SS 『鬼哭麺』第七話 「鬼眼冷麺」後編
御名神亭の業務日誌
「アレ・キュイジーヌ!」
調理開始の掛け声とともに一斉に動き出すホージュンとタオロー。
最初に違和感を覚えたのは麺打ちの時だった。
「おや?『戴天流調理法』の『紫電麺』は通常と打ち方が違うと聞いた事があるのだが…双方とも同じ動きだな…。」
サイスが疑問を口にして一番驚いたのは他でもないタオローであった。
「何!?馬鹿な!紫電麺は内家の技。内家を捨てた貴様に作れる訳が無い!」
「ふん、お前も内家だ外家だとくだらぬな。ならば教えてやろう、俺のサイバネボディは人の器官のそれとまったく同じ構造をしている…分かるか?つまり俺は世界初の“気”を使えるサイバネ料理人なのだ!」
「馬鹿な!…信じられん…。」
「信じないのは勝手だが、現実に俺は存在している。しかも、生身と違って疲れ知らずだ。」
余裕の表情で麺を寝かし、スープに手をつけるホージュン。タオローも遅れてスープに入るが…
「ちぃ…やはり『六塵散魂無宝湯』か…。」
「俺とて戴天流調理法を学んだのだ、当然だろう?…もっともルイリーからは聞きだせなかったのでな、独自の研究の賜物だ。」
「貴様…それだけで、ルイリーにあの仕打ちか…許せん!」
「ふん、貴様とて料理に没頭するあまりルイリーの思いに気が付かん馬鹿が!」
「な…に!?」
「…喋りすぎたな。さあ、俺のスープはもうすぐ仕上がるぞ?貴様も急ぐがいい。」
「くっ!」
実の所、タオローのスープは未だ最後の素材が入っていない。
前日まで試行錯誤をしていたのだが決め手に欠ける。
「くぅ…ルイリー…。」
ルイリーが何を思っていたのか、麺鬼と成り果てた今となっては分からない。
(そうだ、俺は唯一杯に賭けた麺鬼だ。ならば、足りない物は自ずとスープが語るだろう。)
無意識に作りかけのスープを一口、だがタオローの内から溢れるはルイリーへの思いだった。
「はっ!そうか!昔ルイリーが気に入っていた物がある! すまんがある材料を頼みたい!」
「むっ!なにやら動きがある様である。…なにぃ?あれはなんであるか?」
タオローがスタッフに言って取り寄せた物の正体が分からないウェストに、マスターテリオンは答える。
「…あれは、鯨の脂身を乾燥させた物だな。日本では“おでん”の出汁として使うと美味いとか。中々楽しみな勝負になってきたとは思わぬか?」
「イエス、マスター。全ての料理はマスターの為に。」
二人の世界に入ったテリオンとエセルドレーダはさておき、調理も佳境に入り麺茹で、そして盛り付け、ホージュンが先に仕上げる。
「さあ、麺が伸びないうちに食べるがいい!」
いよいよ、審査が始まる。会場内は水を打ったように静まっている。勝負の行方はどうなるのか?
…それは、次回最終話へ続く!
