SS 『青い記憶 リミックス』
御名神亭の業務日誌
…私は探している…どこで?…どこ…高い塔、崩れている…何日?…分からない…何を?…何…違う、誰を、だ…。
ただ、とても大切な人…でも見つからない、いや、見つかるはずが無い。だって私の為に……。
ジリリリリ…
「和樹!! 」
ジリリリリリリリリリリリリッ!!
目が覚めるとそこはいつものあたしの部屋。
「あぁ、目覚まし時計の音か…え~と…何だよ今日の授業は休みじゃないか、早く起きて損した気分だよ。
変な夢も観たし…って、あれ?なんだったかなぁ~、酷く悲しくって、ぽっかり穴が開いた様な…なんだ、普段のあたしと変わらないじゃないか…。」
ベッドの上で独り言も虚しい、すっかり目が覚めてしまったあたしは、洗面台に向かう。
「やっぱり、この部屋のせいかなぁ、あいつの…、和樹の部屋にそっくりだし。」
皇路学園大学部 体育学部へ進んだあたしは一人暮らしをしていた。あの大混乱で住む家が無くなっただけで、あまり意味は無い…。
今の自分は惰性で進学し、水泳は…何となく辞められずにいる…。
ピンポ~ン!
ただ、とても大切な人…でも見つからない、いや、見つかるはずが無い。だって私の為に……。
ジリリリリ…
「和樹!! 」
ジリリリリリリリリリリリリッ!!
目が覚めるとそこはいつものあたしの部屋。
「あぁ、目覚まし時計の音か…え~と…何だよ今日の授業は休みじゃないか、早く起きて損した気分だよ。
変な夢も観たし…って、あれ?なんだったかなぁ~、酷く悲しくって、ぽっかり穴が開いた様な…なんだ、普段のあたしと変わらないじゃないか…。」
ベッドの上で独り言も虚しい、すっかり目が覚めてしまったあたしは、洗面台に向かう。
「やっぱり、この部屋のせいかなぁ、あいつの…、和樹の部屋にそっくりだし。」
皇路学園大学部 体育学部へ進んだあたしは一人暮らしをしていた。あの大混乱で住む家が無くなっただけで、あまり意味は無い…。
今の自分は惰性で進学し、水泳は…何となく辞められずにいる…。
ピンポ~ン!
珍しく、朝っぱらからチャイムが鳴る。
「誰だ?こんな朝っぱらから…。」
そうぼやきながら、あたしは玄関まで向かい、鍵を開ける。
ガチャ
「お早う、薫ちゃん。」
あれ?奈都美が何で?と思って居ると、
「ふぅん、今、薫ってばこんな所に住んでるんだ。」
「まぁ、これなら何とかなるでしょう。帯刀、準備をお願い致しますわ。」
「それでは…。」
深佳にまで狭い玄関に入って来て、あたしは部屋へと押し戻される。
「…って、なんなんだよ、あんた達!って帯刀さんまでいるのぉ!?」
もう訳が分からない…。
「は~い、はい、薫は一時間ぐらい散歩でもして来なよ!ほら、奈都美も手伝う!」
「薫ちゃんゴメンね。」
そう言いつつ、奈都美はあたしの背中を押して玄関へ逆戻り…
バタン!
あたしはあたしの部屋から追い出されてしまった…
「何なんだ一体!って帯刀さんこれは?」
「申し訳ありませんが、笹ヶ瀬様には暫くお暇を…。」
あぁ…、これはダメだ。この人がここで引く訳無いし、結局あたしは散歩でもするしか無いらしい。
「じゃあ…、一時間で戻って来るから、ちゃんと説明してよ。」
「お気を付けて行ってらっしゃいませ。」
…さて、昔なら時間が余ればトレーニングでも、と言うだろうが、今は公園のベンチでボーっとしているだけ、あの事件から色々変わったけど…
奈都美はあの事件で変わった。宇宙から帰って来てから、自分に出来る事を探すとか言って猛勉強している。
今じゃ並みの教授よりも頭が良いぐらいだ。
深佳のやつは「和樹はぼくが作る!」とか言ってHIKARIの残骸やデータを調べてる…らしい。
若佳菜先生もグローバルネットワークの復旧をしながら無機知能のカケラを調べてるらしいし、
千絵梨は北条家の財産を街の復興にあてると言いだしてる。
…結局、あたしだけがあの時のまま、和樹が居ない事を受け入れられない。
奈都美は「和樹君はどこにでもいるよ。」って言うけどさ…わかんないよ…。
っとそろそろ一時間かな、何を企んでるのやら…。
「「ハッピーバースデー!!」」
ドアを開けるといきなり派手なクラッカーと共に、これだ。
「え~と?」
あれ?今日は4月18日…ああっ!あたしの誕生日じゃないか!
