて、立ち止まる暇のある者は居ないのだから…。
……そして『機神厨房レモンパイン』に続く…わけが無い(笑
SS 『鬼哭麺』最終話 「鬼哭屋」
広い『キッチンスタジアム』の中は、タオローが調理を続けている音と、審査員のラーメンを啜る音だけが響いていた。
ギュゥ~ウゥン!ギュギュ ギュオオォォ~ン!!
最初に…そして場違いなほどの大音量で鳴り響いたもの…何処からか取り出した、ウェストのエレキギターであった。
「美味いのであ~る!伊勢海老やフカヒレの乗ったラーメンなど初めての快感であり、伝説の樹の下で大告白なので順番待ちなのであ~る!!」
「五月蝿いロボ!」
ごすっ!
客席から、ウェスト自身が作り上げたコックロイドエルザが現れ、肉叩きトンファー一閃。
「まったく!博士のせいで店の評判が落ちたらどうするロボ!」
そのままウェストを担ぐと出口に向かってしまう…審査員、一人脱落…。
その様子を見ていたアウグストゥスは、
「まったく、だからあの程度の男に審査など荷が重いと言うのだ。ここは僭越ながら、この私が料理の審査におけるリアクションという物を見せてやる!」
おもむろに、会場中央にまで進むアウグストゥス。ラーメンを一口啜ると…。
「う~ま~い~ぞ~!!」
叫ぶと同時に、背後からスープの津波が現れ、スーツを脱ぎ去り飛び上がるアウグストゥスは…金粉でも塗ったくった様に全身金色で…何処から出たのかサーフボードに乗っていた…
「コクのあるスープは六種の素材を極限まで引き出し、スープの絡む細打ち縮れ麺の喉越しが心地良い…あぁ…このままラーメンの海に溺れてしまいたい…ぬぐぉ!」
つるっ、とスープの油でテカるサーフボードから落ち
「がぁ~ぶらぁ~~!!」
そのまま、出口まで流されていった…審査員、二人目脱落…。
「はっはっはっ!流石はアウグストゥス、愉快ではないか。なぁ、エセルドレーダよ。」
「はい、マスターの仰せの通りです…。」
…いつものどうりの二人であった…。
そんなやり取りに、まったく気付かなかったようにリァノーンが一言。
「まぁ、美味しい。スープに雑味が無いのに深いコク。素晴らしいですね。」
「…いや、あなたも少しは気が付きなさいよ…。」
「そうおっしゃる諸井女史も検電計の端子を箸にするのも如何なものかと思いますが?」
「うるさいわよ、サイス氏。私の勝手でしょう?この針の動きを見なさい、確かに微量に蓄電されている…この麺を再現出来ればわが社の利益になるのよ。」
「そうよ!このスープのサンプルを持ち帰ってレシピを再現して、どっかの企業にでも売り込めば…いい小遣い稼ぎになるじゃない。」
「Dr.都もですか。…研究熱心な事で…しかし、時には至福の味わいを楽しむのもよい物ですよ?」
「はん!おっさんのたわ言に付き合ってられねぇなあ。…確かに美味いが、後に残ったのがくたばりぞこないじゃぁ面白くねぇ、暇つぶしになるかと思ったが、やっぱり俺は降りるぜ、じゃあな。」
さっさと出口に向かうジェイ…審査員、三人目自ら降板。
「…本当にこのメンバーで大丈夫なのでしょうか?ツェ・イーターさん?」
心底、呆れた様に瑠璃が隣のツェに問いかける。
「…まぁ、リアクション担当は致し方ありませんが…少なくとも、味にうるさい方達は残りましたので、このまま続行で問題無いと思いますが?」
「…本当でしょうねぇ、もしこの企画が潰れたら…あなたにもそれなりの覚悟というものをしていただきますよ?」
「は、はい、それは勿論…。」
少女とは言え、覇道財閥総帥の迫力に、ツェは言葉を濁すしかなかった。
「お待ち…。熱いうちに食ってくれ…。」
次にタオローのラーメンの試食なのだが…残った審査員達は、既にホージュンのラーメンを完食していた。
「…これ以上は…太るわよねぇ…。」
「ええ…ちょっと胸焼けが…。」
ホージュンは勝ちを確信していた。何故なら、審査員に女性がいるのならば最初の一杯でもう二杯目を食べる余裕は無い。
その為に、タオローより先にラーメンを出す必要があったのだ。勿論、その為にスープの配合を重めにしてもいた。
(ふっ、勝ったな…。)
だが、タオローはそんなホージュンに気付きもせず
「ともかく、一口だけでも食ってくれ。それで分かる。」
「では、頂きます。」
最初に口を付けたのはリァノーン。『給食鬼』たる彼女にはこの程度は何でもなかったのである。
「…まぁ、美味しい…。」
まさに、至福の笑顔。それに釣られて、他の審査員も口を付ける。
…麺を啜る音だけ響く中、ある者は至福の笑顔で、そしてある者は感動の涙を浮かべていた。
結局、誰一人スープ一滴すら残さず完食。
「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」
そして、いよいよ審査発表。審査員長の覇道瑠璃が勝者の名を名乗る。
「勝者、コン・タオロー!」
ワアアアアアアアアアアアァァァ…
割れんばかりの拍手の中、ホージュンだけが異論を唱えた。
「馬鹿な!何故この俺が負けねばならん!」
「…見苦しいぞホージュン君。では、君も食ってみたまえ。」
「ふん!ならば食ってやるさ!」
ひったくるようにドンブリを奪うと一口…
ホージュンの目から涙が溢れていた…。
「くっ!完敗だタオローよ…。」
「分かった様だな。君のように“勝つ”料理では、人は感動出来ない。何より“人を喜ばせよう”という料理こそが真に感動出来る料理なのだよ。
…で、君には罰ゲームを兼ねて、『トシマ』に新店舗の立ち上げに行って貰う。『男の料理 ヴィスキオ』を壊滅させるまでは帰って来れないのでそのつもりで…。」
「ま、待て!俺はあんな男だらけの場所になど行きたく無いぞ!止めっ!うわっ…」
ホージュンはツェの隠し持っていたスタンガンで気絶し、そのまま連れて行かれた…。
「おい…。」
「まぁ、あれしきで死ぬ男じゃ無いよ。さて、君への副賞だが…『青雲飯店アーカム二号店』を改装…。」
「俺は何も要らない、ルイリーと共にこの街を出て行く…。」
会場を立ち去ろうとするタオローをツェは呼び止める。
「あ~、ルイリー君なら…ホレ、あそこに…。」
「なっ!!」
見れば会場の端から、ルイリーと…ルイリーの魂の欠片が入っていたガイノイド達が、此方に向かって一緒に歩いてきた。
「兄様。」 「あにさま。」 「兄貴。」 「兄さん。」 「お兄ちゃん。」 「兄君。」
「な、な、な!」
「いや~、『魂の量子化』で分割され、再び統一して復元したルイリー君だがな…。再統合した時に君が壊したガイノイド達を回収、修復して『精神の電子化』でそれぞれにコピーしたら…少々ノイズが乗ってしまってなぁ…まぁ、オマケとして君にプレゼントしよう。それで、これだ!」
えらく軽い口調でとんでもない事をサラっと言うツェが、更に垂れ幕を引っ張ると…
『鬼哭屋』
と、書かれた看板であった。
「なぁ、タオロー君、せっかくの腕が勿体無いでは無いかね?で、話の続きだが、二号店を改装して、人員もルイリー君のコピーがこれだけ要れば大丈夫だろう?一週間も有れば新装開店出来るぞ。良かったなぁ。あぁ、そうそう、改装費もこちらで負担するから、後、家賃は…。」
そう言いつつ、電卓をはじくツェ。
「兄様、頑張りましょうね。」 「がんばろー!」 「やろうぜ!」 「うれしいです。」 「わは~い!」 「楽しみぃ~!」
“ルイリー達”は楽しそうだった。ワナワナと震えながら少しずつ理解していくタオロー…。
この街の名はアーカムシティー。『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代。』こうして、新たなる名店が誕生した。
その名は『鬼哭屋』食の鬼達すら慟哭すると言う、美味いラーメンを出す店。
「そんなの有りか~~~~!!」 (鬼哭麺 了。)
ギュゥ~ウゥン!ギュギュ ギュオオォォ~ン!!
最初に…そして場違いなほどの大音量で鳴り響いたもの…何処からか取り出した、ウェストのエレキギターであった。
「美味いのであ~る!伊勢海老やフカヒレの乗ったラーメンなど初めての快感であり、伝説の樹の下で大告白なので順番待ちなのであ~る!!」
「五月蝿いロボ!」
ごすっ!
客席から、ウェスト自身が作り上げたコックロイドエルザが現れ、肉叩きトンファー一閃。
「まったく!博士のせいで店の評判が落ちたらどうするロボ!」
そのままウェストを担ぐと出口に向かってしまう…審査員、一人脱落…。
その様子を見ていたアウグストゥスは、
「まったく、だからあの程度の男に審査など荷が重いと言うのだ。ここは僭越ながら、この私が料理の審査におけるリアクションという物を見せてやる!」
おもむろに、会場中央にまで進むアウグストゥス。ラーメンを一口啜ると…。
「う~ま~い~ぞ~!!」
叫ぶと同時に、背後からスープの津波が現れ、スーツを脱ぎ去り飛び上がるアウグストゥスは…金粉でも塗ったくった様に全身金色で…何処から出たのかサーフボードに乗っていた…
「コクのあるスープは六種の素材を極限まで引き出し、スープの絡む細打ち縮れ麺の喉越しが心地良い…あぁ…このままラーメンの海に溺れてしまいたい…ぬぐぉ!」
つるっ、とスープの油でテカるサーフボードから落ち
「がぁ~ぶらぁ~~!!」
そのまま、出口まで流されていった…審査員、二人目脱落…。
「はっはっはっ!流石はアウグストゥス、愉快ではないか。なぁ、エセルドレーダよ。」
「はい、マスターの仰せの通りです…。」
…いつものどうりの二人であった…。
そんなやり取りに、まったく気付かなかったようにリァノーンが一言。
「まぁ、美味しい。スープに雑味が無いのに深いコク。素晴らしいですね。」
「…いや、あなたも少しは気が付きなさいよ…。」
「そうおっしゃる諸井女史も検電計の端子を箸にするのも如何なものかと思いますが?」
「うるさいわよ、サイス氏。私の勝手でしょう?この針の動きを見なさい、確かに微量に蓄電されている…この麺を再現出来ればわが社の利益になるのよ。」
「そうよ!このスープのサンプルを持ち帰ってレシピを再現して、どっかの企業にでも売り込めば…いい小遣い稼ぎになるじゃない。」
「Dr.都もですか。…研究熱心な事で…しかし、時には至福の味わいを楽しむのもよい物ですよ?」
「はん!おっさんのたわ言に付き合ってられねぇなあ。…確かに美味いが、後に残ったのがくたばりぞこないじゃぁ面白くねぇ、暇つぶしになるかと思ったが、やっぱり俺は降りるぜ、じゃあな。」
さっさと出口に向かうジェイ…審査員、三人目自ら降板。
「…本当にこのメンバーで大丈夫なのでしょうか?ツェ・イーターさん?」
心底、呆れた様に瑠璃が隣のツェに問いかける。
「…まぁ、リアクション担当は致し方ありませんが…少なくとも、味にうるさい方達は残りましたので、このまま続行で問題無いと思いますが?」
「…本当でしょうねぇ、もしこの企画が潰れたら…あなたにもそれなりの覚悟というものをしていただきますよ?」
「は、はい、それは勿論…。」
少女とは言え、覇道財閥総帥の迫力に、ツェは言葉を濁すしかなかった。
「お待ち…。熱いうちに食ってくれ…。」
次にタオローのラーメンの試食なのだが…残った審査員達は、既にホージュンのラーメンを完食していた。
「…これ以上は…太るわよねぇ…。」
「ええ…ちょっと胸焼けが…。」
ホージュンは勝ちを確信していた。何故なら、審査員に女性がいるのならば最初の一杯でもう二杯目を食べる余裕は無い。
その為に、タオローより先にラーメンを出す必要があったのだ。勿論、その為にスープの配合を重めにしてもいた。
(ふっ、勝ったな…。)
だが、タオローはそんなホージュンに気付きもせず
「ともかく、一口だけでも食ってくれ。それで分かる。」
「では、頂きます。」
最初に口を付けたのはリァノーン。『給食鬼』たる彼女にはこの程度は何でもなかったのである。
「…まぁ、美味しい…。」
まさに、至福の笑顔。それに釣られて、他の審査員も口を付ける。
…麺を啜る音だけ響く中、ある者は至福の笑顔で、そしてある者は感動の涙を浮かべていた。
結局、誰一人スープ一滴すら残さず完食。
「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」
そして、いよいよ審査発表。審査員長の覇道瑠璃が勝者の名を名乗る。
「勝者、コン・タオロー!」
ワアアアアアアアアアアアァァァ…
割れんばかりの拍手の中、ホージュンだけが異論を唱えた。
「馬鹿な!何故この俺が負けねばならん!」
「…見苦しいぞホージュン君。では、君も食ってみたまえ。」
「ふん!ならば食ってやるさ!」
ひったくるようにドンブリを奪うと一口…
ホージュンの目から涙が溢れていた…。
「くっ!完敗だタオローよ…。」
「分かった様だな。君のように“勝つ”料理では、人は感動出来ない。何より“人を喜ばせよう”という料理こそが真に感動出来る料理なのだよ。
…で、君には罰ゲームを兼ねて、『トシマ』に新店舗の立ち上げに行って貰う。『男の料理 ヴィスキオ』を壊滅させるまでは帰って来れないのでそのつもりで…。」
「ま、待て!俺はあんな男だらけの場所になど行きたく無いぞ!止めっ!うわっ…」
ホージュンはツェの隠し持っていたスタンガンで気絶し、そのまま連れて行かれた…。
「おい…。」
「まぁ、あれしきで死ぬ男じゃ無いよ。さて、君への副賞だが…『青雲飯店アーカム二号店』を改装…。」
「俺は何も要らない、ルイリーと共にこの街を出て行く…。」
会場を立ち去ろうとするタオローをツェは呼び止める。
「あ~、ルイリー君なら…ホレ、あそこに…。」
「なっ!!」
見れば会場の端から、ルイリーと…ルイリーの魂の欠片が入っていたガイノイド達が、此方に向かって一緒に歩いてきた。
「兄様。」 「あにさま。」 「兄貴。」 「兄さん。」 「お兄ちゃん。」 「兄君。」
「な、な、な!」
「いや~、『魂の量子化』で分割され、再び統一して復元したルイリー君だがな…。再統合した時に君が壊したガイノイド達を回収、修復して『精神の電子化』でそれぞれにコピーしたら…少々ノイズが乗ってしまってなぁ…まぁ、オマケとして君にプレゼントしよう。それで、これだ!」
えらく軽い口調でとんでもない事をサラっと言うツェが、更に垂れ幕を引っ張ると…
『鬼哭屋』
と、書かれた看板であった。
「なぁ、タオロー君、せっかくの腕が勿体無いでは無いかね?で、話の続きだが、二号店を改装して、人員もルイリー君のコピーがこれだけ要れば大丈夫だろう?一週間も有れば新装開店出来るぞ。良かったなぁ。あぁ、そうそう、改装費もこちらで負担するから、後、家賃は…。」
そう言いつつ、電卓をはじくツェ。
「兄様、頑張りましょうね。」 「がんばろー!」 「やろうぜ!」 「うれしいです。」 「わは~い!」 「楽しみぃ~!」
“ルイリー達”は楽しそうだった。ワナワナと震えながら少しずつ理解していくタオロー…。
この街の名はアーカムシティー。『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代。』こうして、新たなる名店が誕生した。
その名は『鬼哭屋』食の鬼達すら慟哭すると言う、美味いラーメンを出す店。
「そんなの有りか~~~~!!」 (鬼哭麺 了。)
SS 『鬼哭麺』第七話 「鬼眼冷麺」後編
「アレ・キュイジーヌ!」
調理開始の掛け声とともに一斉に動き出すホージュンとタオロー。
最初に違和感を覚えたのは麺打ちの時だった。
「おや?『戴天流調理法』の『紫電麺』は通常と打ち方が違うと聞いた事があるのだが…双方とも同じ動きだな…。」
サイスが疑問を口にして一番驚いたのは他でもないタオローであった。
「何!?馬鹿な!紫電麺は内家の技。内家を捨てた貴様に作れる訳が無い!」
「ふん、お前も内家だ外家だとくだらぬな。ならば教えてやろう、俺のサイバネボディは人の器官のそれとまったく同じ構造をしている…分かるか?つまり俺は世界初の“気”を使えるサイバネ料理人なのだ!」
「馬鹿な!…信じられん…。」
「信じないのは勝手だが、現実に俺は存在している。しかも、生身と違って疲れ知らずだ。」
余裕の表情で麺を寝かし、スープに手をつけるホージュン。タオローも遅れてスープに入るが…
「ちぃ…やはり『六塵散魂無宝湯』か…。」
「俺とて戴天流調理法を学んだのだ、当然だろう?…もっともルイリーからは聞きだせなかったのでな、独自の研究の賜物だ。」
「貴様…それだけで、ルイリーにあの仕打ちか…許せん!」
「ふん、貴様とて料理に没頭するあまりルイリーの思いに気が付かん馬鹿が!」
「な…に!?」
「…喋りすぎたな。さあ、俺のスープはもうすぐ仕上がるぞ?貴様も急ぐがいい。」
「くっ!」
実の所、タオローのスープは未だ最後の素材が入っていない。
前日まで試行錯誤をしていたのだが決め手に欠ける。
「くぅ…ルイリー…。」
ルイリーが何を思っていたのか、麺鬼と成り果てた今となっては分からない。
(そうだ、俺は唯一杯に賭けた麺鬼だ。ならば、足りない物は自ずとスープが語るだろう。)
無意識に作りかけのスープを一口、だがタオローの内から溢れるはルイリーへの思いだった。
「はっ!そうか!昔ルイリーが気に入っていた物がある! すまんがある材料を頼みたい!」
「むっ!なにやら動きがある様である。…なにぃ?あれはなんであるか?」
タオローがスタッフに言って取り寄せた物の正体が分からないウェストに、マスターテリオンは答える。
「…あれは、鯨の脂身を乾燥させた物だな。日本では“おでん”の出汁として使うと美味いとか。中々楽しみな勝負になってきたとは思わぬか?」
「イエス、マスター。全ての料理はマスターの為に。」
二人の世界に入ったテリオンとエセルドレーダはさておき、調理も佳境に入り麺茹で、そして盛り付け、ホージュンが先に仕上げる。
「さあ、麺が伸びないうちに食べるがいい!」
いよいよ、審査が始まる。会場内は水を打ったように静まっている。勝負の行方はどうなるのか?
…それは、次回最終話へ続く!
調理開始の掛け声とともに一斉に動き出すホージュンとタオロー。
最初に違和感を覚えたのは麺打ちの時だった。
「おや?『戴天流調理法』の『紫電麺』は通常と打ち方が違うと聞いた事があるのだが…双方とも同じ動きだな…。」
サイスが疑問を口にして一番驚いたのは他でもないタオローであった。
「何!?馬鹿な!紫電麺は内家の技。内家を捨てた貴様に作れる訳が無い!」
「ふん、お前も内家だ外家だとくだらぬな。ならば教えてやろう、俺のサイバネボディは人の器官のそれとまったく同じ構造をしている…分かるか?つまり俺は世界初の“気”を使えるサイバネ料理人なのだ!」
「馬鹿な!…信じられん…。」
「信じないのは勝手だが、現実に俺は存在している。しかも、生身と違って疲れ知らずだ。」
余裕の表情で麺を寝かし、スープに手をつけるホージュン。タオローも遅れてスープに入るが…
「ちぃ…やはり『六塵散魂無宝湯』か…。」
「俺とて戴天流調理法を学んだのだ、当然だろう?…もっともルイリーからは聞きだせなかったのでな、独自の研究の賜物だ。」
「貴様…それだけで、ルイリーにあの仕打ちか…許せん!」
「ふん、貴様とて料理に没頭するあまりルイリーの思いに気が付かん馬鹿が!」
「な…に!?」
「…喋りすぎたな。さあ、俺のスープはもうすぐ仕上がるぞ?貴様も急ぐがいい。」
「くっ!」
実の所、タオローのスープは未だ最後の素材が入っていない。
前日まで試行錯誤をしていたのだが決め手に欠ける。
「くぅ…ルイリー…。」
ルイリーが何を思っていたのか、麺鬼と成り果てた今となっては分からない。
(そうだ、俺は唯一杯に賭けた麺鬼だ。ならば、足りない物は自ずとスープが語るだろう。)
無意識に作りかけのスープを一口、だがタオローの内から溢れるはルイリーへの思いだった。
「はっ!そうか!昔ルイリーが気に入っていた物がある! すまんがある材料を頼みたい!」
「むっ!なにやら動きがある様である。…なにぃ?あれはなんであるか?」
タオローがスタッフに言って取り寄せた物の正体が分からないウェストに、マスターテリオンは答える。
「…あれは、鯨の脂身を乾燥させた物だな。日本では“おでん”の出汁として使うと美味いとか。中々楽しみな勝負になってきたとは思わぬか?」
「イエス、マスター。全ての料理はマスターの為に。」
二人の世界に入ったテリオンとエセルドレーダはさておき、調理も佳境に入り麺茹で、そして盛り付け、ホージュンが先に仕上げる。
「さあ、麺が伸びないうちに食べるがいい!」
いよいよ、審査が始まる。会場内は水を打ったように静まっている。勝負の行方はどうなるのか?
…それは、次回最終話へ続く!
テスト
携帯からの更新テスト。
SS 『鬼哭麺』第七話 「鬼眼冷麺」前編
『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代』のアーカムシティーに今宵、新しい名所が登場する。
覇道財閥が技術の粋を集めて建造した料理人達の殿堂、その名も『キッチンスタジアム』。外見は屋根のある古代ローマのコロシアムに似て、内部は左右対称に高級レストランにも負けない最新の厨房機器が並び、和洋中あらゆる調理がおこなえる様に設えてある。
そして、中央のキッチンをぐるりと囲むように客席が配置、更にはTV、ネット等の中継設備も整っている。
既に客席は満席。会場内は熱気に包まれていた。
「皆さん!『キッチンスタジアム』へようこそ!私がこのキッチンスタジアムの主宰、『ナハツェーラー』と申します!」
古風で豪奢な衣装を着たナハツェーラーと名乗る老齢の男が、会場の中央でマイク片手に大仰な手振りで朗々と喋っている。
「さあ!今宵、キッチンスタジアムにて、初めて執り行われる対戦は…皆様も一度はお聞きになられたであろう!中華料理の名店『青雲飯店』を相手に屋台一つで立ち向かう男の噂を!今宵はその全てに決着を付ける為に二人の料理人を召喚した!」
「先ずは、『青雲飯店アーカム一号店』店長にして中華料理会にその人ありと言われた、若き鬼才!『鬼眼冷麺』リュウ・ホージュン!」
ナハツェーラーが会場東側の扉を指すと盛大なスモークと共に扉が開き、ホージュンが登場する。
「では、続いて!屋台一つで青雲飯店に挑む男!その正体は、一度は死亡したと噂された元青雲飯店の料理人!中華料理の中でも神秘の『内家』の技を揮う男!『紫電麺』コン・タオロー!」
同じように、西側の扉からはタオローが登場する。
「そして、今宵の審査員もアーカムで名を轟かす者達ばかり、御紹介しよう!