調理開始の掛け声とともに一斉に動き出すホージュンとタオロー。
最初に違和感を覚えたのは麺打ちの時だった。
「おや?『戴天流調理法』の『紫電麺』は通常と打ち方が違うと聞いた事があるのだが…双方とも同じ動きだな…。」
サイスが疑問を口にして一番驚いたのは他でもないタオローであった。
「何!?馬鹿な!紫電麺は内家の技。内家を捨てた貴様に作れる訳が無い!」
「ふん、お前も内家だ外家だとくだらぬな。ならば教えてやろう、俺のサイバネボディは人の器官のそれとまったく同じ構造をしている…分かるか?つまり俺は世界初の“気”を使えるサイバネ料理人なのだ!」
「馬鹿な!…信じられん…。」
「信じないのは勝手だが、現実に俺は存在している。しかも、生身と違って疲れ知らずだ。」
余裕の表情で麺を寝かし、スープに手をつけるホージュン。タオローも遅れてスープに入るが…
「ちぃ…やはり『六塵散魂無宝湯』か…。」
「俺とて戴天流調理法を学んだのだ、当然だろう?…もっともルイリーからは聞きだせなかったのでな、独自の研究の賜物だ。」
「貴様…それだけで、ルイリーにあの仕打ちか…許せん!」
「ふん、貴様とて料理に没頭するあまりルイリーの思いに気が付かん馬鹿が!」
「な…に!?」
「…喋りすぎたな。さあ、俺のスープはもうすぐ仕上がるぞ?貴様も急ぐがいい。」
「くっ!」
実の所、タオローのスープは未だ最後の素材が入っていない。
前日まで試行錯誤をしていたのだが決め手に欠ける。
「くぅ…ルイリー…。」
ルイリーが何を思っていたのか、麺鬼と成り果てた今となっては分からない。
(そうだ、俺は唯一杯に賭けた麺鬼だ。ならば、足りない物は自ずとスープが語るだろう。)
無意識に作りかけのスープを一口、だがタオローの内から溢れるはルイリーへの思いだった。
「はっ!そうか!昔ルイリーが気に入っていた物がある! すまんがある材料を頼みたい!」
「むっ!なにやら動きがある様である。…なにぃ?あれはなんであるか?」
タオローがスタッフに言って取り寄せた物の正体が分からないウェストに、マスターテリオンは答える。
「…あれは、鯨の脂身を乾燥させた物だな。日本では“おでん”の出汁として使うと美味いとか。中々楽しみな勝負になってきたとは思わぬか?」
「イエス、マスター。全ての料理はマスターの為に。」
二人の世界に入ったテリオンとエセルドレーダはさておき、調理も佳境に入り麺茹で、そして盛り付け、ホージュンが先に仕上げる。
「さあ、麺が伸びないうちに食べるがいい!」
いよいよ、審査が始まる。会場内は水を打ったように静まっている。勝負の行方はどうなるのか?
…それは、次回最終話へ続く!
Comment
[46] Dir en greyを聴きながら…
むー、このメンツだといっくらでも外伝ができそうですね。
若本地球皇帝閣下の麗しきお声で「うわぁははははははははは!!」「だぁあーぶらぁーーー!!」「しのぶぅー、しのぶちゃんやーい…」「マスオくん」などと独りごちながら調理するアウグストゥスや、料理より店長のライヴとGRUの大将によるSAAのガンプレイがメインになってるデストロイ。「スネェーク!」
いまは帰省中でパソでネットができませんが、ちゃんと読ませてもらってます。
ところで新沼&ティベリウス両姐さんの出番はー?
若本地球皇帝閣下の麗しきお声で「うわぁははははははははは!!」「だぁあーぶらぁーーー!!」「しのぶぅー、しのぶちゃんやーい…」「マスオくん」などと独りごちながら調理するアウグストゥスや、料理より店長のライヴとGRUの大将によるSAAのガンプレイがメインになってるデストロイ。「スネェーク!」
いまは帰省中でパソでネットができませんが、ちゃんと読ませてもらってます。
ところで新沼&ティベリウス両姐さんの出番はー?
[47] いよいよ!
最終話ですか!これからどんな展開になるのか!
どんなオチをつけるのか!楽しみ!
どんなオチをつけるのか!楽しみ!
[48] ご期待にそえるか?
何とか終わりました。さて、後は皆さんの反応がちょっとコワイ(ぉ
>新沼&ティベリウス両姐さんの出番はー?
すいません、出せませんでした…。
一応、新沼は寿司職人で、ティベは…ホルモン焼きというか、内臓系?とか考えていたのですが…(汗
>新沼&ティベリウス両姐さんの出番はー?
すいません、出せませんでした…。
一応、新沼は寿司職人で、ティベは…ホルモン焼きというか、内臓系?とか考えていたのですが…(汗