「あ~あ、本当に忘れてたよ、薫は。」
「み、深佳ちゃん…ほ、ほら、薫ちゃん元気なかったし、あの時みたいに空中でって訳には…あっ!ご、ごめん…。」
本当に奈都美ったらドジは直って無い…。でもそれがうれしい…。なら精一杯、笑顔を作って
「バカ奈都美…ありがとう。」
そう言って、奈都美を抱きしめる。
「うん、お誕生日おめでとう。薫ちゃん。」
そう言って抱き返してくれる奈都美。
その時だ、電気自動車の時代に似つかわしくない爆音が外から聞こえてきたのは。
キキキキキッ!バタン!ばたばたばたっ!
若佳菜先生のGT2が急停車する音に引き続き、急いで階段を登ってくる音が近づき、
ガチャッ!
「み、みんな揃ってる!大変!大変なのよ! 」
「若ネェ、落ち着いて、何があったのさ。」
「とにかく、無機知能の障壁を解除してたら…ああ、もう!説明よりみんな聞いて!」
そうして、みんなはあたしの部屋に入り、端末を操作する若佳菜先生。そして聞こえた“モノ”は…
「これは…歌…和樹の…。」
そして、あたしは理解した。奈都美が言った事、みんながほしいモノ、…そして、このあたしの心の穴を埋めるモノ…。
あの日、止まっていた時間が動き出す。そして本当に水泳が好きなあたしの気持ち。
「あたし、水泳続ける。」
自然に口に出す言葉。
「なになに、薫ちゃん、水泳って続けて…るよねぇ?」
「ばか薫が今更何言ってるんだよ。」
「バカは余計だ!そうじゃ無くて、今はただ泳いでるだけだったから…。そうだな…ここは大きくオリンピックを目指す!」
「まぁ、大きく出ましたわねぇ。では、バリカンを…。」
「まて、千絵梨!何でそうなる!?」
「オリンピックなだけに五厘刈りに…うぷぷ。」
脱力…っと、そんな事はどうでもいい!今はもっと重要な事がある。
「でさ、とりあえず、“これ”は…。」
「そうねぇ、今は無機知能の認知が低いから…とりあえずここのみんなの秘密にした方がいいわね。」
うん、決まりだ。そうしたら…、
「ねぇ!いつかみんなでまた集まって、和樹に会いに行こう!そうだなぁ…学園の一番高い場所で。」
「いいねぇ、うん、いつが良いかなぁ…」
あたしの提案にみんなが頷く。
空が青い。和樹はここにいなくてもいつもそばに居て…私の記憶もあの空のように…。
そして…
「青い記憶」を再生。
…あたしはミスをした。
そう、久しぶりの大きな大会。しかも水泳を再開してからはじめての優勝に舞い上がっていたのだろう。
ほら、優勝インタビューってやつだ…。
「笹ヶ瀬選手、今のお気持ちと喜びを伝えたい人を。」
「はい、とてもうれしいです。支えてくれた友人と、辛い時に支えになった和樹の歌が…。あっ!しまっ! 」
後悔先に立たず…。あとは、しばらくレポーターに追っかけられて…、みんなの所にも行ったようだし、みんなご免!