『ファントムバーガー』より、店長のサイス・マスター氏
『燦月食品』より、開発部長の諸井女史
我らが『美食クラブ イノヴェルチ』より、麗しの姫君『美食の女王』リァノーン様
『皇路料理専門学園』より、講師にして調味料の権威、Dr.都
『ブラックリッチ』グループの全てを支配する男、マスターテリオン氏と『料理指南(レシピ)書』の精霊にして秘書のエセルドレーダ
ブラックリッチの中でも選りすぐりの七店『アンナクロース』より、金箔料理のアウグストゥス氏
同じくブラックリッチの突撃店と噂に名高い『メタルバー デストロイ』より、店長のDr.ウェスト
『寿司 安藤』より、安藤親分…は本日急用との事で、若頭の安藤ジェイ氏
審査員長には『覇道財閥』の若き総帥、覇道瑠璃様
そして、今回の勝負の後見人として、『茶道甘史』ツェ・イーター氏
以上の素晴らしい審査員の公正な判断にて勝負を付けたいと思います!」
確かに、あらゆる意味で有名人が揃っていた。しかし、二人の料理人は審査員にさほど意に介せず、相手を見るのみ。
後見人を自称するツェ・イーターが解説を始める。
「……と、言う訳で、この勝負の勝者には多大な報酬と副賞が用意される。勝負方法はラーメンならば種類は問わない。最高の一杯を作り上げて欲しい。 ホージュン君の得意とする冷麺では無いがそれで良いかな?」
「かまわんよ、むしろ相手の得意料理で潰してこそ意味が有る。死ぬ気で係って来いタオロー!」
余裕を見せるホージュン。
「ちぃ…、内家の技を捨てた貴様になど負けはせん!」
タオローはまさに怒り心頭であった。その様子を見ていたナハツェーラーは試合開始の合図をする。
「アレ・キュイジーヌ!」
双方、調理を開始する。
ついに、決戦の火蓋は切って落とされたのである。 (第七話後編へ続く。)
覇道財閥が技術の粋を集めて建造した料理人達の殿堂、その名も『キッチンスタジアム』。外見は屋根のある古代ローマのコロシアムに似て、内部は左右対称に高級レストランにも負けない最新の厨房機器が並び、和洋中あらゆる調理がおこなえる様に設えてある。
そして、中央のキッチンをぐるりと囲むように客席が配置、更にはTV、ネット等の中継設備も整っている。
既に客席は満席。会場内は熱気に包まれていた。
「皆さん!『キッチンスタジアム』へようこそ!私がこのキッチンスタジアムの主宰、『ナハツェーラー』と申します!」
古風で豪奢な衣装を着たナハツェーラーと名乗る老齢の男が、会場の中央でマイク片手に大仰な手振りで朗々と喋っている。
「さあ!今宵、キッチンスタジアムにて、初めて執り行われる対戦は…皆様も一度はお聞きになられたであろう!中華料理の名店『青雲飯店』を相手に屋台一つで立ち向かう男の噂を!今宵はその全てに決着を付ける為に二人の料理人を召喚した!」
「先ずは、『青雲飯店アーカム一号店』店長にして中華料理会にその人ありと言われた、若き鬼才!『鬼眼冷麺』リュウ・ホージュン!」
ナハツェーラーが会場東側の扉を指すと盛大なスモークと共に扉が開き、ホージュンが登場する。
「では、続いて!屋台一つで青雲飯店に挑む男!その正体は、一度は死亡したと噂された元青雲飯店の料理人!中華料理の中でも神秘の『内家』の技を揮う男!『紫電麺』コン・タオロー!」
同じように、西側の扉からはタオローが登場する。
「そして、今宵の審査員もアーカムで名を轟かす者達ばかり、御紹介しよう!
『ファントムバーガー』より、店長のサイス・マスター氏
『燦月食品』より、開発部長の諸井女史
我らが『美食クラブ イノヴェルチ』より、麗しの姫君『美食の女王』リァノーン様
『皇路料理専門学園』より、講師にして調味料の権威、Dr.都
『ブラックリッチ』グループの全てを支配する男、マスターテリオン氏と『料理指南(レシピ)書』の精霊にして秘書のエセルドレーダ
ブラックリッチの中でも選りすぐりの七店『アンナクロース』より、金箔料理のアウグストゥス氏
同じくブラックリッチの突撃店と噂に名高い『メタルバー デストロイ』より、店長のDr.ウェスト
『寿司 安藤』より、安藤親分…は本日急用との事で、若頭の安藤ジェイ氏
審査員長には『覇道財閥』の若き総帥、覇道瑠璃様
そして、今回の勝負の後見人として、『茶道甘史』ツェ・イーター氏
以上の素晴らしい審査員の公正な判断にて勝負を付けたいと思います!」
確かに、あらゆる意味で有名人が揃っていた。しかし、二人の料理人は審査員にさほど意に介せず、相手を見るのみ。
後見人を自称するツェ・イーターが解説を始める。
「……と、言う訳で、この勝負の勝者には多大な報酬と副賞が用意される。勝負方法はラーメンならば種類は問わない。最高の一杯を作り上げて欲しい。 ホージュン君の得意とする冷麺では無いがそれで良いかな?」
「かまわんよ、むしろ相手の得意料理で潰してこそ意味が有る。死ぬ気で係って来いタオロー!」
余裕を見せるホージュン。
「ちぃ…、内家の技を捨てた貴様になど負けはせん!」
タオローはまさに怒り心頭であった。その様子を見ていたナハツェーラーは試合開始の合図をする。
「アレ・キュイジーヌ!」
双方、調理を開始する。
ついに、決戦の火蓋は切って落とされたのである。 (第七話後編へ続く。)
SS 『鬼哭麺』第六話 「百麺手」後編
「やぁ、いらっしゃい。こんな時間に何の用だ?」
アーカムシティーの高級住宅街の一画に『鬼眼冷麺』リュウ・ホージュンの私邸がある。
深夜の来客、それは『百麺手』ビン・ワイソンであった。
ホージュンは茹で上がった麺にスープのみを張ったドンブリを傍らのガイノイドに持たせたままビン・ワイソンを邸内に招き入れる。
「すまない。今、新しいスープの試作中でな。ルイリー、ここは良い。下がっていてくれ。」
主人の命に素直に従い、ドンブリをホージュンに渡し隣室へ異動するルイリーと呼ばれるガイノイド。
「…それは邪魔をしたな。」
「それは良いが…お前が人形を連れ歩くとは珍しい。何事だ?」
「うむ…、実はな、うちの店で半額フェアをやろうと思うのだが…知っての通り元兄弟が店を辞めてしまって人手が足らん。」
「その事は聞いている…それで?」
「俺とお前のガイノイドをン・ウィンシンのデーターにあったロボコックに改造し、足りない人手を補いたい。」
の言葉を聞いていたホージュンだが
「断る。」
答えは即答だった。
「なに!?何故だ!」
「…確かに、我等が『青雲飯店』は“基本メニュー”と“季節のフェア”以外は、店長の裁量でオリジナルメニューや価格等を独自に設定が出来る。…だが、いくら何でも屋台一つ如きで客足の遠退いた店で半額フェアとは…しかもロボコックだと?やはりお前に預けた人形も返して貰わねばな…。」
「貴様…今は店の為に人形などに構っている場合では無いだろう!第一、貴様のガイノイドは店での給仕にも使って無いでは無いか!」
「それがどうした?貴様の無能を補う為に人形はあるのではない。」
「…き、貴様ぁ…黙って聞いていれば…無能かどうか貴様自身で試してみろ!」
怒りの表情もあらわに、ビン・ワイソンは怒声を放つと同時に腕を展開。必殺の緊縛麺でホージュンを捕らえにかかる。
勝算はあった、何故なら以前にホージュンのサイバネボディの仕様書を見たことがある。其処には軍用パーツ等では無く、生身の臓器より少々強化されている程度のパーツばかり。
自分の音速を超える攻撃をかわせる道理は無い! …が、しかし、僅かに揺らいだだけで全ての麺糸をかわしていた。
「な!…」
「ふっ、これだから外家の料理人はくだらぬ。力がどうの、早さがどうのとばかり。それでは、レシピさえあれば人形でも作れるぞ。」
「く、くうっ…!ならばこれならどうだ!!」
ビン・ワイソンは今度こそ殺す気で、鉄串、包丁等を死角の無いぐらいに四方八方に投げる。
「まだ分からないのか?」
あり得ない動きで全てを避けきって、懐に入るホージュン。手にはドンブリ…一瞬のうちに麺を口に捻りこむ。
バチィッッ!!
「こ、これは、紫デn…。」
そのまま、倒れ動かなくなるビン・ワイソン。ホージュンは冷淡に、
「最後の晩餐は満足してくれたかな?」
と、つぶやくと、隣室の“人物”に声をかける
「さて、こちらも準備は整った。早速、初めて貰おうかツェ殿。」
翌日の夜、『青雲飯店アーカム二号店』の前に屋台を引いてきたタオローは躊躇する。何故なら店の入り口に一枚の張り紙。そこには
『誠に勝手ながら、当店は閉店致します。店主』
と。
「何もせずに閉店だと?馬鹿な!」
確かに今まででも、最終的には力に訴えてきた連中がこのようにアッサリ手を引くとは考えられない。どうしたものかと逡巡するタオローに近づいてくる人物。
「誰だ!」
「おいおい、脅かさんでくれたまえ。私はただのメッセンジャーだよ。リュウ・ホージュンからのな。」
「なっ!…貴様、何故…。」
「まぁ、ともかく、『決着が付けたくば二日後にこの地図の場所に来い』とな。」
「…良いだろう、奴にはルイリーの味わった苦痛をキッチリ返す。と伝えろ。」
「分かった。では、二日後に『キッチンスタジアム』で会おう。」
そのまま街の雑踏に消えていくツェ・イーター。タオローは複雑な思いのままそれを見送っていた。
今、『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代』のアーカムシティーに嵐が巻き起こる!勝利の一杯はどちらに傾くのであろうか! (第六話 了。)
何とか、ここまで来ました。残すは最終話のみ…のはずですが…(汗
ともかく、今しばらくお付き合い下さいマセm(_ _)m
アーカムシティーの高級住宅街の一画に『鬼眼冷麺』リュウ・ホージュンの私邸がある。
深夜の来客、それは『百麺手』ビン・ワイソンであった。
ホージュンは茹で上がった麺にスープのみを張ったドンブリを傍らのガイノイドに持たせたままビン・ワイソンを邸内に招き入れる。
「すまない。今、新しいスープの試作中でな。ルイリー、ここは良い。下がっていてくれ。」
主人の命に素直に従い、ドンブリをホージュンに渡し隣室へ異動するルイリーと呼ばれるガイノイド。
「…それは邪魔をしたな。」
「それは良いが…お前が人形を連れ歩くとは珍しい。何事だ?」
「うむ…、実はな、うちの店で半額フェアをやろうと思うのだが…知っての通り元兄弟が店を辞めてしまって人手が足らん。」
「その事は聞いている…それで?」
「俺とお前のガイノイドをン・ウィンシンのデーターにあったロボコックに改造し、足りない人手を補いたい。」
の言葉を聞いていたホージュンだが
「断る。」
答えは即答だった。
「なに!?何故だ!」
「…確かに、我等が『青雲飯店』は“基本メニュー”と“季節のフェア”以外は、店長の裁量でオリジナルメニューや価格等を独自に設定が出来る。…だが、いくら何でも屋台一つ如きで客足の遠退いた店で半額フェアとは…しかもロボコックだと?やはりお前に預けた人形も返して貰わねばな…。」
「貴様…今は店の為に人形などに構っている場合では無いだろう!第一、貴様のガイノイドは店での給仕にも使って無いでは無いか!」
「それがどうした?貴様の無能を補う為に人形はあるのではない。」
「…き、貴様ぁ…黙って聞いていれば…無能かどうか貴様自身で試してみろ!」
怒りの表情もあらわに、ビン・ワイソンは怒声を放つと同時に腕を展開。必殺の緊縛麺でホージュンを捕らえにかかる。
勝算はあった、何故なら以前にホージュンのサイバネボディの仕様書を見たことがある。其処には軍用パーツ等では無く、生身の臓器より少々強化されている程度のパーツばかり。
自分の音速を超える攻撃をかわせる道理は無い! …が、しかし、僅かに揺らいだだけで全ての麺糸をかわしていた。
「な!…」
「ふっ、これだから外家の料理人はくだらぬ。力がどうの、早さがどうのとばかり。それでは、レシピさえあれば人形でも作れるぞ。」
「く、くうっ…!ならばこれならどうだ!!」
ビン・ワイソンは今度こそ殺す気で、鉄串、包丁等を死角の無いぐらいに四方八方に投げる。
「まだ分からないのか?」
あり得ない動きで全てを避けきって、懐に入るホージュン。手にはドンブリ…一瞬のうちに麺を口に捻りこむ。
バチィッッ!!
「こ、これは、紫デn…。」
そのまま、倒れ動かなくなるビン・ワイソン。ホージュンは冷淡に、
「最後の晩餐は満足してくれたかな?」
と、つぶやくと、隣室の“人物”に声をかける
「さて、こちらも準備は整った。早速、初めて貰おうかツェ殿。」
翌日の夜、『青雲飯店アーカム二号店』の前に屋台を引いてきたタオローは躊躇する。何故なら店の入り口に一枚の張り紙。そこには
『誠に勝手ながら、当店は閉店致します。店主』
と。
「何もせずに閉店だと?馬鹿な!」
確かに今まででも、最終的には力に訴えてきた連中がこのようにアッサリ手を引くとは考えられない。どうしたものかと逡巡するタオローに近づいてくる人物。
「誰だ!」
「おいおい、脅かさんでくれたまえ。私はただのメッセンジャーだよ。リュウ・ホージュンからのな。」
「なっ!…貴様、何故…。」
「まぁ、ともかく、『決着が付けたくば二日後にこの地図の場所に来い』とな。」
「…良いだろう、奴にはルイリーの味わった苦痛をキッチリ返す。と伝えろ。」
「分かった。では、二日後に『キッチンスタジアム』で会おう。」
そのまま街の雑踏に消えていくツェ・イーター。タオローは複雑な思いのままそれを見送っていた。
今、『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代』のアーカムシティーに嵐が巻き起こる!勝利の一杯はどちらに傾くのであろうか! (第六話 了。)
何とか、ここまで来ました。残すは最終話のみ…のはずですが…(汗
ともかく、今しばらくお付き合い下さいマセm(_ _)m
SS 『鬼哭麺』第六話 「百麺手」前編
「ちぃ…今日も来たか…。」
苦虫を噛み潰したような顔で『青雲飯店アーカム二号店』店長ビン・ワイソンは店の外の一台の屋台を見ながら呟く。
この一週間ですでに店の売り上げは半減している。本来ならこの時間、満席も当たり前なのに今では空席が目立つ。その上、『元氏双包丁』が店を辞めたと言うのでは客寄せも儘ならない。
「コンの奴め…、むっ!そうだ、あの手を使ってみるか。…だが、そうなると、我がラースヤだけでは足りぬな…今夜にでも奴の所にでも行ってみるしかないか…。」
そう呟きながらビン・ワイソンは厨房へと戻ってゆく。
一方、アーカムシティーの中枢、覇道邸では若き総帥『覇道瑠璃』が執務室にて書類に目を通していた。
コンコン
「お嬢様、よろしいでしょうか?」
執事のウィンフィールドがドアをノックする音に、瑠璃は書類から目を離さずに返事をする。
「ええ、お入りなさいウィンフィールド。」
恭しく礼をして執務室に入るウィンフィールド。手には新たなファイルを持っている。
「失礼致します。…早速ですが、お嬢様。ツェ・イーター様のお持ちになられました計画が予定通りに完成する、との報告が入りました。」
「そうですか、ご苦労様です。それで、ゲストの方々はどうなっています?」
「はい、そちらも各店舗、快くご理解頂けているようですので問題は御座いません。」
「よろしい。では、後は料理人次第…となりますね。」
「そちらも…ツェ・イーター様より、『近日中に日時を指定出来るだろう』と…。」
「…近日中?」
「はい、…これは、私の推測ではありますが…最近、何者かが屋台一つで中華料理の大手『青雲飯店』を潰して回っていると聞いております。恐らくその者ではないか…と。」
「そうでしたね。では、そのつもりで食材の準備を怠りなくしておきなさい。」
「心得ております、お嬢様。では、私はこれで失礼致します。」
一礼をしてウィンフィールドが執務室を出て行く。瑠璃はボソリと
「これで悩み事は大十字さんだけになれば良いのだけれど…、それが一番の問題ですわね…。」
と、ため息と共に吐き出した。
深夜。アーカムシティーの一画、コン・タオローが使用している厨房にはいまだ明かりが灯っていた。
「むぅ、これも違うな…。では、次は…。」
「あにさま…まだ寝ないの?」
「ルイリーか、俺はもう少しだけ試したい事があるから先に休んでいなさい。」
「…はーい、でもでも、あにさまも、ちゃんとねないと駄目だからね。」
「あぁ、分かっているさ…。」
少し疲れた顔でルイリーを見送ると、タオローはまたスープを試作する。
“上湯”“白湯”等の中華スープがある中『戴天流調理法』の中でも“極意”とされる『六塵散魂無宝湯』
それは、六種類の素材の究極の配合によって生まれるスープなのだが…。レシピがルイリーが吹く“チャルメラ”の音階に隠されている事は分かった、しかし、六種類の素材の内、ただ一つ分からないのだ。
「くそっ!これも違う…奴との勝負の前に何とか仕上げたいのだが…。」
時間ばかりが無常に過ぎてゆく…。
同じ頃、『百麺手』ビン・ワイソンは『鬼眼冷麺』リュウ・ホージュンの私邸の前に居た。
「やはり、これは必要な事なのだ。いざとなったら力ずくでも納得させるまでだ…。」
ここはアーカムシティー。『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代。』様々な思いが交錯しながら料理人達は凌ぎ合う…。 (第六話後編に続く。)
苦虫を噛み潰したような顔で『青雲飯店アーカム二号店』店長ビン・ワイソンは店の外の一台の屋台を見ながら呟く。
この一週間ですでに店の売り上げは半減している。本来ならこの時間、満席も当たり前なのに今では空席が目立つ。その上、『元氏双包丁』が店を辞めたと言うのでは客寄せも儘ならない。
「コンの奴め…、むっ!そうだ、あの手を使ってみるか。…だが、そうなると、我がラースヤだけでは足りぬな…今夜にでも奴の所にでも行ってみるしかないか…。」
そう呟きながらビン・ワイソンは厨房へと戻ってゆく。
一方、アーカムシティーの中枢、覇道邸では若き総帥『覇道瑠璃』が執務室にて書類に目を通していた。
コンコン
「お嬢様、よろしいでしょうか?」
執事のウィンフィールドがドアをノックする音に、瑠璃は書類から目を離さずに返事をする。
「ええ、お入りなさいウィンフィールド。」
恭しく礼をして執務室に入るウィンフィールド。手には新たなファイルを持っている。
「失礼致します。…早速ですが、お嬢様。ツェ・イーター様のお持ちになられました計画が予定通りに完成する、との報告が入りました。」
「そうですか、ご苦労様です。それで、ゲストの方々はどうなっています?」
「はい、そちらも各店舗、快くご理解頂けているようですので問題は御座いません。」
「よろしい。では、後は料理人次第…となりますね。」
「そちらも…ツェ・イーター様より、『近日中に日時を指定出来るだろう』と…。」
「…近日中?」
「はい、…これは、私の推測ではありますが…最近、何者かが屋台一つで中華料理の大手『青雲飯店』を潰して回っていると聞いております。恐らくその者ではないか…と。」
「そうでしたね。では、そのつもりで食材の準備を怠りなくしておきなさい。」
「心得ております、お嬢様。では、私はこれで失礼致します。」
一礼をしてウィンフィールドが執務室を出て行く。瑠璃はボソリと
「これで悩み事は大十字さんだけになれば良いのだけれど…、それが一番の問題ですわね…。」
と、ため息と共に吐き出した。
深夜。アーカムシティーの一画、コン・タオローが使用している厨房にはいまだ明かりが灯っていた。
「むぅ、これも違うな…。では、次は…。」
「あにさま…まだ寝ないの?」
「ルイリーか、俺はもう少しだけ試したい事があるから先に休んでいなさい。」
「…はーい、でもでも、あにさまも、ちゃんとねないと駄目だからね。」
「あぁ、分かっているさ…。」
少し疲れた顔でルイリーを見送ると、タオローはまたスープを試作する。
“上湯”“白湯”等の中華スープがある中『戴天流調理法』の中でも“極意”とされる『六塵散魂無宝湯』
それは、六種類の素材の究極の配合によって生まれるスープなのだが…。レシピがルイリーが吹く“チャルメラ”の音階に隠されている事は分かった、しかし、六種類の素材の内、ただ一つ分からないのだ。
「くそっ!これも違う…奴との勝負の前に何とか仕上げたいのだが…。」
時間ばかりが無常に過ぎてゆく…。
同じ頃、『百麺手』ビン・ワイソンは『鬼眼冷麺』リュウ・ホージュンの私邸の前に居た。
「やはり、これは必要な事なのだ。いざとなったら力ずくでも納得させるまでだ…。」
ここはアーカムシティー。『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代。』様々な思いが交錯しながら料理人達は凌ぎ合う…。 (第六話後編に続く。)
ごめんなさい
雷「今日はリアルの方で遅くなったのと電波の浴び過ぎでお休みです。」
ほ「…電波って何だよ…。」
み「え~っと、某サイトから飛んでった先にあったみたいだねぇ。」
雷「まぁ、いつもの事なんだけどねぇ…ぶっちゃけ何人であろうとも反日の連中は嫌い。」
ほ「ほんと何時もの事だったんだな…。」
み「では、明日は通常更新になると思いますので、今夜はこれで。」
かおるんるん。
ほ「…電波って何だよ…。」
み「え~っと、某サイトから飛んでった先にあったみたいだねぇ。」
雷「まぁ、いつもの事なんだけどねぇ…ぶっちゃけ何人であろうとも反日の連中は嫌い。」
ほ「ほんと何時もの事だったんだな…。」
み「では、明日は通常更新になると思いますので、今夜はこれで。」
かおるんるん。
SS 『鬼哭麺』第五話 「元氏双包丁」後編
アーカムシティーの一画、通称「屋台街」では、今まさに『紫電麺』コン・タオローと青雲飯店の『元氏双包丁』元兄弟の勝負が始まろうとしており、周りの屋台も客も一瞬たりとも見逃さないように集中する。
「ゆくぞ!」
「「おうよ!」」
双方、見事な手際で調理が進む。タオローの名声は勿論、元兄弟も青雲飯店で名の知れた料理人であり、また二人のコンビネーションももはや芸術の域に達していた。
『天魔輻射熱!』
見事な腕前で弟がチャーシューを直火で炙り、投げた…、そのまま宙を舞うチャーシューを兄がスライスしてゆく。
『麺 碼 覆滅陣!!』
兄が湯切りをしてスープを注ぐ、弟はメンマをはじめ、ネギ、煮玉子等の具材をドンブリに美しく並べる。
「ふん!」
ジャッッ!
タオローもまた麺かごを一閃、淀みなく舞うように具を盛り付ける。
今までのような妨害は一切無い。観客は双方の妙技に魅せられる。
「「お待ち!」」
双方同時に出来上がり、いよいよ互いの一杯に箸をつける。全ての観客が審査をしたいと思ったが、審査の大役を買えばその重圧たるや想像もつかない。結局、料理人同士の様子を見守るのが精一杯だった。
「……。」
「……。」
双方、長い沈黙を破ったのは元兄弟の弟、元尚英だった。
「クウゥっ!美味い、美味すぎるぞ兄者!」
「…そうだな尚英、これは…完敗だ。」
「だが何故だ?我等とて技術に自信がある。何故ここまで心に響く味なのだ?」
「…む!…分からん…。」
悩む兄弟にタオローが言う。
「確かにスープ、具材はお前達の方が美味いと思う。だが…お前達はこの一杯誰の為に作った?…俺はな…、正々堂々と勝負をし、今、二人で一杯のラーメンを分け合うお前達兄弟の為に作った。」
「…な、何!?我等の為だと?」
「あぁ、料理人は食ってくれる者の為に腕を振るう。俺も青雲飯店にいた頃、厨房の中では気付かなかったがな…。今、屋台を引き、お客の顔を見ながら作っていて思い出したのだ、腕を振るう目的をな。」
そう言いながら、タオローが傍らの幼年型のガイノイドをちらりと見るのを二人は見逃さない。
「…そうか、ならば我等も認めよう。そして、コン・タオローの“とある噂”も真実のようだしな…。尚英!此れより、我等兄弟は青雲飯店に別れを告げ野に下る。良いな?」
「ああ、俺も同じ事を思っていた所だ兄者。」
「では、サラバだ『紫電麺』よ。また会う事もあろうが…そうだ今一つ。現在の青雲飯店を甘く見るなよ。残りの店長は料理人の枠を超えている…バケモノだ…。」
「うむ、心得ている。お前達も達者でやるが良い。」
屋台を引く元兄弟に観客から盛大な拍手が送られる。その中を進みながら
「なぁ、兄者、こういう物も悪くないな…。」
「そうだな尚英。」
ガラにもなく照れる兄弟とは反対方向に進むタオロー。隣について来るルイリーがチャルメラを鳴らす。
「…は!まさか…。」
タオローは何かに気付きながら、夜のアーカムシティーに消えていく。
ここはアーカムシティー『食の大黄金時代にして、代暗黒時代にして、大混乱時代。』食に賭けた熱き漢達の集う街。 (第五話 了。)
「ゆくぞ!」
「「おうよ!」」
双方、見事な手際で調理が進む。タオローの名声は勿論、元兄弟も青雲飯店で名の知れた料理人であり、また二人のコンビネーションももはや芸術の域に達していた。
『天魔輻射熱!』
見事な腕前で弟がチャーシューを直火で炙り、投げた…、そのまま宙を舞うチャーシューを兄がスライスしてゆく。
『麺 碼 覆滅陣!!』
兄が湯切りをしてスープを注ぐ、弟はメンマをはじめ、ネギ、煮玉子等の具材をドンブリに美しく並べる。
「ふん!」
ジャッッ!
