あれは暑い夏の日の幻…。

　夏休みのある日、僕は午後の部活も終わろうかという時間に学校に向かっていた。何故？…それは、昨日の出来事…。

　僕は偶然クラスメイトの“早川夏海”が自転車で学校の方向へと向かうのを見つけた。彼女は水泳部だが、その日は職員研修とかで、部活は休みの筈だった。

「おい、早川！」

　声をかけたが聞こえて無いのか、そのまま通り過ぎる早川。ちょっとムッっとした僕は早川の後を追って学校に向かう。

　学校に着いた僕は駐輪場に向かう。無人の駐輪場には早川の自転車があった。…だけど、何処に行ったのか…もしかしたら忘れ物を取りに来ただけかもしれない。だけど、声をかけ、すれ違った一瞬見た早川の顔は何時もの彼女らしくない暗い表情だった。
　あまり親しい訳ではないが、クラスの女子の中でも目立つ彼女はムードメーカーでいつも笑っている印象がある。そんな早川を僕は…気付けば目で追っていた…。

　そういえば、早川は水泳部だ。もし忘れ物なら部活の物かも知れない。そう思うと、鉢合わせた時にどう言い訳するのか、なんて事など考えずにプールに向かっていた。

　うちの学校のプールには隣にコンクリートブロックで組んだ更衣室が二つある。でも、あまり広くないのと、夏場は天窓から入る日差しで蒸し風呂みたいになる。だから、体育の授業は教室で着替えるので、水泳部ぐらいしか使わない。
　更衣室の前まで来たけど、何だか急に悪い事をしている気になった僕は引き返そうとしたその時、更衣室から聞こえる声に動けなくなった。

「んんっ！ふぅぅ…んはぁ！…いや、いやぁ……私、わたし…ダメェ…。」

　…早川！？一体何を？分からないけど、中がどうなっているのか見えない事にはどうしようも無い。ふと、悪友がこの前、更衣室の裏手の木に登って、天窓からノゾキをしようとした事を思い出した。最も、その前に先生に見つかって、ずいぶん怒られたのだが。
　そして、今は夏休みの上、職員研修で、学校には用務員のおじさんしか居ないはず。しかも、用務員室はここからは離れている。

　更衣室の裏手に廻り木によじ登る。そして薄汚れた天窓から僕が見たものは…思いがけないものだった。

　　　（『夏の幻。』　２へ続く？）


　…何となく思いついたものの、この先はまったく考えてません。“僕”の名前すら考えて無いし（爆
　つーか、いつもの自分のスタイルですら無いと言う…。大丈夫なのか？続きの予定は…未定（ぉぃ