結局あの事件の事、和樹の事、そして“歌”の事を公表しなければならなかったし、本まで出版される一大事になった…。
でも結果オーライだ。おかげで無機知能の理解も高くなりつつあるし、なぜか街の復興まで早まった。
さあ、今日も快晴だ。奈都美達が待ってる。今日は和樹に会いに初めて集まるのだ。
鏡をのぞき、服装、髪型、チェック良し! これなら和樹も喜んでくれるかな?
靴を履き、ドアを開け…息を吸い一言。
「"Hello,world" 」
…まずはすいませんm(_ _)m
実を言えばコレ、去年ニトロ掲示板で公開してた奴のリメイクだったり…あぁ、無能な自分を許してかおるん。
せっかくの誕生日なのに(都合により一日早くお送りしております。)。
全スポ会会長がこの体たらくではいかんのでしょうが、誕生日おめでとうの
かおるんるん。
「誰だ?こんな朝っぱらから…。」
そうぼやきながら、あたしは玄関まで向かい、鍵を開ける。
ガチャ
「お早う、薫ちゃん。」
あれ?奈都美が何で?と思って居ると、
「ふぅん、今、薫ってばこんな所に住んでるんだ。」
「まぁ、これなら何とかなるでしょう。帯刀、準備をお願い致しますわ。」
「それでは…。」
深佳にまで狭い玄関に入って来て、あたしは部屋へと押し戻される。
「…って、なんなんだよ、あんた達!って帯刀さんまでいるのぉ!?」
もう訳が分からない…。
「は~い、はい、薫は一時間ぐらい散歩でもして来なよ!ほら、奈都美も手伝う!」
「薫ちゃんゴメンね。」
そう言いつつ、奈都美はあたしの背中を押して玄関へ逆戻り…
バタン!
あたしはあたしの部屋から追い出されてしまった…
「何なんだ一体!って帯刀さんこれは?」
「申し訳ありませんが、笹ヶ瀬様には暫くお暇を…。」
あぁ…、これはダメだ。この人がここで引く訳無いし、結局あたしは散歩でもするしか無いらしい。
「じゃあ…、一時間で戻って来るから、ちゃんと説明してよ。」
「お気を付けて行ってらっしゃいませ。」
…さて、昔なら時間が余ればトレーニングでも、と言うだろうが、今は公園のベンチでボーっとしているだけ、あの事件から色々変わったけど…
奈都美はあの事件で変わった。宇宙から帰って来てから、自分に出来る事を探すとか言って猛勉強している。
今じゃ並みの教授よりも頭が良いぐらいだ。
深佳のやつは「和樹はぼくが作る!」とか言ってHIKARIの残骸やデータを調べてる…らしい。
若佳菜先生もグローバルネットワークの復旧をしながら無機知能のカケラを調べてるらしいし、
千絵梨は北条家の財産を街の復興にあてると言いだしてる。
…結局、あたしだけがあの時のまま、和樹が居ない事を受け入れられない。
奈都美は「和樹君はどこにでもいるよ。」って言うけどさ…わかんないよ…。
っとそろそろ一時間かな、何を企んでるのやら…。
「「ハッピーバースデー!!」」
ドアを開けるといきなり派手なクラッカーと共に、これだ。
「え~と?」
あれ?今日は4月18日…ああっ!あたしの誕生日じゃないか!
「あ~あ、本当に忘れてたよ、薫は。」
「み、深佳ちゃん…ほ、ほら、薫ちゃん元気なかったし、あの時みたいに空中でって訳には…あっ!ご、ごめん…。」
本当に奈都美ったらドジは直って無い…。でもそれがうれしい…。なら精一杯、笑顔を作って
「バカ奈都美…ありがとう。」
そう言って、奈都美を抱きしめる。
「うん、お誕生日おめでとう。薫ちゃん。」
そう言って抱き返してくれる奈都美。
その時だ、電気自動車の時代に似つかわしくない爆音が外から聞こえてきたのは。
キキキキキッ!バタン!ばたばたばたっ!
若佳菜先生のGT2が急停車する音に引き続き、急いで階段を登ってくる音が近づき、
ガチャッ!