タオローもまた麺かごを一閃、淀みなく舞うように具を盛り付ける。
今までのような妨害は一切無い。観客は双方の妙技に魅せられる。
「「お待ち!」」
双方同時に出来上がり、いよいよ互いの一杯に箸をつける。全ての観客が審査をしたいと思ったが、審査の大役を買えばその重圧たるや想像もつかない。結局、料理人同士の様子を見守るのが精一杯だった。
「……。」
「……。」
双方、長い沈黙を破ったのは元兄弟の弟、元尚英だった。
「クウゥっ!美味い、美味すぎるぞ兄者!」
「…そうだな尚英、これは…完敗だ。」
「だが何故だ?我等とて技術に自信がある。何故ここまで心に響く味なのだ?」
「…む!…分からん…。」
悩む兄弟にタオローが言う。
「確かにスープ、具材はお前達の方が美味いと思う。だが…お前達はこの一杯誰の為に作った?…俺はな…、正々堂々と勝負をし、今、二人で一杯のラーメンを分け合うお前達兄弟の為に作った。」
「…な、何!?我等の為だと?」
「あぁ、料理人は食ってくれる者の為に腕を振るう。俺も青雲飯店にいた頃、厨房の中では気付かなかったがな…。今、屋台を引き、お客の顔を見ながら作っていて思い出したのだ、腕を振るう目的をな。」
そう言いながら、タオローが傍らの幼年型のガイノイドをちらりと見るのを二人は見逃さない。
「…そうか、ならば我等も認めよう。そして、コン・タオローの“とある噂”も真実のようだしな…。尚英!此れより、我等兄弟は青雲飯店に別れを告げ野に下る。良いな?」
「ああ、俺も同じ事を思っていた所だ兄者。」
「では、サラバだ『紫電麺』よ。また会う事もあろうが…そうだ今一つ。現在の青雲飯店を甘く見るなよ。残りの店長は料理人の枠を超えている…バケモノだ…。」
「うむ、心得ている。お前達も達者でやるが良い。」
屋台を引く元兄弟に観客から盛大な拍手が送られる。その中を進みながら
「なぁ、兄者、こういう物も悪くないな…。」
「そうだな尚英。」
ガラにもなく照れる兄弟とは反対方向に進むタオロー。隣について来るルイリーがチャルメラを鳴らす。
「…は!まさか…。」
タオローは何かに気付きながら、夜のアーカムシティーに消えていく。
ここはアーカムシティー『食の大黄金時代にして、代暗黒時代にして、大混乱時代。』食に賭けた熱き漢達の集う街。 (第五話 了。)
SS 『鬼哭麺』第五話 「元氏双包丁」前編
「いらっしゃい。ハイ、ラーメン1、チャーシュー2、お待ち。」
「ラーメン大盛り2、ニンニク1、ネギ1はいりま~す。」
「はいよ!ルイリー、次ラーメン3出るぞ。」
アーカムシティーの一画、夜は屋台街になる場所で、タオローの『紫電ラーメン』の屋台は盛況だった。何故ならここ数日、名うての屋台が挙ってタオローに挑戦してくるからだ。
その光景を遠目で車中から覗く冷ややかな目をした男の名はビン・ワイソン。『青雲飯店アーカム二号店』の店長にして、今回の騒ぎの張本人。彼はこう宣言したのである。
『腕に覚えのある料理人に告ぐ。コン・タオローの屋台を倒した者には賞金と我が店の料理長の役職を与える』
…と。
結果、屋台街は挑戦者と、その勝負につられた客でごった返していた。
「…ふふっ、如何に常人離れした奴とて、多数のサイバネ料理人の挑戦と客の前に生身の身体では疲れは必至。そのうち味にも落ちよう。…それに、此方には“切り札”もあるしな…。」
不敵な笑みで車を出すよう指示するビン・ワイソン。彼の店もこれから忙しくなるのだ。」
「にいさま、次入るよ~。チャーシュー1大盛り1。」
「はいよ!次、お待ち。」
「は~い!お会計ですね~。」
タオローは驚異的な速度でラーメンを出し、更にルイリーが手伝っている今でも客が途絶える事は無い。だが、周りのサイバネ料理人どもも疲れ知らずのように料理を作り続けている。勝敗そのものは覇道の食品警察が出てきて仕切っているので問題は無いが、自身の疲労は半端な物では無い。徐々に削られる集中力と食材。売り切れはもうすぐだった…。
「さて…ストーン君、結果はどんな状態だい?」
「は!現在、コン・タオローの紫電ラーメンが一歩リードでありますが、売り切れが近く…あの…、ネス警部、何故に我々はこの様な事をしているのでありましょうか?」
「しょうがないじゃないか、屋台街に人が溢れこのままじゃあ大事故が起こりかねんし、この前の『上海食品公司』の事もある。不正を取り締まるのは立派な仕事だよ?」
「それはそうでありますが…しかし…。」
「しかしもカカシも無いよ。んじゃぁココはよろしく。俺は食べ…いやいや、見回りに行って来る。」
「逃げないで下さい、ネス警部~。」
悲壮な声を出すストーンを尻目にネスは人ごみに消えていく。その時、また一台の屋台が進入してくる。
「あー、そこの屋台。待ちなさい。登録は此方で受け付ける。」
ストーンが止めようとすると…。
「邪魔だな…兄者どうする?」
「知れた事だ尚英…『元氏双包丁』の名において…押して参る。ゆくぞ!」
「!」
二人が同時に動き、神速で一杯のラーメンがストーンに差し出され、一口。
「う、美味い!!と、登録許可ー!」
一言叫んでひっくり返るストーンに既に目をくれることなく、二人は奥へと進んで行く。
「さて…最後の一杯になるか…。」
タオローが少なくなったスープを見ながらつぶやくと、突然声がかかる。
「「その一杯、我等兄弟が試そう!正々堂々と『喰わせもん』で勝負だ!コン・タオロー!!」」
「何!?お前達は青雲飯店の『元氏双包丁』!」
「久しいな『紫電麺』…いや、今は仁義を忘れ、青雲飯店に楯突く麺鬼よ!」
「我等兄弟が貴様に引導を渡してやろう!」
「…今更言い逃れはせん…良かろう、我が麺をとくと味わえっ!」
「良い度胸だ、行くぞ兄者!」
「何時でも良いぞ尚英!」
今、アーカムシティーに一杯に賭ける料理人の熱き鼓動が響き渡る。 (第五話後編に続く。)
「ラーメン大盛り2、ニンニク1、ネギ1はいりま~す。」
「はいよ!ルイリー、次ラーメン3出るぞ。」
アーカムシティーの一画、夜は屋台街になる場所で、タオローの『紫電ラーメン』の屋台は盛況だった。何故ならここ数日、名うての屋台が挙ってタオローに挑戦してくるからだ。
その光景を遠目で車中から覗く冷ややかな目をした男の名はビン・ワイソン。『青雲飯店アーカム二号店』の店長にして、今回の騒ぎの張本人。彼はこう宣言したのである。
『腕に覚えのある料理人に告ぐ。コン・タオローの屋台を倒した者には賞金と我が店の料理長の役職を与える』
…と。
結果、屋台街は挑戦者と、その勝負につられた客でごった返していた。
「…ふふっ、如何に常人離れした奴とて、多数のサイバネ料理人の挑戦と客の前に生身の身体では疲れは必至。そのうち味にも落ちよう。…それに、此方には“切り札”もあるしな…。」
不敵な笑みで車を出すよう指示するビン・ワイソン。彼の店もこれから忙しくなるのだ。」
「にいさま、次入るよ~。チャーシュー1大盛り1。」
「はいよ!次、お待ち。」
「は~い!お会計ですね~。」
タオローは驚異的な速度でラーメンを出し、更にルイリーが手伝っている今でも客が途絶える事は無い。だが、周りのサイバネ料理人どもも疲れ知らずのように料理を作り続けている。勝敗そのものは覇道の食品警察が出てきて仕切っているので問題は無いが、自身の疲労は半端な物では無い。徐々に削られる集中力と食材。売り切れはもうすぐだった…。
「さて…ストーン君、結果はどんな状態だい?」
「は!現在、コン・タオローの紫電ラーメンが一歩リードでありますが、売り切れが近く…あの…、ネス警部、何故に我々はこの様な事をしているのでありましょうか?」
「しょうがないじゃないか、屋台街に人が溢れこのままじゃあ大事故が起こりかねんし、この前の『上海食品公司』の事もある。不正を取り締まるのは立派な仕事だよ?」
「それはそうでありますが…しかし…。」
「しかしもカカシも無いよ。んじゃぁココはよろしく。俺は食べ…いやいや、見回りに行って来る。」
「逃げないで下さい、ネス警部~。」
悲壮な声を出すストーンを尻目にネスは人ごみに消えていく。その時、また一台の屋台が進入してくる。
「あー、そこの屋台。待ちなさい。登録は此方で受け付ける。」
ストーンが止めようとすると…。
「邪魔だな…兄者どうする?」
「知れた事だ尚英…『元氏双包丁』の名において…押して参る。ゆくぞ!」
「!」
二人が同時に動き、神速で一杯のラーメンがストーンに差し出され、一口。
「う、美味い!!と、登録許可ー!」
一言叫んでひっくり返るストーンに既に目をくれることなく、二人は奥へと進んで行く。
「さて…最後の一杯になるか…。」
タオローが少なくなったスープを見ながらつぶやくと、突然声がかかる。
「「その一杯、我等兄弟が試そう!正々堂々と『喰わせもん』で勝負だ!コン・タオロー!!」」
「何!?お前達は青雲飯店の『元氏双包丁』!」
「久しいな『紫電麺』…いや、今は仁義を忘れ、青雲飯店に楯突く麺鬼よ!」
「我等兄弟が貴様に引導を渡してやろう!」
「…今更言い逃れはせん…良かろう、我が麺をとくと味わえっ!」
「良い度胸だ、行くぞ兄者!」
「何時でも良いぞ尚英!」
今、アーカムシティーに一杯に賭ける料理人の熱き鼓動が響き渡る。 (第五話後編に続く。)
『ローレライ』&『プライド』
雷「今日は予定変更で、『ローレライ』をリアルの友人と観てきました。」
ほ「ほぉ…で、タイトルの『プライド』って…。」
雷「いや、ローレライを観てから、話してて、プライドが観たいって話になってね、レンタルで借りて観ちゃったんだわ。」
み「それで、こんな時間に更新ですか…わざわざネカフェまで来て…。」
雷「まぁ、余韻のあるうちに書きたくなって…ねぇ?」
み「まぁ、いつもの事ですけど…じゃあ、ちゃっちゃと感想どうぞ。」
『ローレライ』
雷「実は…原作読んだ事ありませんが、空想戦記物って言うのかな?第二次世界大戦=太平洋戦争(大東亜戦争…と、言うと分かりにくいですね・汗)の終戦直前の“とある潜水艦”の物語。
シナリオ面はネタバレになるのであまり言えませんが、男の生き様が映える良いシナリオに、キッチリとした役者が演じる為、魅せられます。艦長役の役所広司氏をはじめとする大物俳優達の狭い潜水艦の中の熱いドラマが観たい人はどうぞ。
戦闘シーンもCGをふんだんに使って潜水艦らしい戦いが良い感じ。」
ほ「あいかわらず、的を得てない気もするが…ともかく観る価値のある映画だったと。言うとこで良いんだな?」
雷「まあね。CGの多用は意見が分かれるかも知れないけど、そのおかげで、主役潜水艦に映える動きを持たせられてるのはいいんじゃないかな?」
『プライド』
雷「98年の映画で、当時色々と物議を巻き起こした問題作。なぜなら、舞台は『極東軍事裁判』主役は『東条英機』。実は、前に観た事あるんだけど、観てない友人に見せる目的でもう一回。
とにかく、派手なアクションも無く、160分の大作にもかかわらず飽きないのは、シナリオと役者の名演に勝る物無し。名優、津川雅彦氏がなりきってます。本当に東条英機はこうなんじゃあないか?と思わせるほど、一人の人間として描かれています。
また、『間の演技』の使い方は一見の価値があると思います。」
み「これって、『A級戦犯を賛美する内容でけしからん』とかどうのとかあった映画ですよねぇ。」
雷「そう。でもね、そういう人は内容を見てないか、最初っから結論ありきで見てる人だと思う。と、言うか自分はそもそも極東裁判は茶番劇、って思ってる人間だから、A級だB級だ戦犯だってものどうでも良い。一人の人間ドラマとして十分に見ごたえあるから。」
み「…店長、あまり熱くならないで下さいね(^^;」
雷「っと…まぁ、タイトルの『プライド』の意味を考えると良いかもってとこで。今日はこのあたりで、では~。」
かおるんるん。
ほ「ほぉ…で、タイトルの『プライド』って…。」
雷「いや、ローレライを観てから、話してて、プライドが観たいって話になってね、レンタルで借りて観ちゃったんだわ。」
み「それで、こんな時間に更新ですか…わざわざネカフェまで来て…。」
雷「まぁ、余韻のあるうちに書きたくなって…ねぇ?」
み「まぁ、いつもの事ですけど…じゃあ、ちゃっちゃと感想どうぞ。」
『ローレライ』
雷「実は…原作読んだ事ありませんが、空想戦記物って言うのかな?第二次世界大戦=太平洋戦争(大東亜戦争…と、言うと分かりにくいですね・汗)の終戦直前の“とある潜水艦”の物語。
シナリオ面はネタバレになるのであまり言えませんが、男の生き様が映える良いシナリオに、キッチリとした役者が演じる為、魅せられます。艦長役の役所広司氏をはじめとする大物俳優達の狭い潜水艦の中の熱いドラマが観たい人はどうぞ。
戦闘シーンもCGをふんだんに使って潜水艦らしい戦いが良い感じ。」
ほ「あいかわらず、的を得てない気もするが…ともかく観る価値のある映画だったと。言うとこで良いんだな?」
雷「まあね。CGの多用は意見が分かれるかも知れないけど、そのおかげで、主役潜水艦に映える動きを持たせられてるのはいいんじゃないかな?」
『プライド』
雷「98年の映画で、当時色々と物議を巻き起こした問題作。なぜなら、舞台は『極東軍事裁判』主役は『東条英機』。実は、前に観た事あるんだけど、観てない友人に見せる目的でもう一回。
とにかく、派手なアクションも無く、160分の大作にもかかわらず飽きないのは、シナリオと役者の名演に勝る物無し。名優、津川雅彦氏がなりきってます。本当に東条英機はこうなんじゃあないか?と思わせるほど、一人の人間として描かれています。
また、『間の演技』の使い方は一見の価値があると思います。」
み「これって、『A級戦犯を賛美する内容でけしからん』とかどうのとかあった映画ですよねぇ。」
雷「そう。でもね、そういう人は内容を見てないか、最初っから結論ありきで見てる人だと思う。と、言うか自分はそもそも極東裁判は茶番劇、って思ってる人間だから、A級だB級だ戦犯だってものどうでも良い。一人の人間ドラマとして十分に見ごたえあるから。」
み「…店長、あまり熱くならないで下さいね(^^;」
雷「っと…まぁ、タイトルの『プライド』の意味を考えると良いかもってとこで。今日はこのあたりで、では~。」
かおるんるん。
はっぴーばーすでぃ、自分(マテ
雷「3月20日は自分の誕生日です。」
ほ「いや、自分で言うなよおっさん(--)」
雷「おっさん言うなー!(怒」
み「いや、33なら十分おっさんだけどねぇ(^^;」
雷「心はいつも18歳…と、某物書きのセリフを真似てみる。」
ほ「…妄言はいいから、次!(--#」
み「なんと、開設一ヶ月ちょっとで、2000ヒットを超えました。お越しになったお客様、ありがとうございます(^^)」
雷「いや~、ものぐさな自分がよく一ヶ月持ちました。よかったよかった。」
ほ「いや、それは喜ぶ所じゃないって(--)」
雷「へい…。」
雷「更に記念ではありませんが、ブログのテンプレをSSが読みやすいシンプルな物に変更してみました。」
ほ「って、前も告知無しで変えてるじゃんか。」
み「飽きっぽいですねぇ…(^^;」
雷「いや、SSで大文字使うと重なったり不都合が気になって…、ねぇ?」
み「と言うか、普通はそういう場合、行間を大きくしたり、テンプレを改造するものでは?」
雷「知識が無いんでパス。今日、ちょうど良いのが上がってたので拝借しました。」
ほ「そんなんでいいのかよ…(--;;」
雷「まぁ、よくある事…だと思う…(汗」
雷「悲しい事も有りますが…ニトロOHPリニューアルにともない、人気投票が消えたっぽい。まぁ、ふらりと復活も…有るのか?」
ほ「まぁ、一位の壁紙も有言無効だったし、作品出るたびにキャラが増えると際限ないし、しょうがねぇんじゃない?」
み「ですねぇ。実際簡易掲示板となっていて、投票は、二の次だったみたいだし。」
雷「かおるん応援はどこですれば…あ、ここでやればいいのか。」
ほ「おいおい…(^^;」
み「今気づきますか…(^^;」
み「それよりも、ニトロライブのチケット予約は…あ…(・・;」
雷「ぶっちゃけ、忘れてた…。ついでにリアルの友人にも怒られた…orz」
み「あらら…。」
ほ「雷太が悪い。」
雷「おっしゃる通りです。o rz」
み「店長が落っこちちゃったままですので、今夜はこのへんで。」
ほ「次の更新は『鬼哭麺』のはずだ。雷太が立ち直れば…だけどな(^^;」
かおるんるん。
ほ「いや、自分で言うなよおっさん(--)」
雷「おっさん言うなー!(怒」
み「いや、33なら十分おっさんだけどねぇ(^^;」
雷「心はいつも18歳…と、某物書きのセリフを真似てみる。」
ほ「…妄言はいいから、次!(--#」
み「なんと、開設一ヶ月ちょっとで、2000ヒットを超えました。お越しになったお客様、ありがとうございます(^^)」
雷「いや~、ものぐさな自分がよく一ヶ月持ちました。よかったよかった。」
ほ「いや、それは喜ぶ所じゃないって(--)」
雷「へい…。」
雷「更に記念ではありませんが、ブログのテンプレをSSが読みやすいシンプルな物に変更してみました。」
ほ「って、前も告知無しで変えてるじゃんか。」
み「飽きっぽいですねぇ…(^^;」
雷「いや、SSで大文字使うと重なったり不都合が気になって…、ねぇ?」
み「と言うか、普通はそういう場合、行間を大きくしたり、テンプレを改造するものでは?」
雷「知識が無いんでパス。今日、ちょうど良いのが上がってたので拝借しました。」
ほ「そんなんでいいのかよ…(--;;」
雷「まぁ、よくある事…だと思う…(汗」
雷「悲しい事も有りますが…ニトロOHPリニューアルにともない、人気投票が消えたっぽい。まぁ、ふらりと復活も…有るのか?」
ほ「まぁ、一位の壁紙も有言無効だったし、作品出るたびにキャラが増えると際限ないし、しょうがねぇんじゃない?」
み「ですねぇ。実際簡易掲示板となっていて、投票は、二の次だったみたいだし。」
雷「かおるん応援はどこですれば…あ、ここでやればいいのか。」
ほ「おいおい…(^^;」
み「今気づきますか…(^^;」
み「それよりも、ニトロライブのチケット予約は…あ…(・・;」
雷「ぶっちゃけ、忘れてた…。ついでにリアルの友人にも怒られた…orz」
み「あらら…。」
ほ「雷太が悪い。」
雷「おっしゃる通りです。o rz」
み「店長が落っこちちゃったままですので、今夜はこのへんで。」
ほ「次の更新は『鬼哭麺』のはずだ。雷太が立ち直れば…だけどな(^^;」
かおるんるん。
SS 『鬼哭麺 外伝』第三話 「沙耶の店」
その怪異は深夜、営業を終えた屋台を保管場所に戻す為、裏路地に進入した時に起こった。…いや、ルイリーが連れて来た…。
「あにさまぁ~!お客さん連れて来たよ~!」
ビチビチッ
「いyぉpあ~、はpkネシtれェェ!」
其れは…形容し難い“肉の塊”だった。ブヨブヨと蠢き、もがいている様に見えるが、ルイリーがしっかり掴んで逃げられないでいるようだった…。
「ああん、逃げたらダメェ。あにさまのラーメン美味しいよぉ~。」
「ぼndンドグぉ?」
「うん!本当だよ。食べたらビックリしちゃうから。」
どうやら、ルイリーにはこの物体の言葉が分かるらしい…。ともかく、ルイリーを通じて、話してみる事にしたタオロー。
「つまり…、お前は沙耶と言う名前で…どこから来たかは分からない…。それはともかく、住み難くなった場所から逃げてきて、今現在一緒に住んでいる“匂坂郁紀”とか言う男の認識では、お前が美少女に見える…。人間の食事が食べられず…お前の嗜好に近い様で人肉を好むと…くくっ、面白い。俺も料理人としてあらゆる物を食い、作り、挙句今では外道へと堕ちたと思っていたが、本物のバケモ…いや…すまんな、人以外の者に料理を作ってみたくなった…。」
タオローは笑みすら浮かべて、肉の塊に話しかける。
「沙耶、と言ったな。明日の夜、俺の営業が終わってからで良ければ、この紙に書いた場所へ来い。貴様の言う郁紀とか言う男も連れてな。」
「『うん、分かった。でも、本当に大丈夫?』って言ってる。」
「まぁ…、結果は分からん。だが、俺には心当たりがある。」
ずるずる…と、裏路地の闇に消える沙耶。そして、タオローは明日の料理に想いを馳せていた。
翌日の深夜、タオローはルイリーと共に、仕込み用に使う厨房に着くと、一人の青年が立っていた。
「貴様が郁紀か?」
「うわ!な、何なんだ!?さ、沙耶、こんなバケモノだとは聞いてない!」
タオローを見て取り乱す青年、沙耶とか言う肉塊が出てきて一応の落ち着きは見せるがこのままでは話しにならない。
「やれやれ…話にならんな…。 …そうだ、ルイリー。沙耶とか言うやつの真似をして喋れるか?」
「…?…、うん!あにさま、ルイリー出来るよ!」
「では、通訳してくれ。今からお前達に料理を作ってやる。とな。」
「は~い!」
そうして、しばらくの時間が流れ、タオローは二杯のラーメンを作りあげる。
「…お待ち。さぁ、食ってみろ。沙耶、お前さんにも用意した。」
恐る恐る、箸を取る郁紀。沙耶の方を見ると触手を伸ばし、ちゃんと箸を使っていた。…ただし、口らしき物は意外な位置にあったが…見なかった事にする。
「…う、美味い…ラーメンらしいがよく分からないな…けど美味い。」
「『うん、ほんとだぁ。何だか肉の味がする。』って。」
「う…あぁ…くう…?」
どくんっ!と、食べ終わった郁紀に変化が起こる。
「悪いが沙耶、一度、郁紀の視界から隠れろ。」
「『何で?』って」
「ともかくだ。貴様の正体をばらしたいか?」
何かに気付いた沙耶が厨房の物陰に隠れる。そして…、
「あ…れ?ここは…え!?貴方は?」
「うむ、上手くいったようだな。説明すると、今、お前が食ったラーメンは俺が作った紫電麺だ。そして、その電流により、一時的にお前さんの脳神経の狂いを修正している。更に、麺に“コレ”を練りこんでみた。」
「…これは…『ざくろ』…。」
「そうだ、俺の国の古い文献に人肉を喰らう鬼女がいてな、釈迦だか、坊主だかの慈悲で助かり、人肉を喰らいたくなった時にはざくろを食え…とな。何でも人肉に近い味がするそうだ…くくっ。」
「そうなのか…って、沙耶は?」
「今は姿を見ない方がいいぞ?まぁ、お前さんは先に戻っていろ。俺は、沙耶とやらともう少し話す事がある。…そうだ、残ったざくろはお前さんにやろう。帰って食ってみろ。」
「あ!…ああ、そうする…うわっ…また視界が…。」
「残念だが、時間切れのようだな…。ならばルイリーが通訳すれば問題は無いか…。」
厨房に留まる郁紀の様子を見て沙耶が這い出てくる。
「さて、もう一つ提案なんだが…、お前さん前に普通の人間を郁紀と同じ状態に出来た…と言ったな。つまり、こいつは元に戻れる。と?」
「『うん』って。」
「ならば、お前が人間になる。とは考えなかったのか?」
「びっくりしてる。『気がつかなかった!』って『でも自信は無い』だって。」
少々呆れながら、タオローは言う。
「少しは思いつけ。…まあ良い。何、せめて見てくれだけでも良い。他人から見ても人間に見れれば…な。上手く行けば、俺の料理でサポート出来るかもしれん。なにせ、俺の国に『医食同源』と言う言葉がある位だ。」
タオローは珍しく笑顔だった。それは自信を持った笑顔であった。
そして、一ヵ月程たったある日、タオローの厨房に明るい声が届く。
「まいどー。『沙耶の肉屋』でーす。配達に来ましたー。」
そこには、一人の少女がチャーシュー用の豚肉を抱えていた。
「おう、すまないな沙耶、わざわざ配達させて。それでどうだ、今の体は?」
「うん!誰も気付いて無いみたい。郁紀も元に戻って少し混乱したけど、もうなれたって言ってるし、後は…二人でちょっと商品をつまみ食いしちゃうのが問題かな?」
明るい笑顔で沙耶が笑う。この一週間で『沙耶の肉屋』は上質の肉を仕入れると評判になった。
「まぁ、お前さん達は肉のエキスパートだからな。だが、つまみ食いは程々にしておけよ。…それと、髪の毛の間から触手が出ているぞ。」
ちょうど、髪の毛が跳ねている辺りからピコピコと触手が揺れていた。
「あ…あははっ!は~い、気をつけまーす。あっ!郁紀を待たしているの。それじゃぁ…またの御贔屓をお待ちしていまーす。」
少女らしい笑顔をふりまき厨房を出て行く。沙耶と郁紀は次の配達に向かう。幸せに溢れているようだった。
ここはアーカムシティー。『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代』食にかかわる者には、人間であろうが無かろうが、分け隔てなく受け入れる街。 (外伝第三話 了。)
はい、今まで出てこなかった『沙耶』の自分なりの回答です。ぶっちゃけ、本編には無いハッピーエンドを目指してみたり…本当か?(ぉ
皆様に喜んで頂ければ幸いですが…m(_ _)m
「あにさまぁ~!お客さん連れて来たよ~!」
ビチビチッ
「いyぉpあ~、はpkネシtれェェ!」
其れは…形容し難い“肉の塊”だった。ブヨブヨと蠢き、もがいている様に見えるが、ルイリーがしっかり掴んで逃げられないでいるようだった…。
「ああん、逃げたらダメェ。あにさまのラーメン美味しいよぉ~。」
「ぼndンドグぉ?」
「うん!本当だよ。食べたらビックリしちゃうから。」
どうやら、ルイリーにはこの物体の言葉が分かるらしい…。ともかく、ルイリーを通じて、話してみる事にしたタオロー。
「つまり…、お前は沙耶と言う名前で…どこから来たかは分からない…。それはともかく、住み難くなった場所から逃げてきて、今現在一緒に住んでいる“匂坂郁紀”とか言う男の認識では、お前が美少女に見える…。人間の食事が食べられず…お前の嗜好に近い様で人肉を好むと…くくっ、面白い。俺も料理人としてあらゆる物を食い、作り、挙句今では外道へと堕ちたと思っていたが、本物のバケモ…いや…すまんな、人以外の者に料理を作ってみたくなった…。」
タオローは笑みすら浮かべて、肉の塊に話しかける。
「沙耶、と言ったな。明日の夜、俺の営業が終わってからで良ければ、この紙に書いた場所へ来い。貴様の言う郁紀とか言う男も連れてな。」
「『うん、分かった。でも、本当に大丈夫?』って言ってる。」
「まぁ…、結果は分からん。だが、俺には心当たりがある。」
ずるずる…と、裏路地の闇に消える沙耶。そして、タオローは明日の料理に想いを馳せていた。
翌日の深夜、タオローはルイリーと共に、仕込み用に使う厨房に着くと、一人の青年が立っていた。
「貴様が郁紀か?」
「うわ!な、何なんだ!?さ、沙耶、こんなバケモノだとは聞いてない!」
タオローを見て取り乱す青年、沙耶とか言う肉塊が出てきて一応の落ち着きは見せるがこのままでは話しにならない。
「やれやれ…話にならんな…。 …そうだ、ルイリー。沙耶とか言うやつの真似をして喋れるか?」
「…?…、うん!あにさま、ルイリー出来るよ!」
「では、通訳してくれ。今からお前達に料理を作ってやる。とな。」
「は~い!」
そうして、しばらくの時間が流れ、タオローは二杯のラーメンを作りあげる。
「…お待ち。さぁ、食ってみろ。沙耶、お前さんにも用意した。」
恐る恐る、箸を取る郁紀。沙耶の方を見ると触手を伸ばし、ちゃんと箸を使っていた。…ただし、口らしき物は意外な位置にあったが…見なかった事にする。
「…う、美味い…ラーメンらしいがよく分からないな…けど美味い。」
「『うん、ほんとだぁ。何だか肉の味がする。』って。」
「う…あぁ…くう…?」
どくんっ!と、食べ終わった郁紀に変化が起こる。
「悪いが沙耶、一度、郁紀の視界から隠れろ。」
「『何で?』って」
「ともかくだ。貴様の正体をばらしたいか?」
何かに気付いた沙耶が厨房の物陰に隠れる。そして…、
「あ…れ?ここは…え!?貴方は?」
「うむ、上手くいったようだな。説明すると、今、お前が食ったラーメンは俺が作った紫電麺だ。そして、その電流により、一時的にお前さんの脳神経の狂いを修正している。更に、麺に“コレ”を練りこんでみた。」
「…これは…『ざくろ』…。」
「そうだ、俺の国の古い文献に人肉を喰らう鬼女がいてな、釈迦だか、坊主だかの慈悲で助かり、人肉を喰らいたくなった時にはざくろを食え…とな。何でも人肉に近い味がするそうだ…くくっ。」
「そうなのか…って、沙耶は?」
「今は姿を見ない方がいいぞ?まぁ、お前さんは先に戻っていろ。俺は、沙耶とやらともう少し話す事がある。…そうだ、残ったざくろはお前さんにやろう。帰って食ってみろ。」
「あ!…ああ、そうする…うわっ…また視界が…。」
「残念だが、時間切れのようだな…。ならばルイリーが通訳すれば問題は無いか…。」
厨房に留まる郁紀の様子を見て沙耶が這い出てくる。
「さて、もう一つ提案なんだが…、お前さん前に普通の人間を郁紀と同じ状態に出来た…と言ったな。つまり、こいつは元に戻れる。と?」
「『うん』って。」
「ならば、お前が人間になる。とは考えなかったのか?」
「びっくりしてる。『気がつかなかった!』って『でも自信は無い』だって。」
少々呆れながら、タオローは言う。
「少しは思いつけ。…まあ良い。何、せめて見てくれだけでも良い。他人から見ても人間に見れれば…な。上手く行けば、俺の料理でサポート出来るかもしれん。なにせ、俺の国に『医食同源』と言う言葉がある位だ。」
タオローは珍しく笑顔だった。それは自信を持った笑顔であった。
そして、一ヵ月程たったある日、タオローの厨房に明るい声が届く。
「まいどー。『沙耶の肉屋』でーす。配達に来ましたー。」
そこには、一人の少女がチャーシュー用の豚肉を抱えていた。
「おう、すまないな沙耶、わざわざ配達させて。それでどうだ、今の体は?」
「うん!誰も気付いて無いみたい。郁紀も元に戻って少し混乱したけど、もうなれたって言ってるし、後は…二人でちょっと商品をつまみ食いしちゃうのが問題かな?」
明るい笑顔で沙耶が笑う。この一週間で『沙耶の肉屋』は上質の肉を仕入れると評判になった。
「まぁ、お前さん達は肉のエキスパートだからな。だが、つまみ食いは程々にしておけよ。…それと、髪の毛の間から触手が出ているぞ。」
ちょうど、髪の毛が跳ねている辺りからピコピコと触手が揺れていた。
「あ…あははっ!は~い、気をつけまーす。あっ!郁紀を待たしているの。それじゃぁ…またの御贔屓をお待ちしていまーす。」
少女らしい笑顔をふりまき厨房を出て行く。沙耶と郁紀は次の配達に向かう。幸せに溢れているようだった。
ここはアーカムシティー。『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代』食にかかわる者には、人間であろうが無かろうが、分け隔てなく受け入れる街。 (外伝第三話 了。)
はい、今まで出てこなかった『沙耶』の自分なりの回答です。ぶっちゃけ、本編には無いハッピーエンドを目指してみたり…本当か?(ぉ
皆様に喜んで頂ければ幸いですが…m(_ _)m
SS 『鬼哭麺』第四話 「網絡調理」後編
『上海食品公司アーカム支社』はトラック事故で騒然としていた。遅まきながら、覇道の食品警察も動いていた。
「あ~あ、ひでぇ事になってるなぁ…で、ストーン君、状況はどうよ?」
「ネス警部!シャンとして下さい。…ともかく、トラックは『燦月食品』の食肉用の家畜を乗せていたとの事で、事故により『上海食品公司』社屋に侵入。暴れたそうですが、かけつけた燦月食品社員によって別のトラックに回収されたそうです。事故を起こしたトラック乗務員は消えた…と、いうか運輸会社に登録されていない人物だそうです。」
「や~れやれ、結局シッポをつかめずな訳ね。んで、こっちはえらいモンが見つかった訳だ…。」
「はっ!家畜が暴れた際、破壊した区画から登記に無い、違法サイバネアームや代替食品が見つかりました。」
ネスとストーンが見守る玄関前に、一台の車が止まり、中から一人のスーツを着た女性が出てきた。
「ご苦労様です。私は特捜科の麻生純子です。現状は?」
「これはこれは、ご苦労様です。それでは…」
説明を受け端末を操作していた純子はビルから出てくる一行に目が留まる。
「やっと出られたよ~。大変な特別授業になっちゃたねぇ、和樹君。」
「奈都美さんも無事でよかった。」
「まったく、奈都美がドジらなきゃ、もう少し早く出れたんだけどね。」
「んもう、薫ちゃんひどい~。」
「あら、あなた達、こんな所で…。」
「「純子さん!?」」
双方は状況説明をすると、純子は思い出したように、
「悪いんだけど、和樹君を貸して欲しいのよ。どうもビル内に社長が残っているみたいなんだけど、システムがロックしてて、私だけだと時間がかかるの。」
「わかりました。じゃあ、行ってくるからみんなは戻っていて。」
「でも、それなら私だけでも残ります…。」
「大丈夫よ若佳菜先生、終わったら私がちゃんと送り届けるから。さぁ、和樹君行きましょう。」
「はい。」
ビル内に入っていく二人。内部はすでに静まり返っていた。
「早速で悪いけど、社長のン・ウィンシンはネットワークの天才と言われていてね、私のディティクターじゃ通用しないのよ。」
「わかりました、やってみます。」
和樹が電覚でビル内のネットワークに進入、隔壁の突破を試みていたその時、最上階の社長室では余裕の表情のン・ウィンシンと各部から調理機器を振りかざし、なお、苦悶の表情で迫るペトルーシュカにタオローは追い詰められていた。
「くっ!ここでは食材が無い…どうする…。」
「さあ、食材はコン・タオローだ、ペトルーシュカ。なますにしてや…何?」
突然、脳に直接アラームが届く、このビルは先ほど支配権を取り戻したン・ウィンシンがタオローの逃げ場が無いようにロックをかけたはずだった。
「俺のネットワークは完璧だ、なぜ破れるんだ!?」
驚くンの前で、社長室の扉は開き、現われたのは、『食品警察特捜科』の麻生純子だった。
「世の中、絶対って物は無いのよ、ン・ウィンシン社長。あなたには食品取り扱い法、および表記義務違反の容疑があります。おとなしく、お縄につきなさい。」
「まぁ、待ちな。たとえ警察であろうが、俺達は勝負中だぜ。料理人同士の勝負には警察も口を出せない。だろう?刑事さんよぉ。そして、コン・タオロー。」
ンはタオローに近づき、小声で、
「ここで逃げれば、メモリーは吹っ飛ぶぜ。もちろんお前さんが勝ってもなぁ。」
「く、卑怯な…。勝負は勝負だ…。」
仕方ないといった表情の純子は、
「では、私ともう一人が立会人になります。…それと、もう少しまともに調理出来るところで…そうそう、もう一つ!妨害工作は禁止するわね。」
「ふん、まぁいい。それなら俺の店を使え。そして、俺が勝ったら逮捕も無しだ。コイツが勝てばペトルーシュカはくれてやる。」
そのまま、『青雲飯店アーカム三号店』へ向かう一向。純子の車に同乗するタオローは和樹に向かって話しかける。
「お前…人間ではないな?それで審査など出来るのか?」
「!!って、なんで和樹君の事がバレるのよ!?」
焦る純子にタオローはこともなげに、
「俺達、内家の料理人は“気”を見る。こいつはそれが無い。」
「そう、僕はロボットです。だから味はまだ良くわかりませんが、社長室の中で起こった事は見ていました。あのガイノイドのプログラムに僕が作ったディティクターを進入させたので、今頃は表面上は変わりなくても爆破の危険は無いはずです。」
「…そうか…、恩にきるぞ、…和樹。」
「いえ。」
こうなっては、勝負はついたも同然だった。何より、純子の機転により、店にいた客までも審査員として、ンの不正を監視したからである。
「バカな…何故爆発しない!?糞!」
何度も、爆破スイッチを押すが何の反応も無いペトルーシュカ。タオローはそのままペトルーシュカを連れて行く。うなだれるンに手錠をかける純子。
「それと…他の青雲飯店の店長は『代替食品』について、なにも知らないと言っているらしいわ。…あなた、見捨てられたわね。」
「糞っ!くそっ!チクショウー!!」
ン・ウィンシンの叫びだけが空しく響いていた…。
ここはアーカムシティー。『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代。』悪の料理人は跋扈しているものの、正義の剣もまた、折れてはいなかったのである。 (第四話 了)
な、何とか、終わった…いや、この話うまくまとまらなくて、まいった…。次は…どうなるやら(汗
「あ~あ、ひでぇ事になってるなぁ…で、ストーン君、状況はどうよ?」
「ネス警部!シャンとして下さい。…ともかく、トラックは『燦月食品』の食肉用の家畜を乗せていたとの事で、事故により『上海食品公司』社屋に侵入。暴れたそうですが、かけつけた燦月食品社員によって別のトラックに回収されたそうです。事故を起こしたトラック乗務員は消えた…と、いうか運輸会社に登録されていない人物だそうです。」
「や~れやれ、結局シッポをつかめずな訳ね。んで、こっちはえらいモンが見つかった訳だ…。」
「はっ!家畜が暴れた際、破壊した区画から登記に無い、違法サイバネアームや代替食品が見つかりました。」
ネスとストーンが見守る玄関前に、一台の車が止まり、中から一人のスーツを着た女性が出てきた。
「ご苦労様です。私は特捜科の麻生純子です。現状は?」
「これはこれは、ご苦労様です。それでは…」
説明を受け端末を操作していた純子はビルから出てくる一行に目が留まる。
「やっと出られたよ~。大変な特別授業になっちゃたねぇ、和樹君。」
「奈都美さんも無事でよかった。」
「まったく、奈都美がドジらなきゃ、もう少し早く出れたんだけどね。」
「んもう、薫ちゃんひどい~。」
「あら、あなた達、こんな所で…。」
「「純子さん!?」」
双方は状況説明をすると、純子は思い出したように、
「悪いんだけど、和樹君を貸して欲しいのよ。どうもビル内に社長が残っているみたいなんだけど、システムがロックしてて、私だけだと時間がかかるの。」
「わかりました。じゃあ、行ってくるからみんなは戻っていて。」
「でも、それなら私だけでも残ります…。」
「大丈夫よ若佳菜先生、終わったら私がちゃんと送り届けるから。さぁ、和樹君行きましょう。」
「はい。」
ビル内に入っていく二人。内部はすでに静まり返っていた。
「早速で悪いけど、社長のン・ウィンシンはネットワークの天才と言われていてね、私のディティクターじゃ通用しないのよ。」
「わかりました、やってみます。」
和樹が電覚でビル内のネットワークに進入、隔壁の突破を試みていたその時、最上階の社長室では余裕の表情のン・ウィンシンと各部から調理機器を振りかざし、なお、苦悶の表情で迫るペトルーシュカにタオローは追い詰められていた。
「くっ!ここでは食材が無い…どうする…。」
「さあ、食材はコン・タオローだ、ペトルーシュカ。なますにしてや…何?」
突然、脳に直接アラームが届く、このビルは先ほど支配権を取り戻したン・ウィンシンがタオローの逃げ場が無いようにロックをかけたはずだった。
「俺のネットワークは完璧だ、なぜ破れるんだ!?」
驚くンの前で、社長室の扉は開き、現われたのは、『食品警察特捜科』の麻生純子だった。
「世の中、絶対って物は無いのよ、ン・ウィンシン社長。あなたには食品取り扱い法、および表記義務違反の容疑があります。おとなしく、お縄につきなさい。」
「まぁ、待ちな。たとえ警察であろうが、俺達は勝負中だぜ。料理人同士の勝負には警察も口を出せない。だろう?刑事さんよぉ。そして、コン・タオロー。」
ンはタオローに近づき、小声で、
「ここで逃げれば、メモリーは吹っ飛ぶぜ。もちろんお前さんが勝ってもなぁ。」
「く、卑怯な…。勝負は勝負だ…。」
仕方ないといった表情の純子は、
「では、私ともう一人が立会人になります。…それと、もう少しまともに調理出来るところで…そうそう、もう一つ!妨害工作は禁止するわね。」
「ふん、まぁいい。それなら俺の店を使え。そして、俺が勝ったら逮捕も無しだ。コイツが勝てばペトルーシュカはくれてやる。」
そのまま、『青雲飯店アーカム三号店』へ向かう一向。純子の車に同乗するタオローは和樹に向かって話しかける。
「お前…人間ではないな?それで審査など出来るのか?」
「!!って、なんで和樹君の事がバレるのよ!?」
焦る純子にタオローはこともなげに、
「俺達、内家の料理人は“気”を見る。こいつはそれが無い。」
「そう、僕はロボットです。だから味はまだ良くわかりませんが、社長室の中で起こった事は見ていました。あのガイノイドのプログラムに僕が作ったディティクターを進入させたので、今頃は表面上は変わりなくても爆破の危険は無いはずです。」
「…そうか…、恩にきるぞ、…和樹。」
「いえ。」
こうなっては、勝負はついたも同然だった。何より、純子の機転により、店にいた客までも審査員として、ンの不正を監視したからである。
「バカな…何故爆発しない!?糞!」
何度も、爆破スイッチを押すが何の反応も無いペトルーシュカ。タオローはそのままペトルーシュカを連れて行く。うなだれるンに手錠をかける純子。
「それと…他の青雲飯店の店長は『代替食品』について、なにも知らないと言っているらしいわ。…あなた、見捨てられたわね。」
「糞っ!くそっ!チクショウー!!」
ン・ウィンシンの叫びだけが空しく響いていた…。
ここはアーカムシティー。『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代。』悪の料理人は跋扈しているものの、正義の剣もまた、折れてはいなかったのである。 (第四話 了)
な、何とか、終わった…いや、この話うまくまとまらなくて、まいった…。次は…どうなるやら(汗
SS 『鬼哭麺』第四話 「網絡調理」中編
僕の名は『友永和樹』。『HIKARI』によって、“人間の食”を調べる為に造られたロボットだ。
僕は『皇路料理専門学園』に転入して調査をしていた。そこで、奈都美さん達と出会い、食文化と料理の素晴らしさを知った。
だが、食は効率を求めれば良いと食文化破壊の結論を出した『HIKARI』を僕は、出会った人達との大切な時間や僕の想いをHIKARIに送る事で説得し、皇路学園での日常を手に入れた。
「ねぇねぇ和樹君、今日の特別見学、楽しみだよねぇ。」
「うん、そうだね。」
「そう言えば、今日は何処に行くんだって?」
「ったく、薫ってば、そんな事も知らずにドコ行くつもりなんだよ。いい、今日は『上海食品公司』に最新調理機器なんかを見るんだろう。」
「ちょりっと見に行くですわ。」
「…千絵梨も行くのかよ。」
「はい、絵の気分転換に、それに和樹さんも行かれるようでしたから。」
「あんたは何しに来てるんだよ…。」
こうして四人と話していると、若佳菜先生がやって来た。
「ずいぶん、盛り上がってるじゃない。でも、あちらでは静かにね。」
「「は~い。」」
「よろしい、ではバスにのって行きましょう。」
僕達はまだこの後起こる事を知らなかった…。
一方、皇路学園の一行が向かっている『上海食品公司』では…。
『青雲飯店 アーカム三号店』の店長、ン・ウィンシンではあったが、料理人ではない彼が店に出るのは一日の売り上げを集計する時か、店員が解決出来ないトラブルが起こった時だけであり、普段は『上海食品公司アーカム支社』最上階の社長室にいた。
後は、数名の店員と自動調理器、それに多数のアルバイトによって成り立っていたのである。
ピピッ
社長室のインターホンが鳴り、秘書の声が聞こえる。
「社長、『皇路料理専門学園』の生徒がこちらに向かっているそうです。」
「ああ社会見学とか言うやつだな。ではいつも通り“表”の見学ルートで頼む。」
指示だけ済ますと早々にインターホンを切る。だがまたもインターフォンが鳴る、しかも通常回線ではない、青雲飯店の店長のみの回線だ。
「お久しぶりですン・ウィンシン殿、ビン・ワイソン殿からこちらの支援にと、元兄弟馳せ参じました。」
「なんだと?聞いてはいねえが…まぁ、良いだろう、社内を自由に歩けるようにはしておく。…だが、セキュリティーは万全だ。お前らの出番はねぇぜ。」
「…十分です。では。」
インターホンが切れる。そのまま、ン・ウィンシンは社長室の隣の部屋、彼の趣味の為の部屋へと入っていく。
「くく、いよいよ出番だぜ、ペトルーシュカ…。」
一方こちらは…何と言うか、緊張感の無い一行ではあるが…
「うっわ~。凄いなぁ…うちでもここまで大規模な配送システムは無いんじゃないかなぁ。」
「深佳、なんて事言ってるのよ、まったく。比べる物でもないでしょう?」
「まぁ、そうなんだけどさー。親父に聞かせたらきっと悔しがるよ。」
「まったく、あたしには縁が無い話だねぇ…。」
「薫ちゃんは、体力で勝負じゃない。ねぇ。」
「まあねぇ…って、あたしをバカにする気か奈都美ぃ~。」
「イタイイタイ、薫ちゃん本気でつねらないでぇ~。」
「二人とも仲がよろしいですわねぇ。」
ともかく、見学ルートに沿って社内を歩いていたのだが、その時。
キキキキキッ!!ドカーーン!!
正面玄関にトラックが横転したまま突撃、コンテナから出てきたそれは…見たことの無い姿の獣…『燦月食品』の『複合(キメラ)家畜』であった。
そのまま、上海食品公司の中で暴れる家畜達。その混乱に乗じて、長身痩躯の男もビル内に侵入する。
「いったい何が起こっている!!」
「そ、それが、正体不明の獣が暴れて…手が付けられませんっ。」
「セキュリティーもダウンしています!」
「ちぃ…、まさか…あの野郎の仕業か!とにかく、部外者はとっとと外に出せ!奥に侵入する奴らは始末しろ!」
社内の喧騒は激しくなる。一方で、
「なになに?何が起こってるの、和樹くん。」
「…わからない、ともかく非常口に行こう。」
「それじゃあこっちね。みんなはぐれないで。」
逃げる途中、奈都美が遅れ、転んだ先には…うなぎの化け物だった。
「か、和樹君!!」
「しまった!間に合わない!」
「天魔輻射熱!!」
間一髪現われたのは、元兄弟。見事なコンビネーションでうなぎを捌き、蒲焼にしていた。
「娘。大事無いか?ここから早々に立ち去られよ。」
「お、同じ顔!?じゃなくて、あ、あの、ありがとうございました。」
「奈都美さん、さぁ、こっちだよ。」
「う、うん、和樹君。それじゃぁ。」
挨拶もそこそこに立ち去る一同、元兄弟も次の獲物へと向かって行った。
丁度その頃、最上階の社長室では、
「ふ、やはり、ここまで来たかコン・タオロー!」
「さあ、覚悟は出来たか?ン・ウィンシン!!」
「まさか!自慢じゃないが俺は料理も戦いも得意じゃ無い。お前の相手はコイツだ!」
「な、なに!?」
現われたのは…ガイノイドのペトルーシュカ。
「さぁて、コイツは俺の技術を詰め込んだ最高傑作だ。因みに、料理に負けたり、頭と胴体が離れたりすると、メモリーが吹っ飛ぶ仕掛けがしてある。」
「…外道が…。」
「勝てばいいのさ、行け!ロボコック、ペトルーシュカ!」
…名前のセンスは無いようだ…
兎も角、手の出せないタオローはどうなってしまうのか?第四話後編に続く!
僕は『皇路料理専門学園』に転入して調査をしていた。そこで、奈都美さん達と出会い、食文化と料理の素晴らしさを知った。
だが、食は効率を求めれば良いと食文化破壊の結論を出した『HIKARI』を僕は、出会った人達との大切な時間や僕の想いをHIKARIに送る事で説得し、皇路学園での日常を手に入れた。
「ねぇねぇ和樹君、今日の特別見学、楽しみだよねぇ。」
「うん、そうだね。」
「そう言えば、今日は何処に行くんだって?」
「ったく、薫ってば、そんな事も知らずにドコ行くつもりなんだよ。いい、今日は『上海食品公司』に最新調理機器なんかを見るんだろう。」
「ちょりっと見に行くですわ。」
「…千絵梨も行くのかよ。」
「はい、絵の気分転換に、それに和樹さんも行かれるようでしたから。」
「あんたは何しに来てるんだよ…。」
こうして四人と話していると、若佳菜先生がやって来た。
「ずいぶん、盛り上がってるじゃない。でも、あちらでは静かにね。」
「「は~い。」」
「よろしい、ではバスにのって行きましょう。」
僕達はまだこの後起こる事を知らなかった…。
一方、皇路学園の一行が向かっている『上海食品公司』では…。
『青雲飯店 アーカム三号店』の店長、ン・ウィンシンではあったが、料理人ではない彼が店に出るのは一日の売り上げを集計する時か、店員が解決出来ないトラブルが起こった時だけであり、普段は『上海食品公司アーカム支社』最上階の社長室にいた。
後は、数名の店員と自動調理器、それに多数のアルバイトによって成り立っていたのである。
ピピッ
社長室のインターホンが鳴り、秘書の声が聞こえる。
「社長、『皇路料理専門学園』の生徒がこちらに向かっているそうです。」
「ああ社会見学とか言うやつだな。ではいつも通り“表”の見学ルートで頼む。」
指示だけ済ますと早々にインターホンを切る。だがまたもインターフォンが鳴る、しかも通常回線ではない、青雲飯店の店長のみの回線だ。
「お久しぶりですン・ウィンシン殿、ビン・ワイソン殿からこちらの支援にと、元兄弟馳せ参じました。」
「なんだと?聞いてはいねえが…まぁ、良いだろう、社内を自由に歩けるようにはしておく。…だが、セキュリティーは万全だ。お前らの出番はねぇぜ。」
「…十分です。では。」
インターホンが切れる。そのまま、ン・ウィンシンは社長室の隣の部屋、彼の趣味の為の部屋へと入っていく。
「くく、いよいよ出番だぜ、ペトルーシュカ…。」
一方こちらは…何と言うか、緊張感の無い一行ではあるが…
「うっわ~。凄いなぁ…うちでもここまで大規模な配送システムは無いんじゃないかなぁ。」
「深佳、なんて事言ってるのよ、まったく。比べる物でもないでしょう?」
「まぁ、そうなんだけどさー。親父に聞かせたらきっと悔しがるよ。」
「まったく、あたしには縁が無い話だねぇ…。」
「薫ちゃんは、体力で勝負じゃない。ねぇ。」
「まあねぇ…って、あたしをバカにする気か奈都美ぃ~。」
「イタイイタイ、薫ちゃん本気でつねらないでぇ~。」
「二人とも仲がよろしいですわねぇ。」
ともかく、見学ルートに沿って社内を歩いていたのだが、その時。
キキキキキッ!!ドカーーン!!