「み、みんな揃ってる!大変!大変なのよ! 」
「若ネェ、落ち着いて、何があったのさ。」
「とにかく、無機知能の障壁を解除してたら…ああ、もう!説明よりみんな聞いて!」
そうして、みんなはあたしの部屋に入り、端末を操作する若佳菜先生。そして聞こえた“モノ”は…
「これは…歌…和樹の…。」
そして、あたしは理解した。奈都美が言った事、みんながほしいモノ、…そして、このあたしの心の穴を埋めるモノ…。
あの日、止まっていた時間が動き出す。そして本当に水泳が好きなあたしの気持ち。
「あたし、水泳続ける。」
自然に口に出す言葉。
「なになに、薫ちゃん、水泳って続けて…るよねぇ?」
「ばか薫が今更何言ってるんだよ。」
「バカは余計だ!そうじゃ無くて、今はただ泳いでるだけだったから…。そうだな…ここは大きくオリンピックを目指す!」
「まぁ、大きく出ましたわねぇ。では、バリカンを…。」
「まて、千絵梨!何でそうなる!?」
「オリンピックなだけに五厘刈りに…うぷぷ。」
脱力…っと、そんな事はどうでもいい!今はもっと重要な事がある。
「でさ、とりあえず、“これ”は…。」
「そうねぇ、今は無機知能の認知が低いから…とりあえずここのみんなの秘密にした方がいいわね。」
うん、決まりだ。そうしたら…、
「ねぇ!いつかみんなでまた集まって、和樹に会いに行こう!そうだなぁ…学園の一番高い場所で。」
「いいねぇ、うん、いつが良いかなぁ…」
あたしの提案にみんなが頷く。
空が青い。和樹はここにいなくてもいつもそばに居て…私の記憶もあの空のように…。
そして…
「青い記憶」を再生。
…あたしはミスをした。
そう、久しぶりの大きな大会。しかも水泳を再開してからはじめての優勝に舞い上がっていたのだろう。
ほら、優勝インタビューってやつだ…。
「笹ヶ瀬選手、今のお気持ちと喜びを伝えたい人を。」
「はい、とてもうれしいです。支えてくれた友人と、辛い時に支えになった和樹の歌が…。あっ!しまっ! 」
後悔先に立たず…。あとは、しばらくレポーターに追っかけられて…、みんなの所にも行ったようだし、みんなご免!
結局あの事件の事、和樹の事、そして“歌”の事を公表しなければならなかったし、本まで出版される一大事になった…。
でも結果オーライだ。おかげで無機知能の理解も高くなりつつあるし、なぜか街の復興まで早まった。
さあ、今日も快晴だ。奈都美達が待ってる。今日は和樹に会いに初めて集まるのだ。
鏡をのぞき、服装、髪型、チェック良し! これなら和樹も喜んでくれるかな?
靴を履き、ドアを開け…息を吸い一言。
「"Hello,world" 」
…まずはすいませんm(_ _)m
実を言えばコレ、去年ニトロ掲示板で公開してた奴のリメイクだったり…あぁ、無能な自分を許してかおるん。
せっかくの誕生日なのに(都合により一日早くお送りしております。)。
全スポ会会長がこの体たらくではいかんのでしょうが、誕生日おめでとうの
かおるんるん。
Comment
[86] あ…れ?
何だか、ちょっと前に同じようなものを書いたような…(滝汗
そうか、一年前となんら成長が無いんだな自分…orz
そうか、一年前となんら成長が無いんだな自分…orz
[87] 初めて読んだので・・・
リメイクですか。でも、完成度が上げってればよいのでは?
前の方を読んでないので何とも言えないですが。
でも、空白の数年間をきっちり埋める仕上がりになっているので
別段問題ないとおもいます。さすが、師匠!
前の方を読んでないので何とも言えないですが。
でも、空白の数年間をきっちり埋める仕上がりになっているので
別段問題ないとおもいます。さすが、師匠!
[88] ありがたや~
そう言ってもらえると助かります。
一応、今のSSの形態に合わせたり、加筆修正してあります。
これからも精進いたしますのでよろしくお願いします。
一応、今のSSの形態に合わせたり、加筆修正してあります。
これからも精進いたしますのでよろしくお願いします。