正面玄関にトラックが横転したまま突撃、コンテナから出てきたそれは…見たことの無い姿の獣…『燦月食品』の『複合(キメラ)家畜』であった。
そのまま、上海食品公司の中で暴れる家畜達。その混乱に乗じて、長身痩躯の男もビル内に侵入する。
「いったい何が起こっている!!」
「そ、それが、正体不明の獣が暴れて…手が付けられませんっ。」
「セキュリティーもダウンしています!」
「ちぃ…、まさか…あの野郎の仕業か!とにかく、部外者はとっとと外に出せ!奥に侵入する奴らは始末しろ!」
社内の喧騒は激しくなる。一方で、
「なになに?何が起こってるの、和樹くん。」
「…わからない、ともかく非常口に行こう。」
「それじゃあこっちね。みんなはぐれないで。」
逃げる途中、奈都美が遅れ、転んだ先には…うなぎの化け物だった。
「か、和樹君!!」
「しまった!間に合わない!」
「天魔輻射熱!!」
間一髪現われたのは、元兄弟。見事なコンビネーションでうなぎを捌き、蒲焼にしていた。
「娘。大事無いか?ここから早々に立ち去られよ。」
「お、同じ顔!?じゃなくて、あ、あの、ありがとうございました。」
「奈都美さん、さぁ、こっちだよ。」
「う、うん、和樹君。それじゃぁ。」
挨拶もそこそこに立ち去る一同、元兄弟も次の獲物へと向かって行った。
丁度その頃、最上階の社長室では、
「ふ、やはり、ここまで来たかコン・タオロー!」
「さあ、覚悟は出来たか?ン・ウィンシン!!」
「まさか!自慢じゃないが俺は料理も戦いも得意じゃ無い。お前の相手はコイツだ!」
「な、なに!?」
現われたのは…ガイノイドのペトルーシュカ。
「さぁて、コイツは俺の技術を詰め込んだ最高傑作だ。因みに、料理に負けたり、頭と胴体が離れたりすると、メモリーが吹っ飛ぶ仕掛けがしてある。」
「…外道が…。」
「勝てばいいのさ、行け!ロボコック、ペトルーシュカ!」
…名前のセンスは無いようだ…
兎も角、手の出せないタオローはどうなってしまうのか?第四話後編に続く!
ごめんなさいm(_ _)m
雷「本日の更新は前日の体調不良と、今日リアルの方で映画を見てきますので、たぶんお休みです。」
み「…体調不良はともかく、いい度胸ですねぇ。(--#」
ほ「まったく、気合が足りない!(><#」
雷「…仰る事はごもっともですが、チケットすでに取ってるらしいんで…後日、レビュー書きますので…あとよろしく~。」(どたどた…)
ほ&み「…逃げられた…。」
み「…体調不良はともかく、いい度胸ですねぇ。(--#」
ほ「まったく、気合が足りない!(><#」
雷「…仰る事はごもっともですが、チケットすでに取ってるらしいんで…後日、レビュー書きますので…あとよろしく~。」(どたどた…)
ほ&み「…逃げられた…。」
SS 『鬼哭麺』第四話 「網絡調理」前編
アーカムシティーから一番近い海岸、インスマウスの港からも離れた人の寄り付かない場所に一人の長身痩躯の男と幼い少女…と見紛うばかりのガイノイドがいた。
「あにさま~、聴いててねぇ~。」
チャララ~ララ♪チャラララララ~~♪
「ね、ルイリー上手いでしょぉ。」
胸を張るルイリー、タオローは顔を緩ませながら、そういえば昔、自分が父から料理修業の手始めとしてラーメン修行を始めた時、ルイリーは必死にチャルメラの練習をしていた。何でも『あにさまが屋台を引いて、ルイリーがお客さんを呼び込むの。』とか言っていた気がする。
「もぉう、あにさまちゃんと聴いてないぃ~!」
「ああ、済まない。…ルイリー、少しだけあっちの方で遊んでいてくれるか?」
「ええ~!ルイリーつまんないよぉ~。…でも、あにさまが言うなら分かった…でもでも、あとでちゃんと遊んでよ。」
「ああ、分かっている。ほら、行っておいで。」
タオローの真剣な目に気付いたのか、ルイリーは渋々波打ち際まで歩いて行く。
その直後、後方の道路から車が停車する音がして、一人の女性が近づいてくる。
「まったく、わざわざこんな所まで呼び出して何の用なのかしら、青雲飯店のコン・タオローさん。」
「それは昔の事だ。済まないな『燦月(さんげつ)食品』の諸井開発主任。何、ここなら話を聞かれる心配がないからな。」
実のところタオローはここでなくても良かった。ただ、ルイリーが海を見たいとせがんだからだ。当然そんな素振りは微塵も見せずに本題に入る。
「あんたの所でも、『上海食品公司』の存在は目障りだろう。いくら、双方とも、『青雲飯店』と『美食倶楽部 イノヴェルチ』と言う主になる卸先はあるが、販路拡大は難しい状況だ。」
「それで?何が言いたいのかしら…。」
「『上海食品公司』の食材はかなりの量が本物の食材では無く、安い代替食品に変わっている。そんな事が発覚すればどうだ?」
「…それは…本当の事なの?…で、具体的には…。」
「何、あんたの所の“食肉用の家畜”…随分、“生きが良い”らしいじゃないか。そして、家畜の輸送中に上海食品公司の前で“事故”が起こり、家畜が社内に侵入…。後は当局…特に覇道の食品警察が動く…。」
「…ばっ!こちらのリスクが高すぎるわ!」
「当局が動く前に撤収すれば良い。トラックの運転手は、金を積めば何でもやる連中を知っている。何、上手く逃げるし足は付かない。」
「…分かったわよ、まったく、復讐だか仇討ちだか知らないけど、何がそこまでさせるのか…。ともかく、準備が出来次第、連絡をするわ。では失礼。」
車に戻っていく諸井。そして、話が終わったと見るや駆けて戻ってくるルイリー。
「あにさま、あのおばさんとのお話終わった?」
「私をおばさんと呼ぶな!!!」
「ひゃぁっ。」
車に乗り込もうとしていた諸井が怒声を上げる。…以外に気にしているようであった…。
しかし、気にしていないルイリーは、
「あ~、びっくりしたねぇ、あにさま。」
「ああ、そうだな…。」
「そう言えばね、ルイリー何か大切な事を忘れているの。チャルメラがスープなのって、とうさまが言っていたんだけど、何のことか分かんないねぇ…。」
「大丈夫だよルイリー、すぐに、すぐに全て思い出すからね…。」
タオローはルイリーを抱きしめながら、誓いを新たにルイリーの為なら鬼に、麺鬼になる覚悟をしていた。 (第四話中編に続く)
「あにさま~、聴いててねぇ~。」
チャララ~ララ♪チャラララララ~~♪
「ね、ルイリー上手いでしょぉ。」
胸を張るルイリー、タオローは顔を緩ませながら、そういえば昔、自分が父から料理修業の手始めとしてラーメン修行を始めた時、ルイリーは必死にチャルメラの練習をしていた。何でも『あにさまが屋台を引いて、ルイリーがお客さんを呼び込むの。』とか言っていた気がする。
「もぉう、あにさまちゃんと聴いてないぃ~!」
「ああ、済まない。…ルイリー、少しだけあっちの方で遊んでいてくれるか?」
「ええ~!ルイリーつまんないよぉ~。…でも、あにさまが言うなら分かった…でもでも、あとでちゃんと遊んでよ。」
「ああ、分かっている。ほら、行っておいで。」
タオローの真剣な目に気付いたのか、ルイリーは渋々波打ち際まで歩いて行く。
その直後、後方の道路から車が停車する音がして、一人の女性が近づいてくる。
「まったく、わざわざこんな所まで呼び出して何の用なのかしら、青雲飯店のコン・タオローさん。」
「それは昔の事だ。済まないな『燦月(さんげつ)食品』の諸井開発主任。何、ここなら話を聞かれる心配がないからな。」
実のところタオローはここでなくても良かった。ただ、ルイリーが海を見たいとせがんだからだ。当然そんな素振りは微塵も見せずに本題に入る。
「あんたの所でも、『上海食品公司』の存在は目障りだろう。いくら、双方とも、『青雲飯店』と『美食倶楽部 イノヴェルチ』と言う主になる卸先はあるが、販路拡大は難しい状況だ。」
「それで?何が言いたいのかしら…。」
「『上海食品公司』の食材はかなりの量が本物の食材では無く、安い代替食品に変わっている。そんな事が発覚すればどうだ?」
「…それは…本当の事なの?…で、具体的には…。」
「何、あんたの所の“食肉用の家畜”…随分、“生きが良い”らしいじゃないか。そして、家畜の輸送中に上海食品公司の前で“事故”が起こり、家畜が社内に侵入…。後は当局…特に覇道の食品警察が動く…。」
「…ばっ!こちらのリスクが高すぎるわ!」
「当局が動く前に撤収すれば良い。トラックの運転手は、金を積めば何でもやる連中を知っている。何、上手く逃げるし足は付かない。」
「…分かったわよ、まったく、復讐だか仇討ちだか知らないけど、何がそこまでさせるのか…。ともかく、準備が出来次第、連絡をするわ。では失礼。」
車に戻っていく諸井。そして、話が終わったと見るや駆けて戻ってくるルイリー。
「あにさま、あのおばさんとのお話終わった?」
「私をおばさんと呼ぶな!!!」
「ひゃぁっ。」
車に乗り込もうとしていた諸井が怒声を上げる。…以外に気にしているようであった…。
しかし、気にしていないルイリーは、
「あ~、びっくりしたねぇ、あにさま。」
「ああ、そうだな…。」
「そう言えばね、ルイリー何か大切な事を忘れているの。チャルメラがスープなのって、とうさまが言っていたんだけど、何のことか分かんないねぇ…。」
「大丈夫だよルイリー、すぐに、すぐに全て思い出すからね…。」
タオローはルイリーを抱きしめながら、誓いを新たにルイリーの為なら鬼に、麺鬼になる覚悟をしていた。 (第四話中編に続く)
SS 『鬼哭麺 外伝』第二話 「漢の包丁」
俺の名は大十字九郎。アーカムシティーで何の因果かファミリーレストラン『レモンパイン』の店長をしている。そう、あの日、姫さんこと覇道瑠璃が現れ
「『料理指南(レシピ)書』を探して欲しいのです。それは、調理士探偵の貴方にしか出来ない事です。」
などと、言われてから。
まぁ、何とか俺は『料理指南(レシピ)書』の精霊『アル・味フ』を見つけ出し…たのは良いが、聞いて無いぞ、レシピ書がこんなのだったとは…。
「こら、九郎!今日は覇道の小娘に呼ばれておるのだろう。汝はこの最強のレシピ書、『ネクロノ味魂』のオリジナル『アル・味フ』のマスターぞ。シャッキとせい!」
「へいへい…、んじゃまぁ、行きますか。しかし、急な呼び出しだよなぁ…。昨日いきなり執事さんに『明日の大十字様の休日。我が覇道邸へお越し下さい。』だもんなぁ…俺、また何かやったか?」
「さあな、色々有り過ぎて検討もつかん。」
「…だよなぁ…、つって、行かないわけにもいかないし、しゃあねぇ腹括って行くぜ、アル。」
「うむ、ではまいろうか。」
そして、覇道邸で待っていたのは…鬼だった…。
「…と、言う訳で、大十字さんの料理の腕を鍛える為に、お呼びしたコン・タオローさんです。」
「…はい?なんでまた今更…。」
ギロッ!
「ふん、見れば、才能だけはあるようだが、基本がなって無いな…。誰かに師事した事は?」
「いや、無い…。(怖えぇ~。)」
「だろうな、よし、とりあえず基本を見る。キャベツの千切りからやって貰おう。」
「よし、アル。『魔調理士(コック)スタイル』だ!」
「応!」
「渇ッ!!」
いきなりの怒声に変身出来なかった。
「貴様の事は聞いている。これから俺の言うまで、魔調理士スタイルとか言うのは禁止だ。自分の実力も無いのに百年早い!」
「むう…誰かは知らぬが、迫力だけならマスターテリオン並みだのう…。」
「はい、アル・味フ様。彼は、以前、このアーカムシティーの中華料理で一番と謳われた、青雲飯店で一、二の実力の持ち主と言われておりましたから。」
「なるほどのう、では今回は我の出番はなさそうだな。九郎、しっかりやるが良い。我は上で茶でも飲んでおる。」
そう言うと、薄情にもアルの奴は地下の調理室を出て行きやがった。
「くうぅ…、やってやろうじゃないか!」
意気込んだものの…。
「なんだ!この不揃いな太さは!そんな物で客に出せるか!ええい!一度だけ手本を見せてやる!」
そう言ったコン・タオローの腕は凄まじかった。
「腕の動きが見えねぇ…。本当に生身なのか?」
「お前は考えてから動かすからブレる。意よりも早く包丁を動かせ!身体に覚えこませるんだ。『ブラックリッチ』とやらのオーナーシェフ、マスター照り温とやらを倒すのならば、これぐらいは生身でこなせ!」
「いや、照り温じゃねぇよ…。」
「口を動かす前に手を動かせ!」
「はい!」
「煮物の煮崩れを防ぐには、面取りをキッチリしろ!」
「はい!」
「肉を焼く時は、両面を強火で焼いてから、弱火でじっくり焼くんだ、レアなら…。」
「はい!師匠!」
「蒸し物は必ず湯が沸騰してから入れろ!手間を惜しんだ奴は客に逃げられるぞ!」
「はい!師匠!」
こうして、一週間の時間が過ぎ…
「よし、それでは、これで最後だ。魔調理士スタイルになってオペレーションを想定、バーグ定食3、ケチャップオムライス、ミックスサンド2。これをこなせ!最低でも20分以内だ!それを過ぎれば客が逃げるぞ!」
「よし、九郎!準備は出来ておる。変身じゃ。」
「応!」
…18分後
「オーダー出ます!…師匠…。」
「…ふむ、盛り付けも良し。時間も良し。…味は…うむ、合格だ。よくやったな九郎。」
「ははっ…。やったぜ、アル。」
「うむ、見事なオペレーションであったぞ九郎。これで『アンナクロース』の店長どもにも遅れはとるまい。」
「ふふっ、俺も久しぶりに清清しい気分だ。ならば、お前にこれをやろう。俺が師事した職人に…性格は少々問題はあるが、腕は一流の師匠でな『俺の国では、師匠から貰える包丁は卒業の証だ、半年だけだったが、お前さんにもこれをやろう』と和包丁を貰った。お前はファミレスの店長だからな、牛刀が良かろう。刀匠バルザイ氏の逸品だ、これからも精進しろよ。」
「師匠!ありがとうございます!」
俺は、コン師匠と固い握手を交わした。漢同士の絆だった。
俺は今日も、違法な出店をする『アンナクロース』の『デウスマキナ(機械仕掛けの移動式店舗)』に戦いを挑む。俺の相棒、『アル・味フ』と『レモンパイン』とそして…『バルザイの牛刀』を振るって…。
ここは、アーカムシティー、『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代。』野望と希望を抱く料理人達の大舞台。 (鬼哭麺外伝 第三話了。)
「『料理指南(レシピ)書』を探して欲しいのです。それは、調理士探偵の貴方にしか出来ない事です。」
などと、言われてから。
まぁ、何とか俺は『料理指南(レシピ)書』の精霊『アル・味フ』を見つけ出し…たのは良いが、聞いて無いぞ、レシピ書がこんなのだったとは…。
「こら、九郎!今日は覇道の小娘に呼ばれておるのだろう。汝はこの最強のレシピ書、『ネクロノ味魂』のオリジナル『アル・味フ』のマスターぞ。シャッキとせい!」
「へいへい…、んじゃまぁ、行きますか。しかし、急な呼び出しだよなぁ…。昨日いきなり執事さんに『明日の大十字様の休日。我が覇道邸へお越し下さい。』だもんなぁ…俺、また何かやったか?」
「さあな、色々有り過ぎて検討もつかん。」
「…だよなぁ…、つって、行かないわけにもいかないし、しゃあねぇ腹括って行くぜ、アル。」
「うむ、ではまいろうか。」
そして、覇道邸で待っていたのは…鬼だった…。
「…と、言う訳で、大十字さんの料理の腕を鍛える為に、お呼びしたコン・タオローさんです。」
「…はい?なんでまた今更…。」
ギロッ!
「ふん、見れば、才能だけはあるようだが、基本がなって無いな…。誰かに師事した事は?」
「いや、無い…。(怖えぇ~。)」
「だろうな、よし、とりあえず基本を見る。キャベツの千切りからやって貰おう。」
「よし、アル。『魔調理士(コック)スタイル』だ!」
「応!」
「渇ッ!!」
いきなりの怒声に変身出来なかった。
「貴様の事は聞いている。これから俺の言うまで、魔調理士スタイルとか言うのは禁止だ。自分の実力も無いのに百年早い!」
「むう…誰かは知らぬが、迫力だけならマスターテリオン並みだのう…。」
「はい、アル・味フ様。彼は、以前、このアーカムシティーの中華料理で一番と謳われた、青雲飯店で一、二の実力の持ち主と言われておりましたから。」
「なるほどのう、では今回は我の出番はなさそうだな。九郎、しっかりやるが良い。我は上で茶でも飲んでおる。」
そう言うと、薄情にもアルの奴は地下の調理室を出て行きやがった。
「くうぅ…、やってやろうじゃないか!」
意気込んだものの…。
「なんだ!この不揃いな太さは!そんな物で客に出せるか!ええい!一度だけ手本を見せてやる!」
そう言ったコン・タオローの腕は凄まじかった。
「腕の動きが見えねぇ…。本当に生身なのか?」
「お前は考えてから動かすからブレる。意よりも早く包丁を動かせ!身体に覚えこませるんだ。『ブラックリッチ』とやらのオーナーシェフ、マスター照り温とやらを倒すのならば、これぐらいは生身でこなせ!」
「いや、照り温じゃねぇよ…。」
「口を動かす前に手を動かせ!」
「はい!」
「煮物の煮崩れを防ぐには、面取りをキッチリしろ!」
「はい!」
「肉を焼く時は、両面を強火で焼いてから、弱火でじっくり焼くんだ、レアなら…。」
「はい!師匠!」
「蒸し物は必ず湯が沸騰してから入れろ!手間を惜しんだ奴は客に逃げられるぞ!」
「はい!師匠!」
こうして、一週間の時間が過ぎ…
「よし、それでは、これで最後だ。魔調理士スタイルになってオペレーションを想定、バーグ定食3、ケチャップオムライス、ミックスサンド2。これをこなせ!最低でも20分以内だ!それを過ぎれば客が逃げるぞ!」
「よし、九郎!準備は出来ておる。変身じゃ。」
「応!」
…18分後
「オーダー出ます!…師匠…。」
「…ふむ、盛り付けも良し。時間も良し。…味は…うむ、合格だ。よくやったな九郎。」
「ははっ…。やったぜ、アル。」
「うむ、見事なオペレーションであったぞ九郎。これで『アンナクロース』の店長どもにも遅れはとるまい。」
「ふふっ、俺も久しぶりに清清しい気分だ。ならば、お前にこれをやろう。俺が師事した職人に…性格は少々問題はあるが、腕は一流の師匠でな『俺の国では、師匠から貰える包丁は卒業の証だ、半年だけだったが、お前さんにもこれをやろう』と和包丁を貰った。お前はファミレスの店長だからな、牛刀が良かろう。刀匠バルザイ氏の逸品だ、これからも精進しろよ。」
「師匠!ありがとうございます!」
俺は、コン師匠と固い握手を交わした。漢同士の絆だった。
俺は今日も、違法な出店をする『アンナクロース』の『デウスマキナ(機械仕掛けの移動式店舗)』に戦いを挑む。俺の相棒、『アル・味フ』と『レモンパイン』とそして…『バルザイの牛刀』を振るって…。
ここは、アーカムシティー、『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代。』野望と希望を抱く料理人達の大舞台。 (鬼哭麺外伝 第三話了。)
お知らせ~。
雷「『鬼哭麺』は今日はお休みです。」
ほ「よっ、久しぶりだなぁ(^^)ゝ」
み「って、言うほどじゃないけどねぇ(^^;」
雷「ともかく、今日はお休み、ってだけじゃ、つまらんので、『鬼哭麺』に関する告知。」
ほ「つーか、雷太の希望だな。」
み「『鬼哭麺』に関しては、著作権(?)の放棄。と、言うか、そもそもこのサイト自体フリーではあるのですが…(^^;
要するに、店長は絵が描けませんので、漫画化、ぶっちゃけ同人化(もしくはWebコミック)したい人はどうぞってお話。」
ほ「ちなみに、報告義務は無い。が、してくれれば、雷太がその旨をここで告知する。更に、巻末にでもネタ元としてココの事を書いてくれれば、雷太が転げまわって喜ぶ…オレ的には迷惑だけどな。(--)」
み「後は…、もし、複数の方が同時期に発表しても揉めないようにお願いします。…なんか、店長が見たいだけの告知だねぇ…(^^;」
雷「説明、ありがとう。って、前もこんな感じだったような…。」
ほ「だって、むさい雷太よりオレ達の方が適任だろ?」
雷「いや、姿見えてないから…(汗」
み「…そういえば…、ボク達のイメージの公開って、どうなったんですか?」
雷「うをっ!…藪ヘビだった…。」
ほ「ったく、しょうがないやつだなぁ(--#」
み「まぁ、あまり固定イメージが付かないうちにお願いしますね。って、店長の絵じゃあ余計イメージ崩れるかなぁ(^^;」
雷「相変わらずひでぇ事サラッというなぁ…(汗」
オチのつかないまま終わる。 かおるんるん。
ほ「よっ、久しぶりだなぁ(^^)ゝ」
み「って、言うほどじゃないけどねぇ(^^;」
雷「ともかく、今日はお休み、ってだけじゃ、つまらんので、『鬼哭麺』に関する告知。」
ほ「つーか、雷太の希望だな。」
み「『鬼哭麺』に関しては、著作権(?)の放棄。と、言うか、そもそもこのサイト自体フリーではあるのですが…(^^;
要するに、店長は絵が描けませんので、漫画化、ぶっちゃけ同人化(もしくはWebコミック)したい人はどうぞってお話。」
ほ「ちなみに、報告義務は無い。が、してくれれば、雷太がその旨をここで告知する。更に、巻末にでもネタ元としてココの事を書いてくれれば、雷太が転げまわって喜ぶ…オレ的には迷惑だけどな。(--)」
み「後は…、もし、複数の方が同時期に発表しても揉めないようにお願いします。…なんか、店長が見たいだけの告知だねぇ…(^^;」
雷「説明、ありがとう。って、前もこんな感じだったような…。」
ほ「だって、むさい雷太よりオレ達の方が適任だろ?」
雷「いや、姿見えてないから…(汗」
み「…そういえば…、ボク達のイメージの公開って、どうなったんですか?」
雷「うをっ!…藪ヘビだった…。」
ほ「ったく、しょうがないやつだなぁ(--#」
み「まぁ、あまり固定イメージが付かないうちにお願いしますね。って、店長の絵じゃあ余計イメージ崩れるかなぁ(^^;」
雷「相変わらずひでぇ事サラッというなぁ…(汗」
オチのつかないまま終わる。 かおるんるん。
SS 『鬼哭麺』第三話 「老麺太后」後編
アーカムシティーの一画、『青雲飯店 アーカム四号店』の前は異様な興奮に包まれていた。
『老麺太后』チュウ・シャオヤンと『紫電麺』コン・タオローが直接、味勝負をしているのだ。しかも、双方妨害ありのまさにデスマッチである。
「…五手までは待ってやる。来るがいい…。」
「舐めるなぁー!」
早速、チュウの手から弾丸のような速度で菜箸が飛ぶ。
が、しかし、タオローは苦も無くこちらも菜箸で摘み取る。
「ふん、遅いな。」
「くぅぅっ!」
歯軋りするチュウは、今打っていた麺に凝固剤を混入して、引き伸ばし…伸ばした麺を捩ると、まるで鞭のように振り回し、タオローに襲いかかる。
タオローは上体だけでかわすが、その先の湯のたっぷり入った寸胴鍋を吹っ飛ばした。
「あぶねぇ!」
あわや周囲の観客に熱湯が浴びせかけられる寸前、飛び出したフリッツががっちりキャッチ。しっかり手には鍋つかみをはめて。
「ふぅ、あぶねぇなぁ、まったく青雲飯店ってのは物騒だねぇ。おい!観客はこっちでキッチリ守ってやるから調理に専念していいぜ。」
やっている事とはうらはらにフリッツは軽い口調で言う。
「それは、ありがたい。」
タオローは続けざまに来る三、四撃目をかわしながら口元を緩める。
「チッ、余計な真似を…まぁいいさ、これでどうだ!!」
チュウの麺鞭に先ほどの攻撃で包丁、鉄串などが纏わり付いている、そしてついに鞭の先端が音速を超えた。
「死ねぇ!!」
「ふん!これで五手!今度はこちらから行くぞ!」
タオローに向かって飛んでくる鞭を地面を蹴ってよけると手にした包丁で麺鞭を切断、切った先をそのまま掴むとチュウに向け投げ返す。チュウは手元に残った麺鞭で飛んできた先の部分を受け止めるとそのままゴミ箱に捨て、今度こそ普通に麺を打つ。
「ちい、小癪な!なら、直接殺してやるよ!」
チュウは麺をゆで始め、その空いた僅かな時間にタオローに迫る。手に調理器具や包丁が展開したままで。
しかし、タオローも菜箸、包丁で受け止め、反撃で浅い傷をつけながら、調理は進む。
「ならこれで、貴様を刀削麺にしてやる!」
チュウのふくらはぎから中華包丁が展開し、タオローに迫る。チュウ必殺の刀削脚である。これで、刀削麺は勿論、邪魔をする幾多の料理人を血の海に沈めてきたのだ。
だが、タオローは目を見開くと、
「料理人が足を使うとは何事だぁーーーー!!」
「ぐはぁっ!」
タオローが裂帛の気合と共に繰り出した拳がチュウの鳩尾にめり込み、そのまま自分の調理スペースまで吹っ飛ぶ。
「ぐううぅぅ…。」
よろめきながら立ち上がり反撃を考えるも、麺上げの時間でもあるのでそのまま調理を再開する。
「…時間よ、できた方から提出しなさい。」
先に出したのはコン・タオロー。三人は一言も喋らずに熱いうちに平らげる。
「見事な麺だ。風味、喉越し申し分無い。」
「スープも、コクがありながらすっきりしているわね。」
「うん、チャーシューもとろけるようで、メンマはシャキシャキと心地いい。」
「「ごちそうさまでした!」」
「…まいど。」
高評価に面白くないチュウ・シャオヤンがドン!とドンブリを出す。
「さあ、食って見やがれ、この『老麺太后』と呼ばれたアタシのラーメンを!」
白湯仕立てのスープにチャーシュー、メンマ、煮玉子、ネギ等を色鮮やかに乗せた一杯。…だが、二人は口を付けず、只一人、葱太のみが一気に食べる。
「な!何故アタシのを食べない!?」
「…あなたのラーメンは食べるに値しない。」
「最初に俺は言ったよな?毒は無駄だと。ホレ、見るがいい。」
指差す方向には葱太が…筋肉が盛り上がり、口は裂け牙が生えそろう。『ヘルゴニア』へ変身していた。
「ば、馬鹿な!アタシは何も…。」
「あなたの腕に滴る液体は何かしら?即効性のシビレ薬って所かしらね。」
「そ、そんな!エマージェンシーは出ていな…はっ!お前か!」
驚きのチュウを涼しい顔で見ながらタオローは言う。
「お前が仕掛けて来たときに、回路の幾つか…特にセキュリティー廻りは潰しておいた。その上で、常套手段のシビレ薬を少量ずつ液モレをおこすようにしておいたのさ。」
「くそ!卑怯者が!」
どっちが…と観客がツッコミを入れたくなるその時、獣の咆哮が轟いた。
「グウウ…餓ァァァァ!!」
「や、止めろ、ギャアァァァァ!」
チュウに飛び掛るヘルゴニアはサイバーアームすらものともせず引き千切り、噛み付き、砕く。
「あ~あ、だから言ったのによ。この公衆の面前だ、あいつの料理人生命は終わったな。…さて、どうするモーラ?」
「どうすると言ったって、ああなったら、とにかく腹一杯食べるか、満足できる料理を食べるしかないけど…。」
「では、少々手荒にやってもいいか?」
タオローが新たなドンブリを持って横に立っていた。
「ああ、良いぜ。多少の事じゃ死にはしない。」
「ちょっとフリッツ、葱太が聞いたら怒るわよ。でも、どうするの?」
「こうする!」
ヘルゴニアに向かってタオローが跳ぶ、スープを一滴もこぼさずに。
「さぁ、少々きついが俺の『紫電麺』を喰らえ!」
ヘルゴニアが振り向いた時、ドンブリは眼前にあり…そのまま顔を突っ込んだ。
そして、電撃を喰らった様に一瞬、ビクッと痙攣するとそのまま倒れこむ。
「手加減はしておいた。そのうちに気がつくだろう…。」
そのままタオローは店に入り、一体のガイノイドの首を持って、裏口から闇夜の街に消えていった。
「なんつーか、美味かったのか、単なる電撃かわからんな…。」
「まぁ、被害が無くて良かったわ。さあフリッツ、葱太を運んで、撤収しましょう。」
まばらになってゆく人ごみの中、ボロボロのチュウ・シャオヤンは忘れられたままだった…合掌。
さて、一方、タオローは廃墟の中、ルイリーの魂魄を統合していた。やがてPDAが終了のダイアログを表示する。
「…ルイリー…分かるか?俺だコン・タオローだ…。」
タオローは祈るようにガイノイドの、ルイリーの顔を見る。やがてたどたどしく口を開き
「あ…に…さ…ま?…あー、あにさまだぁ。」
満面の笑顔を見せる。タオローは手に力が入り
「痛いよ、あにさま。あー、あにさまへんなお顔してるー。」
ルイリーがまた笑う。タオローは思った
(か、かわええ…。やっぱりルイリーはこのぐらいがいいなぁ…)
普段のタオローがけして見せないぐらい惚けて鼻の下が伸びていた…真性の『シスコン』で『ロリコン』であった。
ここはアーカムシティー、『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代。』どんな性癖の料理人であろうとも受け入れる街…。 (第三話 了)
なんとか、第三話終了です…やっぱり長くなったなぁ…バトルシーンって難しいですよ(汗
…いや、その前に何故か(?)タオローが壊れましたが…(滝汗 …まぁ、いいか(いいのか?
では、皆様の感想お待ちしてますm(_ _)m
『老麺太后』チュウ・シャオヤンと『紫電麺』コン・タオローが直接、味勝負をしているのだ。しかも、双方妨害ありのまさにデスマッチである。
「…五手までは待ってやる。来るがいい…。」
「舐めるなぁー!」
早速、チュウの手から弾丸のような速度で菜箸が飛ぶ。
が、しかし、タオローは苦も無くこちらも菜箸で摘み取る。
「ふん、遅いな。」
「くぅぅっ!」
歯軋りするチュウは、今打っていた麺に凝固剤を混入して、引き伸ばし…伸ばした麺を捩ると、まるで鞭のように振り回し、タオローに襲いかかる。
タオローは上体だけでかわすが、その先の湯のたっぷり入った寸胴鍋を吹っ飛ばした。
「あぶねぇ!」
あわや周囲の観客に熱湯が浴びせかけられる寸前、飛び出したフリッツががっちりキャッチ。しっかり手には鍋つかみをはめて。
「ふぅ、あぶねぇなぁ、まったく青雲飯店ってのは物騒だねぇ。おい!観客はこっちでキッチリ守ってやるから調理に専念していいぜ。」
やっている事とはうらはらにフリッツは軽い口調で言う。
「それは、ありがたい。」
タオローは続けざまに来る三、四撃目をかわしながら口元を緩める。
「チッ、余計な真似を…まぁいいさ、これでどうだ!!」
チュウの麺鞭に先ほどの攻撃で包丁、鉄串などが纏わり付いている、そしてついに鞭の先端が音速を超えた。
「死ねぇ!!」
「ふん!これで五手!今度はこちらから行くぞ!」
タオローに向かって飛んでくる鞭を地面を蹴ってよけると手にした包丁で麺鞭を切断、切った先をそのまま掴むとチュウに向け投げ返す。チュウは手元に残った麺鞭で飛んできた先の部分を受け止めるとそのままゴミ箱に捨て、今度こそ普通に麺を打つ。
「ちい、小癪な!なら、直接殺してやるよ!」
チュウは麺をゆで始め、その空いた僅かな時間にタオローに迫る。手に調理器具や包丁が展開したままで。
しかし、タオローも菜箸、包丁で受け止め、反撃で浅い傷をつけながら、調理は進む。
「ならこれで、貴様を刀削麺にしてやる!」
チュウのふくらはぎから中華包丁が展開し、タオローに迫る。チュウ必殺の刀削脚である。これで、刀削麺は勿論、邪魔をする幾多の料理人を血の海に沈めてきたのだ。
だが、タオローは目を見開くと、
「料理人が足を使うとは何事だぁーーーー!!」
「ぐはぁっ!」
タオローが裂帛の気合と共に繰り出した拳がチュウの鳩尾にめり込み、そのまま自分の調理スペースまで吹っ飛ぶ。
「ぐううぅぅ…。」
よろめきながら立ち上がり反撃を考えるも、麺上げの時間でもあるのでそのまま調理を再開する。
「…時間よ、できた方から提出しなさい。」
先に出したのはコン・タオロー。三人は一言も喋らずに熱いうちに平らげる。
「見事な麺だ。風味、喉越し申し分無い。」
「スープも、コクがありながらすっきりしているわね。」
「うん、チャーシューもとろけるようで、メンマはシャキシャキと心地いい。」
「「ごちそうさまでした!」」
「…まいど。」
高評価に面白くないチュウ・シャオヤンがドン!とドンブリを出す。
「さあ、食って見やがれ、この『老麺太后』と呼ばれたアタシのラーメンを!」
白湯仕立てのスープにチャーシュー、メンマ、煮玉子、ネギ等を色鮮やかに乗せた一杯。…だが、二人は口を付けず、只一人、葱太のみが一気に食べる。
「な!何故アタシのを食べない!?」
「…あなたのラーメンは食べるに値しない。」
「最初に俺は言ったよな?毒は無駄だと。ホレ、見るがいい。」
指差す方向には葱太が…筋肉が盛り上がり、口は裂け牙が生えそろう。『ヘルゴニア』へ変身していた。
「ば、馬鹿な!アタシは何も…。」
「あなたの腕に滴る液体は何かしら?即効性のシビレ薬って所かしらね。」
「そ、そんな!エマージェンシーは出ていな…はっ!お前か!」
驚きのチュウを涼しい顔で見ながらタオローは言う。
「お前が仕掛けて来たときに、回路の幾つか…特にセキュリティー廻りは潰しておいた。その上で、常套手段のシビレ薬を少量ずつ液モレをおこすようにしておいたのさ。」
「くそ!卑怯者が!」
どっちが…と観客がツッコミを入れたくなるその時、獣の咆哮が轟いた。
「グウウ…餓ァァァァ!!」
「や、止めろ、ギャアァァァァ!」
チュウに飛び掛るヘルゴニアはサイバーアームすらものともせず引き千切り、噛み付き、砕く。
「あ~あ、だから言ったのによ。この公衆の面前だ、あいつの料理人生命は終わったな。…さて、どうするモーラ?」
「どうすると言ったって、ああなったら、とにかく腹一杯食べるか、満足できる料理を食べるしかないけど…。」
「では、少々手荒にやってもいいか?」
タオローが新たなドンブリを持って横に立っていた。
「ああ、良いぜ。多少の事じゃ死にはしない。」
「ちょっとフリッツ、葱太が聞いたら怒るわよ。でも、どうするの?」
「こうする!」
ヘルゴニアに向かってタオローが跳ぶ、スープを一滴もこぼさずに。
「さぁ、少々きついが俺の『紫電麺』を喰らえ!」
ヘルゴニアが振り向いた時、ドンブリは眼前にあり…そのまま顔を突っ込んだ。
そして、電撃を喰らった様に一瞬、ビクッと痙攣するとそのまま倒れこむ。
「手加減はしておいた。そのうちに気がつくだろう…。」
そのままタオローは店に入り、一体のガイノイドの首を持って、裏口から闇夜の街に消えていった。
「なんつーか、美味かったのか、単なる電撃かわからんな…。」
「まぁ、被害が無くて良かったわ。さあフリッツ、葱太を運んで、撤収しましょう。」
まばらになってゆく人ごみの中、ボロボロのチュウ・シャオヤンは忘れられたままだった…合掌。
さて、一方、タオローは廃墟の中、ルイリーの魂魄を統合していた。やがてPDAが終了のダイアログを表示する。
「…ルイリー…分かるか?俺だコン・タオローだ…。」
タオローは祈るようにガイノイドの、ルイリーの顔を見る。やがてたどたどしく口を開き
「あ…に…さ…ま?…あー、あにさまだぁ。」
満面の笑顔を見せる。タオローは手に力が入り
「痛いよ、あにさま。あー、あにさまへんなお顔してるー。」
ルイリーがまた笑う。タオローは思った
(か、かわええ…。やっぱりルイリーはこのぐらいがいいなぁ…)
普段のタオローがけして見せないぐらい惚けて鼻の下が伸びていた…真性の『シスコン』で『ロリコン』であった。
ここはアーカムシティー、『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代。』どんな性癖の料理人であろうとも受け入れる街…。 (第三話 了)
なんとか、第三話終了です…やっぱり長くなったなぁ…バトルシーンって難しいですよ(汗
…いや、その前に何故か(?)タオローが壊れましたが…(滝汗 …まぁ、いいか(いいのか?
では、皆様の感想お待ちしてますm(_ _)m
SS『鬼哭麺』第三話 「老麺太后」中篇
アーカムシティー。昔は片田舎の小さな町でしかなかったが、『食の冒険家』覇道鋼造により、近郊のインスマウスの漁港の整備、ホテル建設、料理人の優遇政策などで一大美食都市へと変貌していった。
そして現在、覇道財閥は実質この街を支配しているのだが、過激な料理人が跋扈するという現状に頭を痛める結果になってもいる。
「お嬢様、こちらが昨日の料理人同士の諍いによる被害報告でございます。」
「ふう、毎日よくやるわね、まったく。何の為に大十字さんにお爺様の『レモンパイン』の店長をまかせているのか…。」
「失礼ながらお嬢様、大十字様は良くやっているとは思います。『調理指南書(レシピ)』の入手に成功し、修行期間無しにも関わらず、『ブラックリッチ』グループの『メタルバー デストロイ』の出店阻止を何度も成功させています。」
「それはわかっています!しかし、いくらあの生意気なレシピ娘『アル・味フ』が優秀でも、敵は『アンナクロース』まで出て来ているのですよ。」
「確かに大十字様は『魔調理士(コック)』としては未だ未熟。アンナクロースは各店舗に鳥料理、海鮮料理、日本料理等の専門店長を配置しております。大十字様の技術の向上は急務かと…。」
コンコン
話の途中で執務室の扉がノックされる。
「失礼します、お嬢様。ツェ・イーター様がお嬢様に面会を希望されております。」
「…ツェ・イーター氏が?…分かりました稲田、客間にお通ししなさい。すぐに参ります。」
「分かりましたお嬢様。」
扉が閉じられる。
「ツェ・イーター様といえば、大旦那様の旧知のお方でしたね。このアーカムシティーの発展に幾つか関わっているという。」
「ええ、それだけに無碍には扱えないのですけども…。」
「とにかく、客間に参りましょう。」
「そうですね。」
そして、執務室から出て移動する覇道瑠璃とウインフィールド。客間には既に、ツェ・イーターが待っていた。
「やぁやぁ、お嬢様、あいかわらずお美しい。」
「お世辞はいりません。用件は何ですか?」
「はは、これは失礼。実は…以前から依頼されておりました計画とその人員についてまとまりましたので報告に。これで、『レモンパイン』は『ブラックリッチ』に専念できる…かと。」
「それは、大旦那様からの計画ですか?」
「その通り。鋼造氏は今の現状を予見しておりましてな。その為に私にこの計画を託していたのです。」
報告書をめくりながら覇道瑠璃は口を開く。
「分かりました、ツェ・イーターさん。この計画、覇道が責任をもって実行します。ご苦労でした。」
「いえ、では私は失礼します。…おぉ、そうだ、そちらの店長、もしなんでしたら、私の知り合いに師事されては?まぁ、気難しい男ですが腕は一流です。」
「そちらも、分かりました。その時はこちらから連絡を差し上げます。」
恭しく一礼をするとツェは部屋を出て行く。
「ウインフィールド、この計画をなるべく優先して実行して下さい。方法は任せます。」
「畏まりまして御座います。」
一方、アーカムシティーの繁華街の一画、『星雲飯店 アーカム四号店』に一台の屋台がたどたどしいチャルメラの音と共に近づく。
チャラ ラ~~ラ、ラ…チャラ チャララ…ラ~♪
そして、店の入り口近くに止めると、『設営術』で軽やかに開店準備を始める。
開店準備が完了し、いざ開店となる所に鋭い声がかかる。
「其処までだ!コン・タオロー!」
店の入り口から出てきたのは『老麺太后』チュウ・シャオヤンであった。
「ジャンの店を潰したのは貴様だね?アタシはまどろっこしいマネは嫌いでねぇ…今すぐ『喰わせもん』で勝負だ!」
「ふん、手間が省けたな。俺はかまわんぞ。」
「その勝負、待った!」
観衆が集まり、期待が高まる中、唐突に割ってはいる声。それは、先日からこの街に入ってきた『美食(グルメ)ハンター』の三人組であった。
「まぁ、二人とも待ちな。星雲飯店の喰わせもんの噂は知ってるんだが、何でも最近は毒入りって言うじゃないか?」
「だから、私たちが美食(グルメ)ハンターの名において、公平に審判をする、と言うのはどうかしら?」
イキナリ部外者がしゃしゃり出て面白くないチュウは怒鳴り散らす。
「はぁ、グルメハンターだぁ?審判?そんなもの奴のような営業妨害を平気でするような外道が毒入りを食わすだけだ!死にたくなければすっこんでな!」
「ふん、外道で結構だ。観衆も集まった事だし、俺はかまわんぞ?」
「な!」
「O,K,兄さんの方が肝が据わってるな、因みに毒云々は大丈夫だ。コイツが毒入りや不味い料理を口にすると、『ヘルゴニア』になって料理人を半殺しにするだけだ。それに、あんたらの流儀にそって、調理中でも妨害有りでどうだ?」
「フリッツ…嫌な紹介をするなよ…。」
珍妙なやり取りをする三人組だが、観衆が集まる中、後には引けなくなったチュウは舌打ちしながら、
「チッ!しょうがないねぇ、受けてやるよ。ただし、アタシが勝ったら、貴様の首を貰う。」
「良いだろう。だが、俺が勝てば…お前の首などどうでもいい、お前の所有するガイノイドを貰う。」
「やはり“ソレ”が目的か。…まぁ、いい、なら今すぐ勝負だ。」
いつの間にやら、チュウの側にも屋外用の調理器具が並び、大鍋にお湯がグラグラ煮立っていた。
「それでは両者、制限時間は一時間。調理を開始しなさい。」
ゴウゥゥゥゥゥン……ガゴッガッグギャ……
小柄な少女が似つかわしくない巨大なハンマーで銅鑼を打つ…台座ごと吹っ飛んでいったが…ともかく、勝負は始まったのである。 (第三話後編に続く)
そして現在、覇道財閥は実質この街を支配しているのだが、過激な料理人が跋扈するという現状に頭を痛める結果になってもいる。
「お嬢様、こちらが昨日の料理人同士の諍いによる被害報告でございます。」
「ふう、毎日よくやるわね、まったく。何の為に大十字さんにお爺様の『レモンパイン』の店長をまかせているのか…。」
「失礼ながらお嬢様、大十字様は良くやっているとは思います。『調理指南書(レシピ)』の入手に成功し、修行期間無しにも関わらず、『ブラックリッチ』グループの『メタルバー デストロイ』の出店阻止を何度も成功させています。」
「それはわかっています!しかし、いくらあの生意気なレシピ娘『アル・味フ』が優秀でも、敵は『アンナクロース』まで出て来ているのですよ。」
「確かに大十字様は『魔調理士(コック)』としては未だ未熟。アンナクロースは各店舗に鳥料理、海鮮料理、日本料理等の専門店長を配置しております。大十字様の技術の向上は急務かと…。」
コンコン
話の途中で執務室の扉がノックされる。
「失礼します、お嬢様。ツェ・イーター様がお嬢様に面会を希望されております。」
「…ツェ・イーター氏が?…分かりました稲田、客間にお通ししなさい。すぐに参ります。」
「分かりましたお嬢様。」
扉が閉じられる。
「ツェ・イーター様といえば、大旦那様の旧知のお方でしたね。このアーカムシティーの発展に幾つか関わっているという。」
「ええ、それだけに無碍には扱えないのですけども…。」
「とにかく、客間に参りましょう。」
「そうですね。」
そして、執務室から出て移動する覇道瑠璃とウインフィールド。客間には既に、ツェ・イーターが待っていた。
「やぁやぁ、お嬢様、あいかわらずお美しい。」
「お世辞はいりません。用件は何ですか?」
「はは、これは失礼。実は…以前から依頼されておりました計画とその人員についてまとまりましたので報告に。これで、『レモンパイン』は『ブラックリッチ』に専念できる…かと。」
「それは、大旦那様からの計画ですか?」
「その通り。鋼造氏は今の現状を予見しておりましてな。その為に私にこの計画を託していたのです。」
報告書をめくりながら覇道瑠璃は口を開く。
「分かりました、ツェ・イーターさん。この計画、覇道が責任をもって実行します。ご苦労でした。」
「いえ、では私は失礼します。…おぉ、そうだ、そちらの店長、もしなんでしたら、私の知り合いに師事されては?まぁ、気難しい男ですが腕は一流です。」
「そちらも、分かりました。その時はこちらから連絡を差し上げます。」
恭しく一礼をするとツェは部屋を出て行く。
「ウインフィールド、この計画をなるべく優先して実行して下さい。方法は任せます。」
「畏まりまして御座います。」
一方、アーカムシティーの繁華街の一画、『星雲飯店 アーカム四号店』に一台の屋台がたどたどしいチャルメラの音と共に近づく。
チャラ ラ~~ラ、ラ…チャラ チャララ…ラ~♪
そして、店の入り口近くに止めると、『設営術』で軽やかに開店準備を始める。
開店準備が完了し、いざ開店となる所に鋭い声がかかる。
「其処までだ!コン・タオロー!」
店の入り口から出てきたのは『老麺太后』チュウ・シャオヤンであった。
「ジャンの店を潰したのは貴様だね?アタシはまどろっこしいマネは嫌いでねぇ…今すぐ『喰わせもん』で勝負だ!」
「ふん、手間が省けたな。俺はかまわんぞ。」
「その勝負、待った!」
観衆が集まり、期待が高まる中、唐突に割ってはいる声。それは、先日からこの街に入ってきた『美食(グルメ)ハンター』の三人組であった。
「まぁ、二人とも待ちな。星雲飯店の喰わせもんの噂は知ってるんだが、何でも最近は毒入りって言うじゃないか?」
「だから、私たちが美食(グルメ)ハンターの名において、公平に審判をする、と言うのはどうかしら?」
イキナリ部外者がしゃしゃり出て面白くないチュウは怒鳴り散らす。
「はぁ、グルメハンターだぁ?審判?そんなもの奴のような営業妨害を平気でするような外道が毒入りを食わすだけだ!死にたくなければすっこんでな!」
「ふん、外道で結構だ。観衆も集まった事だし、俺はかまわんぞ?」
「な!」
「O,K,兄さんの方が肝が据わってるな、因みに毒云々は大丈夫だ。コイツが毒入りや不味い料理を口にすると、『ヘルゴニア』になって料理人を半殺しにするだけだ。それに、あんたらの流儀にそって、調理中でも妨害有りでどうだ?」
「フリッツ…嫌な紹介をするなよ…。」
珍妙なやり取りをする三人組だが、観衆が集まる中、後には引けなくなったチュウは舌打ちしながら、
「チッ!しょうがないねぇ、受けてやるよ。ただし、アタシが勝ったら、貴様の首を貰う。」
「良いだろう。だが、俺が勝てば…お前の首などどうでもいい、お前の所有するガイノイドを貰う。」
「やはり“ソレ”が目的か。…まぁ、いい、なら今すぐ勝負だ。」
いつの間にやら、チュウの側にも屋外用の調理器具が並び、大鍋にお湯がグラグラ煮立っていた。
「それでは両者、制限時間は一時間。調理を開始しなさい。」
ゴウゥゥゥゥゥン……ガゴッガッグギャ……
小柄な少女が似つかわしくない巨大なハンマーで銅鑼を打つ…台座ごと吹っ飛んでいったが…ともかく、勝負は始まったのである。 (第三話後編に続く)
SS『鬼哭麺』第三話 「老麺太后」前編
『上海食品公司』表向きは高級食材、厨房機器を中心に扱う総合商社。しかし裏では、代替食品(人工イクラや、カニかまぼこ等)開発や、サイバネ料理人の調理器具内臓型サイバーアーム等をも扱っている。『高級中華を安価で提供』を掲げる青雲飯店を裏で支えるといってもよい複合商社である。
アーカムシティーの一角、高層ビルが立ち並ぶ商社地区の中に『上海食品公司アーカム支社』もある。その最上階に位置する社長室に4人の青雲飯店店主が揃い踏みしていた。
「『炒飯六臂』がやられた。しかも屋台相手に営業妨害に腹を立て、『喰わせもん』を挑んで負けたそうだ。」
『喰わせもん』青雲飯店で料理人同士のトラブルがあった場合に使われる解決法。互いに得意料理を“無理にでも相手に食べさせ、味で納得させる”。「勝敗は当人同士のプライド。…というのは昔の話。実の所、現在ではサイバネ料理人の多くは“毒入り料理”で相手を倒す事が多い危険な勝負法。
「おい!喰わせもんは、ジャンの奴の得意とする所だろう?どう言う事なんだよ!」
「落ち着け、チュウ。観衆の見た所では、ジャンの炒飯はまったく喰わせられず、相手の麺を一口喰わせられただけで電撃に撃たれたように崩れたそうだ。…後で調べた所、実際に電子回路や部品が焼き切れていたそうだ…。」
「待て、…麺一口でそんな芸当が出来るのは…。」
「ああ、『百麺手』のビンの言う通り…コン・タオローが帰ってきた…と、見て間違いあるまい。」
「コンの野郎はリュウ!あんたが一年前に殺したはずだろう?」
チュウ・シャオヤンの怒声に首を竦めながらあっさりと答える。
「この私も人間だ。仕損じた…という事だろう。それよりも、プライドを尊ぶ内家料理人のコン・タオローが、何の躊躇も無く、営業妨害もどきの屋台や、相手を殺すほどの電撃を纏わせた紫電麺とは…奴は『麺鬼』と化した…と見てよいだろうよ…。」
「はっ!くだらないねぇ、速度と味はともかく盛り付けは二流だったジャンが負けようがどうでもいいが、外家料理人がなめられたのは、気に入らない!うちに来たら奴を肉麺にしてやるさ!」
クルリと踵を返すと、チュウはそのまま部屋を出て行く。
「兎も角、警戒するに越したことは無い。私も奴らを呼び寄せる事としよう。では、失礼する。」
ビン・ワイソンも立ち去り、上海食品公司の社長兼三号店店長『網絡調理』ン・ウィンシンは隣のリュウ・ホージュンに訊ねる。
「たかが死にぞこないの料理人一人に大げさなこったな。そこまで凄いもんなのか?」
「料理人ではないお前には分からんのも無理は無いが、外家のサイバネ料理人が、“内家のただの生身の料理人に屈した”という事実が許せないのさ。」
「はっ、俺には分からんね。わが社の低コストの代替食品に全自動化された調理器具が有れば素人だって出店できるぜ?」
「…まぁ、期待している。では、俺も失礼する。」
上海食品公司のビルの最上階でこのような密談が行われている事を知らずに、今日もアーカムシティーの繁華街は賑わっていた。
そんな賑わいの中、少々不釣合いな一台の軍用車“ハマー”が止まる。中からこれまた、統一性の無い三人組が出てくる。一人は大男、一人は喪服の少女、そしてもう一人は学生と見て取れる男。
「ようやく着いたぜ。で、本当にこの街に連中がいるんだろうなぁ。」
「それは間違いないと思うわ。リァノーンに噛まれた惣太もここだと言っているし。」
「夢の話だぞ。だとしてもだ、本当に『美食の女王』リァノーンを滅ぼせば、俺はグルメヴァンプ(給食鬼)化せずに元の体に戻れるんだろうなぁ。」
「ええ、まだ完全に給食鬼化していない今のうちなら大丈夫…とは言っても時間に余裕があるわけでもないけど。」
「そうか、…それはいいけど、腹減ったなぁ…。」
「おい惣太、こんな繁華街でヘルゴニアになるなよ!食い散らかして弁償するのは俺たちなんだからなぁ。」
「分かってるさ、フリッツ。…だから、先ずは腹ごしらえしないか?」
「まぁ、しょうがないわね。それに、『美食倶楽部 イノヴェルチ』の情報を得るついでに、『美食(グルメ)ハンター』の仕事もしておきたいし。」
『美食(グルメ)ハンター』美味い店を探し出し、記事をグルメ雑誌等に売り込む者達。自らの舌を絶対とし、短時間での店の梯子をも厭わない強靭な精神と肉体と“胃”を持つものだけに許された職業である。
「分かったよモーラ。で、先ずはどこの店から始める?」
「ここは食の街よ、ハズレは無いと思うけど、…じゃあ、あの店から行きましょうか。」
三人組は手近な店へと消えていく。ここはアーカムシティー。『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代』食を求める、あらゆる人種をも受け入れる街…。 (第三話中編に続く)
アーカムシティーの一角、高層ビルが立ち並ぶ商社地区の中に『上海食品公司アーカム支社』もある。その最上階に位置する社長室に4人の青雲飯店店主が揃い踏みしていた。
「『炒飯六臂』がやられた。しかも屋台相手に営業妨害に腹を立て、『喰わせもん』を挑んで負けたそうだ。」
『喰わせもん』青雲飯店で料理人同士のトラブルがあった場合に使われる解決法。互いに得意料理を“無理にでも相手に食べさせ、味で納得させる”。「勝敗は当人同士のプライド。…というのは昔の話。実の所、現在ではサイバネ料理人の多くは“毒入り料理”で相手を倒す事が多い危険な勝負法。
「おい!喰わせもんは、ジャンの奴の得意とする所だろう?どう言う事なんだよ!」
「落ち着け、チュウ。観衆の見た所では、ジャンの炒飯はまったく喰わせられず、相手の麺を一口喰わせられただけで電撃に撃たれたように崩れたそうだ。…後で調べた所、実際に電子回路や部品が焼き切れていたそうだ…。」
「待て、…麺一口でそんな芸当が出来るのは…。」
「ああ、『百麺手』のビンの言う通り…コン・タオローが帰ってきた…と、見て間違いあるまい。」
「コンの野郎はリュウ!あんたが一年前に殺したはずだろう?」
チュウ・シャオヤンの怒声に首を竦めながらあっさりと答える。
「この私も人間だ。仕損じた…という事だろう。それよりも、プライドを尊ぶ内家料理人のコン・タオローが、何の躊躇も無く、営業妨害もどきの屋台や、相手を殺すほどの電撃を纏わせた紫電麺とは…奴は『麺鬼』と化した…と見てよいだろうよ…。」
「はっ!くだらないねぇ、速度と味はともかく盛り付けは二流だったジャンが負けようがどうでもいいが、外家料理人がなめられたのは、気に入らない!うちに来たら奴を肉麺にしてやるさ!」
クルリと踵を返すと、チュウはそのまま部屋を出て行く。
「兎も角、警戒するに越したことは無い。私も奴らを呼び寄せる事としよう。では、失礼する。」
ビン・ワイソンも立ち去り、上海食品公司の社長兼三号店店長『網絡調理』ン・ウィンシンは隣のリュウ・ホージュンに訊ねる。
「たかが死にぞこないの料理人一人に大げさなこったな。そこまで凄いもんなのか?」
「料理人ではないお前には分からんのも無理は無いが、外家のサイバネ料理人が、“内家のただの生身の料理人に屈した”という事実が許せないのさ。」
「はっ、俺には分からんね。わが社の低コストの代替食品に全自動化された調理器具が有れば素人だって出店できるぜ?」
「…まぁ、期待している。では、俺も失礼する。」
上海食品公司のビルの最上階でこのような密談が行われている事を知らずに、今日もアーカムシティーの繁華街は賑わっていた。
そんな賑わいの中、少々不釣合いな一台の軍用車“ハマー”が止まる。中からこれまた、統一性の無い三人組が出てくる。一人は大男、一人は喪服の少女、そしてもう一人は学生と見て取れる男。
「ようやく着いたぜ。で、本当にこの街に連中がいるんだろうなぁ。」
「それは間違いないと思うわ。リァノーンに噛まれた惣太もここだと言っているし。」
「夢の話だぞ。だとしてもだ、本当に『美食の女王』リァノーンを滅ぼせば、俺はグルメヴァンプ(給食鬼)化せずに元の体に戻れるんだろうなぁ。」
「ええ、まだ完全に給食鬼化していない今のうちなら大丈夫…とは言っても時間に余裕があるわけでもないけど。」
「そうか、…それはいいけど、腹減ったなぁ…。」
「おい惣太、こんな繁華街でヘルゴニアになるなよ!食い散らかして弁償するのは俺たちなんだからなぁ。」
「分かってるさ、フリッツ。…だから、先ずは腹ごしらえしないか?」
「まぁ、しょうがないわね。それに、『美食倶楽部 イノヴェルチ』の情報を得るついでに、『美食(グルメ)ハンター』の仕事もしておきたいし。」
『美食(グルメ)ハンター』美味い店を探し出し、記事をグルメ雑誌等に売り込む者達。自らの舌を絶対とし、短時間での店の梯子をも厭わない強靭な精神と肉体と“胃”を持つものだけに許された職業である。
「分かったよモーラ。で、先ずはどこの店から始める?」
「ここは食の街よ、ハズレは無いと思うけど、…じゃあ、あの店から行きましょうか。」
三人組は手近な店へと消えていく。ここはアーカムシティー。『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代』食を求める、あらゆる人種をも受け入れる街…。 (第三話中編に続く)
はばないすぶれいく。つーか、狗でございます。
雷「昨日はリアルの友人と夜遅くカラオケしてたのでSSはお休みです。」
ほ「それはいいけどさ、その後ろの袋は何だ?」
み「え~っと。」(ゴソゴソ)
雷「!!!…いつの間に…(汗」
昨日の収穫物。
。
ほ「…エロコミばっかり買ってんなー!(><#」
み「…店長…おっきいのからちっちゃいのまで、相変わらず節操が無いですねぇ…(^^;」
雷「…え~っと…否定はしません、つーか、エロコミ歴が長いんで、ある程度はO,K,です。」
ほ「自慢にならんだろうが…って、待て…これは…(--;」
み「うわ~い、『咎狗の血』買ってるよ~。(@_@;;」
雷「今更、何を言われても動じんぞ。以前から告知済みだからね。とりあえず、インスコしてOPムービーまで見たけど出だしはニトロ臭いです。この後は、プレイしてからにするけど。」
み「まぁ、良いです。店長の壊れっぷりに驚いてるとこっちの身が持たないから…(^^; 次行きます。」
ほ「『鬼哭麺』についてだな。」
●こーみんさん
>パンのブレッド(スペルが)と銃弾のブレッド(だからスペルが)をかけてパン屋ですか。
雷「ぴんぽ~ん。そのまんまです。脳内暴走中に付きヒネリが有りません(笑
>で、実は二丁拳銃やってないんですがネタばれが少々含まれてたりしますか?
雷「ちょびっとだけ含まれていますが…、あんまり問題にならない程度の…筈?」
●タタリの夜さん
>「儀式」済みの包丁なんて使うなよ!
雷「きっと、使う前には洗ってる…筈(汗 いや、SSの設定だと、小巻や風子が一斉親父を毛嫌いする理由が弱くなっちゃったんで追加しました。」
ほ「駄目じゃん…(--;」
>やたらとエロい手つきで寿司を握る新沼さんが見てみたいなぁ。もちろん普通の客ならドン引きになるようなエロトークをしっぱなし?
雷「きっとその通り(笑 で、そんなコアなお客が集まって以外に儲かってたり(ぉ ちなみにイメージは『シュラトOVA』のレイガさん。」
み「いや、店長。コアなネタは身を滅ぼしますよ(^^;」
●撃墜王さん
>むしろ激しく期待しますがナニか(笑)
>第2話に続き、外伝第1話。やっぱ色んなニトロキャラの登場する話見たいでつし、もーこのまま妄想に任せて書くしかっ!
雷「その他、期待されているコメントが多いので、3月は『鬼哭麺』月間の方向でよろしくです。」
ほ「見事に自分の言葉で墓穴掘ったな(^^)」
雷「うっさい!」
雷「…とか良いながら、明日の更新は期待できませんが…。」
み「本当に強化月間なんですか…(^^;」
雷「つーか、第三話以降、一話辺り、前中後編でも収まらなくなるかも…(汗」
ほ「おいおい(--; ま、勝手にやりやがれ。オレ達は楽できるしな。」
み「でも、出番が減るのもねぇ…。まぁ、あとは店長に任せますので。では、今日はこの辺で。」
かおるんるん。
ほ「それはいいけどさ、その後ろの袋は何だ?」
み「え~っと。」(ゴソゴソ)
雷「!!!…いつの間に…(汗」
昨日の収穫物。
。
ほ「…エロコミばっかり買ってんなー!(><#」
み「…店長…おっきいのからちっちゃいのまで、相変わらず節操が無いですねぇ…(^^;」
雷「…え~っと…否定はしません、つーか、エロコミ歴が長いんで、ある程度はO,K,です。」
ほ「自慢にならんだろうが…って、待て…これは…(--;」
み「うわ~い、『咎狗の血』買ってるよ~。(@_@;;」
雷「今更、何を言われても動じんぞ。以前から告知済みだからね。とりあえず、インスコしてOPムービーまで見たけど出だしはニトロ臭いです。この後は、プレイしてからにするけど。」
み「まぁ、良いです。店長の壊れっぷりに驚いてるとこっちの身が持たないから…(^^; 次行きます。」
ほ「『鬼哭麺』についてだな。」
●こーみんさん
>パンのブレッド(スペルが)と銃弾のブレッド(だからスペルが)をかけてパン屋ですか。
雷「ぴんぽ~ん。そのまんまです。脳内暴走中に付きヒネリが有りません(笑
>で、実は二丁拳銃やってないんですがネタばれが少々含まれてたりしますか?
雷「ちょびっとだけ含まれていますが…、あんまり問題にならない程度の…筈?」
●タタリの夜さん
>「儀式」済みの包丁なんて使うなよ!
雷「きっと、使う前には洗ってる…筈(汗 いや、SSの設定だと、小巻や風子が一斉親父を毛嫌いする理由が弱くなっちゃったんで追加しました。」
ほ「駄目じゃん…(--;」
>やたらとエロい手つきで寿司を握る新沼さんが見てみたいなぁ。もちろん普通の客ならドン引きになるようなエロトークをしっぱなし?
雷「きっとその通り(笑 で、そんなコアなお客が集まって以外に儲かってたり(ぉ ちなみにイメージは『シュラトOVA』のレイガさん。」
み「いや、店長。コアなネタは身を滅ぼしますよ(^^;」
●撃墜王さん
>むしろ激しく期待しますがナニか(笑)
>第2話に続き、外伝第1話。やっぱ色んなニトロキャラの登場する話見たいでつし、もーこのまま妄想に任せて書くしかっ!
雷「その他、期待されているコメントが多いので、3月は『鬼哭麺』月間の方向でよろしくです。」
ほ「見事に自分の言葉で墓穴掘ったな(^^)」
雷「うっさい!」
雷「…とか良いながら、明日の更新は期待できませんが…。」
み「本当に強化月間なんですか…(^^;」
雷「つーか、第三話以降、一話辺り、前中後編でも収まらなくなるかも…(汗」
ほ「おいおい(--; ま、勝手にやりやがれ。オレ達は楽できるしな。」
み「でも、出番が減るのもねぇ…。まぁ、あとは店長に任せますので。では、今日はこの辺で。」
かおるんるん。
SS『鬼哭麺 外伝』第一話 「天使のパン屋」
「ありがとうございましたー。」
アーカムシティーに朝がくる。繁華街から少し離れた場所に立つ店、『エンジェル ブレッド』の扉が開き、焼きたてのパンの匂いと共に二人の女性客が出てくる。
「ねぇねぇ、小巻ちゃん、今の店員さんってば、面白かったよねぇ~。顔真っ赤にして『あ、あの、お客さん達かわいいから、サ、サービスして置きます』だってぇ~。」
「もう、風子ったら…、店員さん、新人さんっぽいし、からかったら駄目じゃない。」
「だぁって~、でもあれさ、小巻ちゃんに気があるのかもよ~にしし。」
ちょっといやらしい目つきで小巻を見ながら笑う風子をふわりとかわしながら
「馬鹿な事言ってないで、早く帰って朝ご飯にしましょ。」
「そう!それ、な~んで、あのクソ親父、『今日は飯が無いのか。なら仕方ないパンでも食うか。小巻、風子買って来い!』って、いつもなら『日本人の朝飯は米に決まっとる!』って、この街だから手に入るようなものの、何だろねあの態度。」
「まぁ、きょうはさっちゃん寝坊したみたいだし、きっと昨日のお客さんが帰るまで起きてて、片付けまでやってたからだろうけど…。」
「そういえば、なんか変わった人だったよねぇ、誰?」
「さぁ…、さっちゃんから聞いた話だと、昔、半年ぐらい父さんの下で修行をしに青雲飯店からきた…名前は…コン・タオローさんだったかな。」
「ってなんで、中華料理の人が寿司職人の所に修行にくるのよ?」
「出稽古ってやつじゃない?久しぶりに会ったらしくて父さん強引に家に連れて来たみたい。」
ふぅん、とあまり興味なさそうに聞きながら思い出したように
「で、さっちゃんは?」
「さぁ、…多分、クソ親父と“儀式中”…。」
小巻は憮然と言いながら顔が曇っていく。
“儀式”二人の父、渡部一斉が女の陰部に愛用の包丁の峯を擦り付ける一種のまじない。当然二人の娘にとって嫌悪の対象ではある。
「あのクソ親父はぁ!ったく、いくら腕が良いたって、なんであんなのおいとくかなぁ『寿司 安藤』は!オマケに、若頭のジェイはいけ好かないし、オカマの新沼やウドの大木のビック・サム、って絶対潰れてもおかしくないんだけどなぁ…。」
グウゥゥ…
力んだ風子のお腹が盛大に鳴り響く。
「ぷっ!くくく…、さぁ、ともかく、帰って、朝ご飯にしよう?」
「そうだね、私お腹ぺこぺこだよぉ。」
家路に急ぐ二人。そう、朝は必ずやってくるのだと信じて…。
さて、二人が出て行った『エンジェル ブレッド』でも一騒動起きていた。
「ちょっとヴィム!さっきの接客はなによ!ちょっとかわいいからって鼻の下伸ばしてみっともない!」
怒るアンリに、何故怒っているかわからない。と、いった感じでヴィムが答える。
「いや、昨日ペーターがやっていたのを真似たんだが…。」
「ペーター!!あんた何やってるのよ!仮にも店長なんでしょうが!!」
ついに店の奥に向かって怒鳴るアンリ。奥から焼きたてのパンを持ってきながら、当のペーターは悪びれもせず。
「なんだぁ、ヴィムが客を口説いただぁ、やるじゃないか。今度来たら紹介しろよ。」
カランカラン♪
今一度、怒鳴るところだったアンリを止めたのは扉に取り付けたベルが軽やかに鳴ったからであった。
「いらっしゃいま…あぁっ!あんたは…!」
「そうか…お前さん、店を出したと聞いていたがここだったか。」
「ええ、そうなんです。あの時はお世話になりました。」
「いや、俺は何もしていないさ。お前さんの努力あってのものだ。」
「いやそんな…。あっ、そうだ、こいつはうちの最新作なんです。試して下さい。」
「そうか、…では、貰うとするか。」
男は焼きたてのパンの香りを楽しみながら、一切れを口に入れる。
「うむ、厳選した小麦の風味を生かした味だ。腕を上げたな。」
そうして、男はペーターと言葉を交わしながら、幾つかのパンを買い求め店を出て行く。
数々の疑問に対し最初に質問をしたのはアンリだった。
「さっきの男は誰よ?随分親しいみたいだったけど。」
「あぁ、あれは…青雲飯店で一、二を争う腕を持つと言われたコン・タオローさんだよ。昔、俺が修行時代にダチが辞めちまった、って落ち込んでスランプだった時に、偶然知り合ってな。小麦の目利きや、アドバイスを色々してくれたんだ。ま、もっとも今は屋台を引いているって言ってたが。」
「は、屋台って、青雲飯店といえば有名店だ。そんな人物が何故?」
「復讐…。だとよ。くくっ、こいつはこれから面白くなりそうだぜ。」
復讐と言う物騒な言葉とは思えぬ軽い口調でペーターは言う。二人は複雑な表情で見守るしかなかった。
ここは、アーカムシティー。『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代』。愛憎渦巻くこの街に、人は今日も生きていく。 (外伝第一話 了。)
あ゛~、妄想が止まらない~(ぉ いっそ、今月は鬼哭麺月間にしてやろうか~(ぉぃぉぃ
アーカムシティーに朝がくる。繁華街から少し離れた場所に立つ店、『エンジェル ブレッド』の扉が開き、焼きたてのパンの匂いと共に二人の女性客が出てくる。
「ねぇねぇ、小巻ちゃん、今の店員さんってば、面白かったよねぇ~。顔真っ赤にして『あ、あの、お客さん達かわいいから、サ、サービスして置きます』だってぇ~。」
「もう、風子ったら…、店員さん、新人さんっぽいし、からかったら駄目じゃない。」
「だぁって~、でもあれさ、小巻ちゃんに気があるのかもよ~にしし。」
ちょっといやらしい目つきで小巻を見ながら笑う風子をふわりとかわしながら
「馬鹿な事言ってないで、早く帰って朝ご飯にしましょ。」
「そう!それ、な~んで、あのクソ親父、『今日は飯が無いのか。なら仕方ないパンでも食うか。小巻、風子買って来い!』って、いつもなら『日本人の朝飯は米に決まっとる!』って、この街だから手に入るようなものの、何だろねあの態度。」
「まぁ、きょうはさっちゃん寝坊したみたいだし、きっと昨日のお客さんが帰るまで起きてて、片付けまでやってたからだろうけど…。」
「そういえば、なんか変わった人だったよねぇ、誰?」
「さぁ…、さっちゃんから聞いた話だと、昔、半年ぐらい父さんの下で修行をしに青雲飯店からきた…名前は…コン・タオローさんだったかな。」
「ってなんで、中華料理の人が寿司職人の所に修行にくるのよ?」
「出稽古ってやつじゃない?久しぶりに会ったらしくて父さん強引に家に連れて来たみたい。」
ふぅん、とあまり興味なさそうに聞きながら思い出したように
「で、さっちゃんは?」
「さぁ、…多分、クソ親父と“儀式中”…。」
小巻は憮然と言いながら顔が曇っていく。
“儀式”二人の父、渡部一斉が女の陰部に愛用の包丁の峯を擦り付ける一種のまじない。当然二人の娘にとって嫌悪の対象ではある。
「あのクソ親父はぁ!ったく、いくら腕が良いたって、なんであんなのおいとくかなぁ『寿司 安藤』は!オマケに、若頭のジェイはいけ好かないし、オカマの新沼やウドの大木のビック・サム、って絶対潰れてもおかしくないんだけどなぁ…。」
グウゥゥ…
力んだ風子のお腹が盛大に鳴り響く。
「ぷっ!くくく…、さぁ、ともかく、帰って、朝ご飯にしよう?」
「そうだね、私お腹ぺこぺこだよぉ。」
家路に急ぐ二人。そう、朝は必ずやってくるのだと信じて…。
さて、二人が出て行った『エンジェル ブレッド』でも一騒動起きていた。
「ちょっとヴィム!さっきの接客はなによ!ちょっとかわいいからって鼻の下伸ばしてみっともない!」
怒るアンリに、何故怒っているかわからない。と、いった感じでヴィムが答える。
「いや、昨日ペーターがやっていたのを真似たんだが…。」
「ペーター!!あんた何やってるのよ!仮にも店長なんでしょうが!!」
ついに店の奥に向かって怒鳴るアンリ。奥から焼きたてのパンを持ってきながら、当のペーターは悪びれもせず。
「なんだぁ、ヴィムが客を口説いただぁ、やるじゃないか。今度来たら紹介しろよ。」
カランカラン♪
今一度、怒鳴るところだったアンリを止めたのは扉に取り付けたベルが軽やかに鳴ったからであった。
「いらっしゃいま…あぁっ!あんたは…!」
「そうか…お前さん、店を出したと聞いていたがここだったか。」
「ええ、そうなんです。あの時はお世話になりました。」
「いや、俺は何もしていないさ。お前さんの努力あってのものだ。」
「いやそんな…。あっ、そうだ、こいつはうちの最新作なんです。試して下さい。」
「そうか、…では、貰うとするか。」
男は焼きたてのパンの香りを楽しみながら、一切れを口に入れる。
「うむ、厳選した小麦の風味を生かした味だ。腕を上げたな。」
そうして、男はペーターと言葉を交わしながら、幾つかのパンを買い求め店を出て行く。
数々の疑問に対し最初に質問をしたのはアンリだった。
「さっきの男は誰よ?随分親しいみたいだったけど。」
「あぁ、あれは…青雲飯店で一、二を争う腕を持つと言われたコン・タオローさんだよ。昔、俺が修行時代にダチが辞めちまった、って落ち込んでスランプだった時に、偶然知り合ってな。小麦の目利きや、アドバイスを色々してくれたんだ。ま、もっとも今は屋台を引いているって言ってたが。」
「は、屋台って、青雲飯店といえば有名店だ。そんな人物が何故?」
「復讐…。だとよ。くくっ、こいつはこれから面白くなりそうだぜ。」
復讐と言う物騒な言葉とは思えぬ軽い口調でペーターは言う。二人は複雑な表情で見守るしかなかった。
ここは、アーカムシティー。『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代』。愛憎渦巻くこの街に、人は今日も生きていく。 (外伝第一話 了。)
あ゛~、妄想が止まらない~(ぉ いっそ、今月は鬼哭麺月間にしてやろうか~(ぉぃぉぃ
第二回 闇萌えの世界にようこそ。…なのであーる!
Dr.「久しぶりであるなぁ!我輩、Dr.ノーザンウェスト・ウォーター・アッパーヤード・サンダーマンであーる!さぁ~て、今回は禁断の世界への扉を開けるのであーる。萌えの裏側…その名も“闇萌え”であり、素人にはオススメ出来ないであり、仮に諸君らが戻って来れなくても当方関知しないのでその積もりで講義を受けるがよいであーる!」
雷「…いやにテンション高いなぁ…つーか、的を得なさ過ぎて、今回何なのかサッパリ何だが…。」
ワ「は~、サッパリサッパリ、だロボ(てれっ) …え~っと、今回は『外道少女』ロボ。普段アマアマな事語ってるロボから、実は闇萌え系はあんまりやってなかったロボ。」
雷「なんだかワルザまで引きずられてるなぁ…(汗 ともかくどうぞ。」
『外道少女』それは“子悪魔系”“敵対系”よりもさらに上位の者達、属性『悪』といっても良いだろう。そんな彼女等を愛せるのか探っていきたい。
一つ!『抑圧からの開放』
なぜ少女が外道に走るのか?世の中は不平等であり、「法」は全ての者を救えず、差別はあらゆる世界、時代に存在し弱者を虐げる。 そう、全てでは無いが、「外道少女」とは、社会的弱者や被差別被害者、裏社会に生きる者等の中で“世界に対抗する力”を手に入れ、「心が壊れる」事により生まれるのである。
二つ!『生れながらの悪』
少数だが、この世に生を受けた時から「悪」と言う少女もいる。原因は不明だが、“知覚”や“心”が「壊れて」いる故に世界と折り合いが付かない。そして、本人の意思とは関係なく「外道」の烙印を押されるのである。
三つ!『欲望に忠実』
そもそも彼女等は社会ルールやモラル等に縛られないのだから自由奔放である。たとえ、他人に迷惑をかけても、本人がやりたい事をやる。その姿は“ある意味理想”である。
また、「純粋な想い」は時として闇に転落する事が多々ある。例えば“愛”は、“至高の光”に見えて、度が過ぎれば“究極の闇”へと簡単に変貌するモノである。
四つ!『堕落の快楽』
そもそも「快楽」とは「法」により制限を受ける事が多く、「堕落」とみなされる。そして、それは熱病の様に他人に感染していき、心を狂わせる。
「悪魔のように黒く、地獄のように熱く、接吻のように甘い」そのような快楽に抗える者などいないのである。
堕ちゆく自分を感じつつ、抗えず、そして快楽に身を委ねる時、彼女等を理解する事が出来るであろう。
さて、「外道少女」を愛するに至った者は、二つの結末を前に選択を余儀なくされる。
五つ!A『共に闇の中へ…』
愛とは相手との一体化を求める。ならば例え世界を敵にまわそうとも、二人が共にある場所こそが幸せなのであり、約束された場所なのである。そう!その結果、世界を滅ぼす事になろうが、知った事ではない。
五つ!B『光ある世界へ』
彼女達は闇の中で孤独である。救う事が出来るのが自分だけならば、ここでやらねば男が廃る。勿論、世界、現実は厳しいままであろう、だからこそ自分が守るのだ。苦難の果てに得るモノの価値に気付いた時、彼女の笑顔を見る事が出来れば、この世界で生きている証になるのだから。
Dr.「以上!ふむぅ、今回、危うく“向こう側”に逝きそうで大変であったが無事生還であり、やはり我輩天才なのであーる。」
雷「いや、マジでそのまま逝ってくれって気もするが…。」
わ「でも、はかせって、てこずる講義には特徴が出るロボね~。たとえば…(^^)」
Dr.「ワ~ルザ、その先は言ってはならんであるぞ?」
ワ「えへへ…、やっぱりロボ?」
雷「まぁ、後は講義を聞かれた皆さんに判断してもらうって事で…(苦笑」
Dr.&ワ&雷「「次回も、奮えて待て!」」
雷「…いやにテンション高いなぁ…つーか、的を得なさ過ぎて、今回何なのかサッパリ何だが…。」
ワ「は~、サッパリサッパリ、だロボ(てれっ) …え~っと、今回は『外道少女』ロボ。普段アマアマな事語ってるロボから、実は闇萌え系はあんまりやってなかったロボ。」
雷「なんだかワルザまで引きずられてるなぁ…(汗 ともかくどうぞ。」
『外道少女』それは“子悪魔系”“敵対系”よりもさらに上位の者達、属性『悪』といっても良いだろう。そんな彼女等を愛せるのか探っていきたい。
一つ!『抑圧からの開放』
なぜ少女が外道に走るのか?世の中は不平等であり、「法」は全ての者を救えず、差別はあらゆる世界、時代に存在し弱者を虐げる。 そう、全てでは無いが、「外道少女」とは、社会的弱者や被差別被害者、裏社会に生きる者等の中で“世界に対抗する力”を手に入れ、「心が壊れる」事により生まれるのである。
二つ!『生れながらの悪』
少数だが、この世に生を受けた時から「悪」と言う少女もいる。原因は不明だが、“知覚”や“心”が「壊れて」いる故に世界と折り合いが付かない。そして、本人の意思とは関係なく「外道」の烙印を押されるのである。
三つ!『欲望に忠実』
そもそも彼女等は社会ルールやモラル等に縛られないのだから自由奔放である。たとえ、他人に迷惑をかけても、本人がやりたい事をやる。その姿は“ある意味理想”である。
また、「純粋な想い」は時として闇に転落する事が多々ある。例えば“愛”は、“至高の光”に見えて、度が過ぎれば“究極の闇”へと簡単に変貌するモノである。
四つ!『堕落の快楽』
そもそも「快楽」とは「法」により制限を受ける事が多く、「堕落」とみなされる。そして、それは熱病の様に他人に感染していき、心を狂わせる。
「悪魔のように黒く、地獄のように熱く、接吻のように甘い」そのような快楽に抗える者などいないのである。
堕ちゆく自分を感じつつ、抗えず、そして快楽に身を委ねる時、彼女等を理解する事が出来るであろう。
さて、「外道少女」を愛するに至った者は、二つの結末を前に選択を余儀なくされる。
五つ!A『共に闇の中へ…』
愛とは相手との一体化を求める。ならば例え世界を敵にまわそうとも、二人が共にある場所こそが幸せなのであり、約束された場所なのである。そう!その結果、世界を滅ぼす事になろうが、知った事ではない。
五つ!B『光ある世界へ』
彼女達は闇の中で孤独である。救う事が出来るのが自分だけならば、ここでやらねば男が廃る。勿論、世界、現実は厳しいままであろう、だからこそ自分が守るのだ。苦難の果てに得るモノの価値に気付いた時、彼女の笑顔を見る事が出来れば、この世界で生きている証になるのだから。
Dr.「以上!ふむぅ、今回、危うく“向こう側”に逝きそうで大変であったが無事生還であり、やはり我輩天才なのであーる。」
雷「いや、マジでそのまま逝ってくれって気もするが…。」
わ「でも、はかせって、てこずる講義には特徴が出るロボね~。たとえば…(^^)」
Dr.「ワ~ルザ、その先は言ってはならんであるぞ?」
ワ「えへへ…、やっぱりロボ?」
雷「まぁ、後は講義を聞かれた皆さんに判断してもらうって事で…(苦笑」
Dr.&ワ&雷「「次回も、奮えて待て!」」
SS『鬼哭麺』 第二話「茶道甘史」
アーカムシティーの中心地、アーカム中央駅近くの裏路地を入った先にその店、和風漫画喫茶「茶道甘史」はある。人の入らぬ裏通りにある漫画喫茶とは不可解だが、一歩店内に入るとさらに不可解だった。
店内は怪しげな和風に整えられ、中には畳敷きのBOX席まである。その店の店主、ツェ・イーターはアーカムシティーの不動産業や食材の卸などに裏から手を出せる稀有な存在でもある。それ故この店自体はツェの交渉場所であり、趣味で経営していると言ってもよかった。
(カランカラン)
入り口につけられたベルがけだるそうに鳴ると、ツェはカウンターの椅子から立ち上がる事もせずに客に声をかける。
「いらっしゃい、…おや、タオロー君かね。」
「奥のBOX席は空いているか?」
「ああ、空いているが…、なんだい稼いでいるんだろう?ホテルにでも泊まったらどうだい。そこのルイリーの為にも。」
タオローは鋭い眼差しでツェを睨みながら、
「ふん、確かに売り上げは良いがな…貴様から仕入れる食材、随分ピンハネしているようだな!」
「い、いや、しかし、青雲飯店に知られないように、食材の調達、仕込み厨房の用意、屋台の保管等と、骨が折れるのだぞ?」
「確かにそれは感謝しているが…やり過ぎは貴様の命を縮めるぞ。」
タオローの気迫にツェは思わず身震いする。この男は本気で自分を殺しかねない。
「わ、わかった、確かに幾らか手間代を入れていたのは認める。これからは減らす…。」
ギンッとタオローの目に鋭さが増す。
「い、いや、取らない、手間代は取らない。これで良いだろう?」
「…ふん、初めからそうしていればいいのだ。」
「…儲けにならんなぁ…。ああ、そうだ、ルイリーの魂魄転写は上手くいっただろう?」
「あぁ…、確かに貴様が言った事は本当らしい。だが、本当にルイリーが“戴天流調理法”秘伝のスープのレシピを知っているのか?」
「そう言っていたよ、かの『鬼眼冷麺』リュウ・ホージュンはな。君がマカオの新支店立ち上げに派遣され、途中で資金を現地の悪徳業者に持ち逃げされ…、まぁ、これは裏で青雲飯店、つまりホージュンが糸を引いておった訳だが。
そして、君はホージュンに殺され…表向きは、責任を感じて自殺と言う事になっておったかな。
…そして、兄を失い、悲しみに暮れたルイリーはホージュンにスープのレシピ問われても、一切喋ろうとしなかったばかりに、陵辱の果てに惨殺され、その魂は全て魂魄転写で量子化、挙句五分割され、五人の店主に送られた…と、言う訳だ。」
ツェは大仰なポーズで説明する。
「良く知っているな貴様…。まさか貴様も片棒を担いでいたわけか?」
「わ、私は、脅されてだなぁ…しょうがなく…だからこそ、瀕死の君を助けるよう手配したり、そこのガイノイドに魂魄の統合プログラムを入れて…しかも、持ち運びに便利な幼生型…いや、君の趣味に合わせたのだよ?何たって君は『シスコン』で『ロリコン』だからな…ぁあっ!」
タオローは無言で懐から愛用の和包丁を取り出すとツェの喉もとに突きつける。
「……。」
「冗談だ!冗談!もう言わないからソレをしまってくれたまえ!」
「ふん、くだらぬ事は言わない方が身の為だぞ…。」
ようやく身の危険が去ったツェは大きな溜息をつきながら、
「それで、タオロー君…奥で休むのはいいが、私も商売でね。何か注文を…二人分。」
「ふん、ならウーロン茶を二つだ。」
「やれやれ、君も大概せこ…いやいや、堅実だなぁ…。」
奥のBOX席に消えていく二人(?)を見ながらツェは思いを廻らす。これで又、商売の種は蒔かれた。後はどんな実をつけるか楽しみだと…。
ここは、アーカムシティー、『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代』。様々な想いを包み今日も夜が更けていく…。 (第二話了。)
ヤバイ…書いてる内に脳内設定が広がってしまった…(汗 この話、長丁場になりそうだ…。
店内は怪しげな和風に整えられ、中には畳敷きのBOX席まである。その店の店主、ツェ・イーターはアーカムシティーの不動産業や食材の卸などに裏から手を出せる稀有な存在でもある。それ故この店自体はツェの交渉場所であり、趣味で経営していると言ってもよかった。
(カランカラン)
入り口につけられたベルがけだるそうに鳴ると、ツェはカウンターの椅子から立ち上がる事もせずに客に声をかける。
「いらっしゃい、…おや、タオロー君かね。」
「奥のBOX席は空いているか?」
「ああ、空いているが…、なんだい稼いでいるんだろう?ホテルにでも泊まったらどうだい。そこのルイリーの為にも。」
タオローは鋭い眼差しでツェを睨みながら、
「ふん、確かに売り上げは良いがな…貴様から仕入れる食材、随分ピンハネしているようだな!」
「い、いや、しかし、青雲飯店に知られないように、食材の調達、仕込み厨房の用意、屋台の保管等と、骨が折れるのだぞ?」
「確かにそれは感謝しているが…やり過ぎは貴様の命を縮めるぞ。」
タオローの気迫にツェは思わず身震いする。この男は本気で自分を殺しかねない。
「わ、わかった、確かに幾らか手間代を入れていたのは認める。これからは減らす…。」
ギンッとタオローの目に鋭さが増す。
「い、いや、取らない、手間代は取らない。これで良いだろう?」
「…ふん、初めからそうしていればいいのだ。」
「…儲けにならんなぁ…。ああ、そうだ、ルイリーの魂魄転写は上手くいっただろう?」
「あぁ…、確かに貴様が言った事は本当らしい。だが、本当にルイリーが“戴天流調理法”秘伝のスープのレシピを知っているのか?」
「そう言っていたよ、かの『鬼眼冷麺』リュウ・ホージュンはな。君がマカオの新支店立ち上げに派遣され、途中で資金を現地の悪徳業者に持ち逃げされ…、まぁ、これは裏で青雲飯店、つまりホージュンが糸を引いておった訳だが。
そして、君はホージュンに殺され…表向きは、責任を感じて自殺と言う事になっておったかな。
…そして、兄を失い、悲しみに暮れたルイリーはホージュンにスープのレシピ問われても、一切喋ろうとしなかったばかりに、陵辱の果てに惨殺され、その魂は全て魂魄転写で量子化、挙句五分割され、五人の店主に送られた…と、言う訳だ。」
ツェは大仰なポーズで説明する。
「良く知っているな貴様…。まさか貴様も片棒を担いでいたわけか?」
「わ、私は、脅されてだなぁ…しょうがなく…だからこそ、瀕死の君を助けるよう手配したり、そこのガイノイドに魂魄の統合プログラムを入れて…しかも、持ち運びに便利な幼生型…いや、君の趣味に合わせたのだよ?何たって君は『シスコン』で『ロリコン』だからな…ぁあっ!」
タオローは無言で懐から愛用の和包丁を取り出すとツェの喉もとに突きつける。
「……。」
「冗談だ!冗談!もう言わないからソレをしまってくれたまえ!」
「ふん、くだらぬ事は言わない方が身の為だぞ…。」
ようやく身の危険が去ったツェは大きな溜息をつきながら、
「それで、タオロー君…奥で休むのはいいが、私も商売でね。何か注文を…二人分。」
「ふん、ならウーロン茶を二つだ。」
「やれやれ、君も大概せこ…いやいや、堅実だなぁ…。」
奥のBOX席に消えていく二人(?)を見ながらツェは思いを廻らす。これで又、商売の種は蒔かれた。後はどんな実をつけるか楽しみだと…。
ここは、アーカムシティー、『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代』。様々な想いを包み今日も夜が更けていく…。 (第二話了。)
ヤバイ…書いてる内に脳内設定が広がってしまった…(汗 この話、長丁場になりそうだ…。
1000Hit記念&報告
雷「なんと、カウンター設置から早くも1000Hitしてしまいました。」
み「設置から…約20日で…一日平均50人ですか~。すごいですねぇ。」
ほ「まぁ、雷太が更新の度に数Hit誤爆してるだけどな(^^)」
雷「いや、それを言うなよな~(汗 ともかく、感謝感激雨霰です。」
雷「で、記念と言うわけではありませんが、リンクの追加報告です。ただし、一つ注意が、
『冗談を冗談として受け取れない方』『異なる思想に反感を覚え、火病、荒らしを断行する方』
はリンク先に飛ばない事をオススメします。では、発表します。」
バーチャルネットサージェント軍曹様35歳
み「えっと、店長これは…以前からROMっていた…。」
ほ「まったくココと趣旨が違うんだが…。」
雷「これも一つの“異文化コミュニケーション”ってやつです(笑」
雷「まぁ、ヲタとはいえ社会情勢を遮断すると色々危険ですから、こういったカンフル剤も時には必要って事で(笑」
み「…いや、ボクは刺激が強すぎる気もしますが…(^^;」
ほ「まぁ、オレは嫌いじゃないけどな。こう言うトコは(^^)」
雷「あ~、さて、業務連絡。そんなわけでコンテンツに『社会・政治・軍事』を追加。SSを『SS』と『エロSS』に分離しました。んで、早ければ明日には、萌え学か鬼哭麺のどちらかをアップ出来ると思います。」
ほ「どっちだよ…(--;」
み「と、言うか、店長って政治とか軍事なんて話、出来るんですか?」
雷「…まぁ、多分愚痴りたくなるだろうから用意。一応、“政治の不平を愚痴るなら選挙ぐらいは言っとけ”ってのが、ここ数年のポリシーだからねぇ。まぁ、学が無いから感覚的な事ぐらいだろうけどね。」
み「…ま、まぁ、あんまり出番が無い事を期待してます。ボロが出そうだし…(^^;;」
ほ「お客さんが減りそうだよなぁ~。まぁ、オレはしらね。」
雷「二人ともひでぇ…。」
かおるんるん。
み「設置から…約20日で…一日平均50人ですか~。すごいですねぇ。」
ほ「まぁ、雷太が更新の度に数Hit誤爆してるだけどな(^^)」
雷「いや、それを言うなよな~(汗 ともかく、感謝感激雨霰です。」
雷「で、記念と言うわけではありませんが、リンクの追加報告です。ただし、一つ注意が、
『冗談を冗談として受け取れない方』『異なる思想に反感を覚え、火病、荒らしを断行する方』
はリンク先に飛ばない事をオススメします。では、発表します。」
バーチャルネットサージェント軍曹様35歳
み「えっと、店長これは…以前からROMっていた…。」
ほ「まったくココと趣旨が違うんだが…。」
雷「これも一つの“異文化コミュニケーション”ってやつです(笑」
雷「まぁ、ヲタとはいえ社会情勢を遮断すると色々危険ですから、こういったカンフル剤も時には必要って事で(笑」
み「…いや、ボクは刺激が強すぎる気もしますが…(^^;」
ほ「まぁ、オレは嫌いじゃないけどな。こう言うトコは(^^)」
雷「あ~、さて、業務連絡。そんなわけでコンテンツに『社会・政治・軍事』を追加。SSを『SS』と『エロSS』に分離しました。んで、早ければ明日には、萌え学か鬼哭麺のどちらかをアップ出来ると思います。」
ほ「どっちだよ…(--;」
み「と、言うか、店長って政治とか軍事なんて話、出来るんですか?」
雷「…まぁ、多分愚痴りたくなるだろうから用意。一応、“政治の不平を愚痴るなら選挙ぐらいは言っとけ”ってのが、ここ数年のポリシーだからねぇ。まぁ、学が無いから感覚的な事ぐらいだろうけどね。」
み「…ま、まぁ、あんまり出番が無い事を期待してます。ボロが出そうだし…(^^;;」
ほ「お客さんが減りそうだよなぁ~。まぁ、オレはしらね。」
雷「二人ともひでぇ…。」
かおるんるん。
うをっ!
雷「やばい、やばい、更新が日をまたぐ所だった…。」
ほ「遅いぞっ!ったく、極力毎日更新じゃないのかよ。」
み「でも、今日はバイトあったんですよねぇ。なんでいつもどうりバイト先で更新しなかったんです?」
雷「いや~、ちょっち使用があってねぇ…結局終わってから、ネカフェに入って更新のつもりが…巡回中に読みごたえのあるテキストがあって…上条さんのHPで紹介&撃墜王さんのHPの日記で紹介のコレなんだけどね。」
ほ「うわ!すごい文量だなぁ…読みたくねぇ…(--;」
み「ほむらちゃん…まぁ、わかるけど…でも、店長全部読んだんですか?」
雷「正直まだ。でも一応ネット物書きの端くれになりたい自分としては興味ある内容だねぇ。…反省点も多いけどな(苦笑」
ワ「やっほ~!何してるロボ?」
雷「ワルザ!?」
ほ「よう、またドクターにおん出されたのか?」
み「ワルザちゃんお疲れ~。お茶でも飲む?」
ワ「そうロボよ~。はかせが固有決壊結界『アンリミッテッド・モエ・ワークス』を発動させたから退避してきたロボ。あ、お茶もらうロボよ。」
雷「…本当にあの博士って人間なのか…(汗 ま、まぁ、そうすると、こっちのSSとあちらの萌え学どっちが早いかってぐらいかなぁ。」
ほ「よし!んじゃ、ワルザ、また手合わせしてくれ。身体がなまってしょうがないんだよ。」
ワ「了解ロボ!今度はワルザの“ワルザ流交殺法”が勝つロボよ!」
ほ「言ったな。“御剣流戦闘術”で返り討ちにしてやる!じゃ!後よろしく!」
ワ「ロボ!」
雷「まるで嵐だな(苦笑 しかし、手合わせって…、ワルザって白兵戦特化仕様だから並みの達人でも相手にならんはずだけど…。」
み「だから“並み”じゃ無いんですよ、ボクの家の流派は。それに固有属性もあるし。もちろんボクやほむらちゃんよりも、父さんの方が凄いですけどね。」
雷「またわからん単語が出てきたなぁ…。」
み「まぁ、また教えますよ。さて、結局、日をまたいじゃいまいたんで終わりましょうか。…そだ。」
(ぽすっ)
雷「み、みこと!?なして自分のひざに座る?(汗」
み「まぁいいじゃないですか、ボクもたまにはねぇ…嫌いじゃないでしょ?こういうの…にしし。(^^)」
雷「理性持つかしらん…(大汗」
み「大丈夫です。そのときはボクの技が炸裂するだけですから(^^)v」
雷「…へい…(滝汗」
かおるんるん。
ほ「遅いぞっ!ったく、極力毎日更新じゃないのかよ。」
み「でも、今日はバイトあったんですよねぇ。なんでいつもどうりバイト先で更新しなかったんです?」
雷「いや~、ちょっち使用があってねぇ…結局終わってから、ネカフェに入って更新のつもりが…巡回中に読みごたえのあるテキストがあって…上条さんのHPで紹介&撃墜王さんのHPの日記で紹介のコレなんだけどね。」
ほ「うわ!すごい文量だなぁ…読みたくねぇ…(--;」
み「ほむらちゃん…まぁ、わかるけど…でも、店長全部読んだんですか?」
雷「正直まだ。でも一応ネット物書きの端くれになりたい自分としては興味ある内容だねぇ。…反省点も多いけどな(苦笑」
ワ「やっほ~!何してるロボ?」
雷「ワルザ!?」
ほ「よう、またドクターにおん出されたのか?」
み「ワルザちゃんお疲れ~。お茶でも飲む?」
ワ「そうロボよ~。はかせが固有
雷「…本当にあの博士って人間なのか…(汗 ま、まぁ、そうすると、こっちのSSとあちらの萌え学どっちが早いかってぐらいかなぁ。」
ほ「よし!んじゃ、ワルザ、また手合わせしてくれ。身体がなまってしょうがないんだよ。」
ワ「了解ロボ!今度はワルザの“ワルザ流交殺法”が勝つロボよ!」
ほ「言ったな。“御剣流戦闘術”で返り討ちにしてやる!じゃ!後よろしく!」
ワ「ロボ!」
雷「まるで嵐だな(苦笑 しかし、手合わせって…、ワルザって白兵戦特化仕様だから並みの達人でも相手にならんはずだけど…。」
み「だから“並み”じゃ無いんですよ、ボクの家の流派は。それに固有属性もあるし。もちろんボクやほむらちゃんよりも、父さんの方が凄いですけどね。」
雷「またわからん単語が出てきたなぁ…。」
み「まぁ、また教えますよ。さて、結局、日をまたいじゃいまいたんで終わりましょうか。…そだ。」
(ぽすっ)
雷「み、みこと!?なして自分のひざに座る?(汗」
み「まぁいいじゃないですか、ボクもたまにはねぇ…嫌いじゃないでしょ?こういうの…にしし。(^^)」
雷「理性持つかしらん…(大汗」
み「大丈夫です。そのときはボクの技が炸裂するだけですから(^^)v」
雷「…へい…(滝汗」
かおるんるん。